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黒スーツの男

作者: スズ

私が覚えている記憶の中で、一番古いものになる。


当時の年齢は幼過ぎて分からない。

ただ、ようやく寝返りをうつことができ、ハイハイでの移動がおぼつかないながらもできるようになった年頃だ。


その頃、私は親戚が営む商店兼住宅に住んでいた。

店の2階で生活しており、母は店の手伝いをしていた。


母の仕事中、私は2階で寝かされていた。

6畳2間の部屋で、襖が開けられており、広々としていた。

畳の上に敷布団が敷かれ、その上に私がタオルケットを掛けられて寝ていた。


夏で暑かったのか、目が覚めてしまった。

母のところへ行きたいが、体を思うように使えないので諦めてゴロゴロしていた。

2階には誰もいない。

網戸になっているのか、外を走る車の音が聞こえる。


しばらくボーっとしていたら、階段を大勢の人が慌ただしく上ってくる音がする。

ビクッと驚く。

部屋に黒いスーツの男たちが何人も入ってくる。


部屋中を何か探してる。

私に気づいた男が、私を捕まえようとしてきた。


ヤバい


と、本能的に感じ、必死で寝返りをうって起き上がり、ハイハイで狭いスペースに逃げた。


逃げたところで、黒スーツの男が私に手を伸ばしたところで、記憶が切れている。






小さい頃、そんな夢を見たと母に話した。

ただの夢だと笑われるだろうと。


「そういえば、いつだったか昼寝させてて、寝かせたところと全然違う場所にいたことあったわ。」


「何でこんなところまで移動してんの?ってビックリしたの」




ただ、寝相が悪かっただけなのか。

悪夢を見て、自分で移動したのか。

連れ去られるところだったのか。


それから一切、黒スーツの男は見ない。

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