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異世界少年~ロリエルフにTS♀して日本に転生! 言葉は分からないけど、過保護で美人なお姉さんに拾われて何とか生きています!  作者: 二宮まーや@年内復帰予定
第2章

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エルちゃんの朝

 




 ◆エルちゃん視点





 僕の朝はいつも忙しないです。現在、僕にはあおいねーたんから命じられた重要な任務についております。それは、朝に弱いかえでねーたんを起こす事です。毎朝かえでねーたんを起こすのは、それはそれはもう大変で……あおいねーたんは朝に強いので、起きたら直ぐにテキパキと行動するのですが、かえでねーたんは僕を抱き枕にしてスヤスヤと二度寝する事が多いです。酷い時は5度寝くらいしますね。


「かえでねーたん! あちゃだよおきて!!」

「んんっ〜えへへ……すぅ……すぅ」


 僕がユサユサと身体を揺らしても一向に起きる気配がありません。こうなれば奥の手です。かえでねーたんの頬っぺたをペチペチと叩くしかありません。


「かえでねーたん!」


 僕は優しくかえでねーたんの頬っぺたをペチペチと叩く事数分……やっとかえでねーたんが目を覚ましてくれました。


「ふわぁぁぁあああ……んんっ。エルちゃんおはよ〜」

「おはお!」

「あと少しだけぇ〜エルちゃん捕まえた♡」

「かえでねーたん!?」


 寝起きのかえでねーたんにムギュッと抱かれながら、僕の頬っぺたにスリスリと甘えて来ました。本当にしょうがないねーたんですね。


「ぐぬぬっ……ち、ちぬ!? ちんじゃうの!」

「んんっ……ムニャムニャ……」


 ぐふっ……僕の命はここまでなのか。かえでねーたんの大きな胸に顔を埋もれながら天に召されるかもしれません。死因が、かえでねーたんのお胸による窒息死となるのは流石に恥ずかしいですし避けたい所です。


「んんっ!」

「ちょっと! お姉ちゃんはいつまで寝てるの! 早く起きなさい!」


 助かった……あおいねーたんのお陰で、何とかお胸による窒息死は避けられました。


「葵ちゃんおはよぉ〜今起きるよ〜」

「んみゅ! おかおあらうの!」

「はいはい♪ 今行くからちょっと待ってね♡」


 僕も立派な成人の儀を過ぎた大人です。まだかえでねーたん達に甘えたり色々とお世話をしてもらう事は多々ありますが、自分の事は自分で出来るようになるべく努力はしてるつもりです。今では手を付きながらですが、抱っこしてもらわなくても階段を1人で降りれるようになったり、洗面所のお水を出して歯磨きだって1人でやってるのです!


「エルちゃん〜おいで♡ お姉ちゃんが洗面所まで抱っこして連れて行ってあげるからね♡」

「だいじょうぶなの! ボク、ちとりでいけゆもん!」


 なっ!? かえでねーたんが寂しそうな顔をしながら、僕の方をじっーと無言で見つめています。そんな顔をされたら流石に断れません。内心胸がドキッとしてしまいました。多少慣れたとは言え、かえでねーたんもあおいねーたんも絶世の美女です。油断してるとこっちがやられてしまいます。


「……かえでねーたん、だっこちて」

「うんうん♡ 素直でよろしい♡ それじゃあ洗面所に行きますよぉ♡」


 かえでねーたんは本当に可愛いです。こんな無防備な姿を見せられたら、世の男は皆一斉に群がるに違いありません。絶対に他の男に何か渡したくありません。あ、勿論あおいねーたんも可愛いですよ♪







 ◆一ノ瀬家洗面所◆






「エルちゃん、1人で歯磨き出来るかな?」

「できゆもん! これをこうちて……」

「くすくす……エルちゃん? それは歯磨き粉では無く、洗顔のクリームだよ? 歯磨き粉はこっち」

「ふぇ?」


 あれ、これじゃなかったけ? 歯磨き粉の周りには沢山のチューブ状の物が置いてあるのでややこしいです。


「エルちゃん、お姉ちゃんが歯磨いてあげるからこっちにおいで♪」

「んみゃ!?」

「エルちゃんったら♪ 遠慮しなくて良いのに〜ついでに寝癖も付いてるから、お姉ちゃんが櫛でといてあげるよ♡」


 僕はかえでねーたんになすすべもなく、結局色々とお世話をしてもらう事になってしまいました。





 ―――――――――





「はい、コップに水を注いだらくちゅくちゅ、ぺっ! てしてね♪」

「くちゅくちゅ〜ぺっ!」

「はい、良く出来ました♡ 次はお姉ちゃんの膝の上においで♪ 櫛で髪の毛とかしてあげるね♡」


 かえでねーたんが洗面所の椅子に座ると必然的に僕が座る場所は、かえでねーたんの膝の上です。これはルーティンの1つですが、かえでねーたんに櫛というもので僕の長い金髪の髪の毛を毎朝といてもらっています。これがまた、無意識の内に目を細めてしまうほどに気持ち良いのですよ。


「エルちゃんの髪の毛は本当に綺麗だね〜あ、エルちゃん動いたらメッだからね?」

「んみゅ……」


 しかし、最近こうも思うのです。正直僕の今の髪の毛は、はっきり言って長過ぎます。日常生活を送る上で鬱陶しく感じてしまうのです。いっそ髪の毛をナイフでバッサリと切り落してあおいねーたんみたいに短くしたいです。一度だけ、台所に置いてあったナイフよりも大きい包丁と呼ばれる刃物で、僕は髪の毛を切ろうとした所、かえでねーたんとあおいねーたんにめっちゃ怒られてしまいました。包丁は危ないから触ったら駄目、そして女の子は髪の毛が命と教わりました……


「ディフフ♡」

「か、かえでねーたん?」

「もうずっとこうしてたい♡ あ、おはようのチューをまだしてなかったね」

「――――――!?」


 うん、多分今日の朝だけで6回目くらいではなかろうか……かえでねーたん起こす時に沢山キスされましたが、おそらくかえでねーたんは寝惚けていて覚えて居ないのでしょうね。チューするのは、挨拶の基本だと僕は徹底的に教えられたので違和感はありません。むしろかえでねーたんとチューするのはご褒美に等しいです!


「エルちゃん、チューはちゃんと舌を入れてしないと駄目ですよ? こんな感じにね♡」

「わぷっ……!?」


 僕のお口の中の舌とかえでねーたんの舌が、いやらしく音を立ててねっとりと絡み合って居ます!


「んん♡ エルちゃん成分沢山補給しないとこの後のお仕事に支障をきたしてしまうわね」

「んんっ……!?」


 かえでねーたんの息が荒いです。僕はされるがまま大人しくしているとあおいねーたんの声が聞こえて来ました。


「お姉ちゃん!!! ご飯出来たよ!!」

「は〜い! 今行くよ!」


 こうしてかえでねーたんとの朝のひとときは終わりました。でも、この後朝ご飯を食べる時は、必ずかえでねーたんの膝の上に座ってご飯を食べると言うのが僕の中でのルーティンとなっています。






 ――――――








 ◆(あおい)視点






「かえでねーたん! いってらっちゃい!」

「お姉ちゃんお仕事気を付けてね。忘れ物大丈夫?」

「大丈夫だよ〜じゃあ2人とも良い子で待っててね♡ なでなで♡」


 もう、エルちゃんに撫で撫でするのは分かるけど、お姉ちゃんは毎朝、私の頭もエルちゃんと一緒に優しく撫で撫でするのです。まあ、悪くはありませんが、私は今年で22歳になる社会人です。正直言うと少し恥ずかしい…………まあそれはさておき、エルちゃんがまだご飯の途中なので、食べさせたら食器を洗ってから洗濯機を回さないと行けません。やる事終わってからは、今日は1日エルちゃんと遊ぶ日にしましょうか♪ エルちゃんのお勉強も兼ねてお外へお散歩へ行くのもありですね。


「あ!」

「ん? どしたのお姉ちゃん?」

「エルちゃん、葵ちゃん……た、大変よ! 行って来ますのチューをまだしてないの!」

「はいはい、それは良いから早く行きなさい!」


 緊迫した面持ちで何を言うかと思えば……まあ、楓お姉ちゃんらしいと言えばらしいけどね。


「……!?」

「葵ちゃん脇が甘いね♪ 唇が無防備だよ〜」

「もう、お姉ちゃんのバカッ……」

「え? 今何て言ったの?」

「良いから! ほら、早く行かないと遅刻するよ!」


 完全に油断してました。気付けばお姉ちゃんとお互いの唇を重ねてキスをしてしまった……姉妹同士でキスするのはおかしくないの? エルちゃんにするのは分かるけど、私はもう立派な大人だよ?


「かえでねーたん! ボクもチューすりゅの!」

「エルちゃあああああんんん♡♡♡ いくらでもしてあげる♡ 今ならオプションでムギュっからのお耳ぺろぺろもしてあげるからね♡ あ、もうしちゃった♡ ディフフ♡」


 エルちゃんはキャッキャと喜んで居ますね。お姉ちゃんの方は、もう少し女性としての恥じらいを持って欲しいと私は思います。エルちゃんと過ごすようになってから、お姉ちゃんが日を増す事に残念系美少女への道を一歩ずつ進んでいます。昔のクールなお姉ちゃんはいずこへ……


「よし! 今日もお仕事頑張るよ! じゃあ行ってくるね!」

「はい、気を付けてね〜」

「かえでねーたん! がんばえ!」


 お姉ちゃんは朝から元気一杯の様子で、職場へと向かいました。機会があればお姉ちゃんの働く姿を見に行ってみたいものです。お姉ちゃんみんなに迷惑を掛けてなければ良いけど……未だにお姉ちゃんが職場では、優秀で真面目で頼れる先輩だと言うの話しが信じられないもん。


「かえでねーたん、いっちゃったの……」

「また夜に帰って来るからね。それまで良い子にしてようね♪」

「んみゅ! ボク、がんばゆ!」

「うんうん♪ さてと、エルちゃん〜そうえばお野菜がまだ残ってたよね?」

「ふぇ? おやしゃいは……なかったの!」

「あ! こらこら、私から逃げようだなんて100年早いよ!」

「むむっ……!?」


 逃げようとするエルちゃんを捕まえてから、私はエルちゃんをそのままリビングへと強制連行をしました。小さい子の好き嫌いは良くあると聞きますが、エルちゃんの野菜嫌いも中々の筋金入りです。どうやったら食べてくれるのか、日々私も奮闘中と言った所です。


「エルちゃん、私は楓お姉ちゃんと違って甘くないからね。今日こそはちゃんと食べて貰うからね!」

「うぅっ……あ、あおいねーたん! あ〜んちて!」

「ほほう? その手にはもう乗らないよ? ほら、このピーマンさんもエルちゃんに食べて欲しいって言ってるよ?」


 私はエルちゃんが逃げないように自分の膝の上に乗せて、後ろからガッチリと押さえています。


「たまちゃんに、あげゆの……」

「エルちゃん? タマちゃんはピーマン食べたら駄目なんだよ? ほら、観念してあ〜んしよ♡」

「ぐぬぬっ……」


 エルちゃんが口を閉じて、断固として食べないと言う姿勢を示しています。可愛い……ごほんっ。全く、本当に世話のかかる妹ですね。


「エルちゃん、じゃあこうしよう。そのピーマン食べたら後で美味しい物1つ買ってあげる」

「んぅ? おいちいもの?」

「うんうん♪ 頬っぺた落ちちゃうよ♪」

「ほっぺた、おちゆの!?」

「あぁ、そういう意味じゃなくて……とにかく美味しい物だよ!」


 可愛い食いしん坊さんが反応していますね。エルちゃんの長いお耳がピクピクと動いている時は、何かに興味を示して居る時の反応です。


「くすくす……そんなに慌てなくても頬っぺたは落ちないから大丈夫だよ?」

「しょうなの?」

「うん♪ だからエルちゃん頑張ろう!」

「んみゅ……」


 そしてしばらくしてから、ようやくエルちゃんは意を決してピーマンを一切れ食べてくれたのです!


「ううっ……にがいの……」

「しょうが無いなぁ。じゃあ、今日はこの辺で許してあげる」


 お姉ちゃんが仕事に行っている間は、エルちゃんとイチャイチャし放題です。日が増す毎に可愛さと尊さが増すエルちゃん……私も自分の理性と欲望を抑えるのにそろそろ限界を感じております。お姉ちゃんがエルちゃんとイチャイチャするように私もエルちゃんを沢山愛でたいです。ですが、ここで飴ばかり与えてしまうのは、エルちゃんの為にもならないと思うので、そう言った面では私がしっかりとしないと行けません。


「あおいねーたん! おいちいもの!」

「うふふ……後で買いに行こうね♪」

「んみゅ!」


 私も最近になって色々と本を読むようになりました。主に育児中心の子育て本です。私はエルちゃんの事を妹であり我が子の様に想っており、この子を守ってあげたいと言う感情が強くなっているのを実感しております。


「エルちゃんは私の事好き?」

「んみゅ! だいしゅきだぉ!」

「うふふ……♡ エルちゃん、私の事ママって、呼んで見て?」

「んぅ? ままぁ?」

「………………♡」


 何と言う甘美な言葉なのでしょう……お姉ちゃんと呼ばれるのも素晴らしいのですが、エルちゃんが舌っ足らずで、鈴の音のように愛らしい声で言う、【ママぁ】は最早兵器です!


「あおいねーたん! ボクおてつだいしゅるよ!」

「おお、エルちゃん良い子だね〜手伝ってくれたら、お小遣いあげるよ♪」

「わ〜い!」


 やること終わらせたら、エルちゃんと手を繋いで一緒にお出掛けです♪ 


こんばんみー! 二宮です!


ブクマと高評価ありがとうございます! 私の拙い作品を読んでくれて感謝です!



少しでも面白い、続きが読みたい、と思っていただけましたら、ブックマーク登録や、下の☆☆☆☆☆でポイント評価をいただけると嬉しいです。感想も頂けると作者は泣いて喜びます!


書く意欲に繋がりますので、よろしくお願いします!


そして、二宮マッマの最新作【独身おじさん〜異世界で金髪美少女に転生する】も連載始めました! 良かったらよろしくなのです(∩´∀`@)⊃

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