下着に興奮する男達
◆下着泥棒のプロフェッショナル?・カズオ視点
☆一ノ瀬家、一階の廊下にて☆
「おい! マサオ何してるんだよ! 早く来い!」
「兄貴! 待ってくだせぇ! あれを見て下さい!」
只今の時刻は深夜の3時だ。良い子はみんなスヤスヤとお寝んねしてる時間である。そんな中、俺達の今日の業務は一ノ瀬家の秘宝(下着)を手に入れる事。この日の為に綿密にプランを練って来たのだ。ピッキングの技術を磨き、ダイエットをして無駄な脂肪を削ぎ落とし、身体もバキバキに鍛え抜いた。何故そこまで努力するのかと言うと全ては、至高の一枚(下着)の為なのだ。現在、サンタのコスプレをしながら、忍足で廊下を歩いている所である。そして俺の相棒のマサオが、何やら物凄いお宝を発見したようだ。
「こ、これは……!?」
「ここは洗面所……美少女ちゃん達の使用済みの歯ブラシやタオルが眠っていますね」
「マサオ、俺達は誇り高き布回収のプロフェッショナルだぞ? 下着以外の物には手を出さないのがプロだ……」
とは言え……少しだけ……ほんの少しだけならきっと……誤差範囲内だよな? ぺろぺろするだけなら、きっと大丈夫だろう。
「おほぉ~!? これは!?」
「この籠に入ってるのは、まだ洗濯をしてない美少女ちゃん達の下着やバスタオルだ! 俺達はツイてるぜ! まるで金山を掘り当てた気分だな!」
まだ乾いてない僅かに濡れているバスタオル……最高だ! このバスタオルで、美少女ちゃん達が身体を拭いたと思うとめっちゃ興奮するぞ! この湿ったタオルで、豊満な胸やあそこを拭いてたと思うと……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!! 落ち着け俺! ここは一旦冷静になるんだ。
「兄貴、何で女性はこんなにも良い匂いがするのでしょうか」
「そら、美少女ちゃん達が集まれば、そこは薔薇園となり楽園となるからだな。居るだけで甘い香りがするんだよ。美少女ちゃんの存在は、この世知辛いストレス社会の華となり癒しとなるのだ」
「なるほど!」
いかん、危うく美少女ちゃん達の使用済みバスタオルの匂いに思わず発情する所だったぜ。俺の息子が元気になって来たぞ。妄想……おっと失礼。想像するだけで脳内のドーパミンがドバドバと溢れ出て来るのだ。
「あれ? 兄貴ったら、美少女の使用済みバスタオルでアソコを立たせるとは……やはり、まだまだ俺は兄貴の足元にも及びませんぜ」
「マサオ、お前も人の事言えないぞ? そのピンク色のおパンティーを帽子替わりに被る変態は、そうそう居ないぞ。流石は我が弟子だ」
マサオが頭に被っているピンク色の下着は、恐らくお姉さんの下着ではなかろうか。マサオの性剣エクスカリバーも立派なものへと成長している。一ノ瀬家の下着は全てが大当たりだからな。住んでるのが美少女しか居ないから安心して、下着に顔を埋める事が出来るのだ!
「なら、俺はこの白の純白おパンティーを頂くとしよう。ん? おい、マサオ! 大変だ!」
「な、何事ですか!?」
「この純白のおパンティ……ここが少し濡れている!」
「へ!? まじすか!? 美少女ちゃんのえちち汁が僅かに付いていると言うのですか!?」
「最高だぜ! このおパンティは、俺の秘蔵コレクション行き確定だな。今直ぐにこのおパンティに顔を埋めて深呼吸したいぜ!」
「まだ籠の中に熟しているおパンティーが見つかるかもしれません。探しましょう!」
「おうよ!」
ご褒美はこの家を無事に脱出してから、自分の家でお楽しみTimeと行こう! 帰ったら、下着を眺めながら酒を飲もう!
「にゃお!? キシャアアアア!!」
「なっ!? 出たな! 白い悪魔!」
「マサオ! 秘密兵器を出せ!」
「あ、あれ!? 兄貴大変です! 家に忘れて来ました!」
「馬鹿野郎! 致し方ない……ならば、ここは撤収だ!」
これだけ騒ぐと流石に不味い。ここの家の住人が起きてしまう! 目的の至宝は手に入ったのだ。ならば、ここは潔く撤収だ!
「タマちゃんどうしたの!? え、誰!?」
クソ! 美少女ちゃん……ここの家の住人が起きて来てしまった。いや、待てよ? 相手は女だけ……やっちまうか。ぐへへ……
「ちょっと! それ私の下着じゃん! お姉ちゃん! 変態不審者が居るよ! 早く110番通報して!」
「マサオ! あのボブカットヘアーの美少女を取り抑えて、口を布で塞げ!」
「了解ですぜ!」
「ちょっと!? 私に何する気よ!」
「にゃーお!!」
凄い背徳感はあるけど、内心めっちゃ興奮している。ドサクサに塗れて胸を欲望のまま揉んでやろう! そんなエロい身体をしてるのが悪いんだ。ぐへへ……!
「楓お姉ちゃん助けて!」
すげぇ……綺麗な肌に華奢な体。胸はボンッキュッボンで、スタイルも抜群だ……可愛い声に守ってあげたくなるような顔をしてる。堪らん!
「私の妹にぃ!!! 何してくれてるのよおおおおぉぉぉぉ!!」
「はぎゃっ……!?」
「ぎゃああああ!!!」
あ、あれは……テーザー銃と言うやつか!? 何でそんな物がここに……しかも、スタンガン……おふっ。何と言う……威力だ……。身体が……動かない!
「ふわあぁぁ! チャンタさんだ!」
「エルちゃん! あれはサンタさんじゃ無いから! 変態不審者だよ!」
「んぅ? へんたいふちんしゃ???」
「あれは見ちゃ駄目よ! ばっちちだから! そして、エルちゃんはお姉ちゃんから離れたらメッだからね!」
意識が朦朧とする中、最後に天使の様に鈴の鳴るような声が聞こえて来た。そして、俺とマサオの視界は暗転した……。
◆エルちゃん視点
僕達は現在リビングにて重苦しい雰囲気で居ます。てっきりサンタさんだと思ったけど、どうやら違うらしい。相手の怪しい2人組の服装は、頭にあおいねーたんの下着を被りながら赤い服を来ているのです! 今はリビングであおいねーたんが用意した縄で、2人組を縛って事情聴取?と言う事をしているらしいです。要は尋問ですね。
「それで? 貴方達の目的は、私やお姉ちゃんの下着を盗む事だと?」
「はい……後は幼女ちゃんのパンツを……」
「うわぁ……ガチの変態じゃん」
「ありがとうございます!」
「いや、褒めてないから!」
「もうこの際です! 私達にどうか下着を! ご慈悲を下さいませ! 何なら貴方が今穿いている下着を……ぎゃああああああああぁぁぁぁ……!?」
あおいねーたんが、ゴミ虫を見る様な目で変態不審者2人組に電撃攻撃をしております。あれはスタンガンと言う誰でもボタンを押すだけで電撃魔法が使えると言う恐ろしい代物です。
「おふっ……痛くて、痺れて気持ち良い……♡」
「兄貴……俺はもう幸せです♡」
「うわっ……お姉ちゃん、こいつら救いようの無いガチの変態だよ。スタンガン喰らって喜んでるよ……」
「ありがとうございます!」
「だから褒めて無いから! 貴方達、自分の置かれている状況わかってるの!?」
「はい! ご褒美……尋問です!」
「今、ご褒美って言ったよね!? 頭大丈夫!?」
何だろう……気の所為でしょうか? さっきから僕の方をチラチラと変態不審者さん達が見ております。ボクはかえでねーたんに抱かれながら少し距離を置いて状況を見守っています。まあ、この男の人達の気持ちも分からなくは無いです。かえでねーたんもあおいねーたんも絶世の美女……僕だって、今は女の子の身体になってしまいましたが、気持ちは立派な成人男性です。お姉さん達の下着を欲しいと言う気持ちは少し分かります。
「兄貴……金髪のロリ天使が居ますよ……」
「あぁ……何て愛らしいんだ……」
「ちょっと! 私の妹に変な視線向けないでよ! 汚らわしい!」
「あはんっ♡ ボブカットのお姉さん、もっと罵ってくれ!」
「……スタンガンの出力あげるね」
「ぎゃああああああああああああっ……うふっん……あふん♡ はう♡」
この2人は、レベルが高い変態不審者さんです。あおいねーたんとかえでねーたんのドン引きした視線に興奮したり、あそこをもっこりとさせて、テンションが異様に高いです。早く騎士団に身柄を渡した方が良いのかもしれません。
「貴方達のしてる事は立派な犯罪よ? 窃盗に不法侵入にその他諸々……カズオとマサオさん、今日が貴方達の命日よ」
「え、何で俺達の名前を……」
「服に書いてあるわよ」
「あ、しまった!! 俺とした事が!」
アホなのかな? いや、下着泥棒をしようとしてる時点でお馬鹿さんなのかもしれません。
「うぅっ……頼む! 俺には可愛い妹と弟が居るんだ! 俺達は貧乏で、妹や弟を食わす為に泥棒と言う犯罪に手を出してしまったのだ……本当は下着では無く、金目の物がどうしても必要何だ……あくまで下着は出来心で取ってしまいました。本当に申し訳ありませんでした!」
「一ノ瀬さん、本当に申し訳無い!」
2人は互いに涙を流しながら、あおいねーたんやかえでねーたんに頭を下げて謝っています。この人達にも大切な家族が居るんだな……もし、この人達を騎士団に渡してしまったら、妹さんや弟さんが悲しんでしまう。それでは後味が悪い……
「かえでねーたん、あおいねーたん……」
「どしたのエルちゃん?」
「ん?」
僕はカズオとマサオさんの前までトコトコと歩いて行きました。そして、ポケットの中から僕の秘蔵の1万円玉を2枚出して2人の前に置きました。
「え、幼女ちゃん……これは一体……」
「え、えと……1円玉? え、お金?」
「んみゅ! きょうのところは、みのがちてやるの! だから、もうわるいことするのは、メッなの!」
かえでねーたんやあおいねーたんには悪いけど、もう一度だけこの人達にもチャンスを上げても良いのでは無いでしょうか。人は愚かな者です。誰しも道を踏み間違える事だってあるでしょう。
「エルちゃん、何言ってるの!?」
あおいねーたんの気持ちは分かります。確かにこの2人は、許されざる罪を犯しました。でも、ボクも昔、スラムで生きる為に沢山悪い事に手を出して来ました。この2人は、パンツを頭に被って喜んだり、あおいねーたんに罵倒されて悦ぶ変態さんだけど、根はきっと素直で良い人なのだと思う。話して見ると案外真面目で、相手を気遣う様な口調で話す辺り悪では無い様な気がします。変態だけど。
「よちよち♪」
僕はカズオとマサオさんの頭を撫で撫でしてあげました。そしたら、2人は滂沱の涙を流しながら懺悔しておりました。
「うおおおおぉっ……!!! 俺らが間違ってたよ……幼女ちゃん、今後はもう悪事を働くのは辞めるよ!」
「何て純粋何だ……あぁ、女神様……」
「幼女ちゃん……いえ、お嬢と呼ばせて下さいませ!」
「不詳我ら一同、貴方様に付いて行きます!」
「ふぇ!?」
マジで? え、この流れはもしや……ボクに配下が出来ると言うのか!? 冒険者に良くある師弟関係……あるいは舎弟と言うやつでしょうか? これでボクもまた1つ、一流の冒険者へと近付いたかもしれません!
「私は許したつもりは無いから……エルちゃんと違って、私達は甘くは無いわよ!」
「姉御!」
「誰が姉御よ! はぁ……あ、もしもし警察ですか?」
何だか凄い展開になってしまった……
「エルちゃん、下着泥棒と言うのは立派な犯罪なの。だからね、この人達を甘やかして見逃したら、また同じ過ちを繰り返してしまうのよ」
「んぅ? はんざい?」
「うん、悪い事はしたら絶対に駄目。だから、この人達の為にもしっかりと罪は償って貰うからね」
「んみゅ……」
そして、暫くするとけーさつ?と言う騎士団とはまた別の組織の人間が家にやって来ました。かえでねーたん達はけーさつの人達と暫く話し込んでおります。
「ご協力感謝致します! 今日はもう深夜遅いので、詳細は後日、署の方で詳しくお聞かせ下さい」
「深夜遅くご苦労さまでした。こちらは連絡先です。また何かあればご連絡下さい」
「はい、では失礼致します」
カズオとマサオさんは、けーさつと言う人達に連れて行かれました。これにて一件落着なのかな?
「とりあえず寝よう」
「うん、今日は疲れたね……もう寝よう」
そして、何事も無かったかのように僕達は再び寝床へと向かい、お姉さん達の抱き枕になりながらスヤスヤ……と眠りました。明日かえでねーたんが、僕に道徳と言うお勉強を教えてくれるそうなので楽しみです!
こんばんみー! 二宮です!
ブクマと高評価ありがとうございます! 私の拙い作品を読んでくれて感謝です!
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