黎明◆ 一ノ瀬 奏という女
◆楓視点
「すぅ……すぅ……」
「うふふ……エルちゃん気持ち良さそうに眠ってるね」
あれからコンビニで買ったパンやチキンをエルちゃんは残さずにペロッと食べて、今は気持ち良さそうに私の腕の中で我が家のお姫様はスヤスヤと眠っております♪
「お姉ちゃん、そろそろ寝よっか。エルちゃんも寝ちゃったし」
「そうね。私も眠くなって来ちゃった。葵ちゃん見てよ、エルちゃんのこの可愛いらしい寝顔♡」
「エルちゃんは相変わらず可愛いね〜それにエルちゃんを見つめるお姉ちゃんの顔も面白い!」
「葵ちゃんも同じ顔してるよ〜」
私や葵ちゃんもエルちゃん抜きでは、もう生きて行けません。エルちゃんのお世話するのが最早生きがいになっています。今は休みなのでまだ良いのですが、仕事始まったらエルちゃんとしばし離れ離れに……仕事に集中出来るか不安です。
◆寝室
「……ムニャムニャ……」
「あら、起こしちゃった? ごめんね、エルちゃん。こっちの服に着替えてから一緒にお寝んねしましょうね〜」
私は寝惚けているエルちゃんの服を脱がして、うさ耳の付いたパジャマを手際良く着させました。この服は私が通販で買っておいたとっておきの可愛いパジャマです♪
「んぅ……」
「きゃっ〜! 可愛いわ! エルちゃん、こっちの兎さんのぬいぐるみもどうぞ♡」
ヤバいです! エルちゃんを中心に尊いハリケーンが吹き荒れています! 葵ちゃんも口に手を当ててプルプルと身体を震えさせています。
「可愛いっ! エルちゃん〜? 今日は葵お姉ちゃんと一緒に寝んねしよ〜♪ エルちゃんの大好きなお胸でちゅよ〜」
「じゃあ私は葵ちゃんとエルちゃん両方抱いて寝る! とりゃ〜!」
「うわっ!? お姉ちゃんったら、もう……強引何だから〜」
私は2人の可愛い妹を抱きながら寝れて幸せです♡ 前は葵ちゃんと一緒に寝ようとしても恥ずかしいからやめとくと言われて、私は一人寂しく抱き枕を抱きながら寝ていました。ですが、今では葵ちゃんもエルちゃんと一緒に寝たいからか、同じベッドで一緒に寝ています。これもエルちゃんのおかげですね♪
「――――――。」
「あぁっ!? エルちゃんごめんね! 腕につい力が入っちゃった。苦しかったでちゅね〜」
「――――――!!」
「あらまぁ……よしよし〜プンスカ怒ってるエルちゃんも可愛いでちゅね〜チュッ♡」
「――――――はわっ!?」
エルちゃんはチューすると直ぐ顔を赤くしてしまいます。そんなに恥ずかしがる事無いと思うのですけどね。だって、エルちゃんが寝てる時なんて数え切れないほどチューしてますからね。あと葵ちゃんにも。
◆元幽霊……相澤奏視点
「んん〜ここは何処?」
私は身体を起こして辺りを見渡します。何処かのアパートの一室ですね。と言うかボロすぎます!
「あのエロそうな顔をしたジジイ……いえ、おじいさんが私を生き返らせてくれるとは聞いたけど……一応本当っぽいわね」
私は自分の手をにぎにぎとしてみたり、身体の至る所を触って現状を確認しました。股間には何も付いてなく、赤ちゃん部屋に通じる穴が有るのは確認済みなので、性別は前世と同じ女性です。
「ん〜っと。鏡は……あった!」
私は壁に掛けてある鏡を覗きました。
「………………誰っ!? これ私なの!?」
壁の中には黒髪の大和なでしこ並の雰囲気のお淑やか系美少女ちゃんが写って居たのです! 綺麗な肌に長い黒髪。パッチリとした目に上品で優雅な雰囲気の美少女! 胸もそこそこ大きいです! 服は黒いTシャツと白のミニスカートにニーソックス。前世よりこっちの方が圧倒的にきゃわわです! 人生勝ち組キタコレ! しかもエロスを混じえたムフフな美少女ちゃん確定! SSRです!
「神様……ありがとうございます! 後、エロそうなジジイと思ってしまいました。ダンディなイケメンおじいさんあざっす!」
私は気分が爆上がりで、天にも登るような気分でした。一通り自分の顔を堪能した後に、冷静に現状把握に務めました。
「あぁ、私ちゃんと生きてるよぉ……生身の身体だ……ぐすんっ……」
しかし、私の名前は相澤 奏ですが、今の自分の名前はもしかしたら違うかもしれません。何か身分証となる物を探してみましょう。
「おっ! ちゃぶ台の下にあったあった〜♪ しかも分厚い財布! 丁度お腹も空いて来たし、復活祝いでぱぁ〜っと焼肉でも食べちゃいますか! いえいっ! カルビに〜タン♪」
しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。財布の中を開くとレシートやカードが沢山入っており、現金は1229円しか入っていませんでした……
「え……もしかして、私ボンビーガール? いや、流石にこれは無いよね? 銀行に幾らかある筈……嘘でしょ? 残高1892円? 人生ベリーハードモードですか? 私に死ねと? ん? これは……あ、身分証だ」
身分証には一ノ瀬 奏と記載されています。年齢は23歳……ほほう。
「なるほどね。一ノ瀬かぁ〜あのきゃわわな幼女ちゃんと同じ苗字! これはお姉ちゃん属性獲得なのでわ!? でもたまたま苗字が同じと言うだけかしら?」
まあ考えるより、まずはご飯を先に食べましょう。お腹が空きました。流石に冷蔵庫の中に何か食べ物が入っている筈です。
「六畳間のボロアパートにちゃぶ台ひとつに冷蔵庫。後はタンスや小さなテレビがあるくらい。これガチなやつじゃん」
私は冷蔵庫の中を開けて中身を確認しました。
「ふぁっ!? まじか……え? もやし? これだけ?」
せっかく新たな人生が始まったと言うのに、私のお先は真っ暗です。やばい、このままでは本当に餓死してしまいます! しかし、不幸と言うのは連続で起こるものでした。
「ドンドンっ! 大家の下野です」
「あ、はい! 今開けますね!」
私は急いでドアを開けて、大家さんと名乗る人物を玄関に招き入れました。相手の容姿は、メガネを掛けた中年の小太りなオッサンです。
「一ノ瀬さぁ〜ん? そろそろ家賃を払ってくれないとおじさん困るんだけどなぁ〜もう2ヶ月分滞納してるんだよ? どうすんの?」
「えぇっ!? ちょっと待って下さい! 私はお金ありませんよ!?」
そんなの知りませんよ! ただでさえ食うものに困っていた所なのですよ!? しかも家賃滞納って……
「そっかぁ、じゃあお仕事紹介してあげようか? とびっきりのね」
「ヒィッ!? あと少し……次の家賃支払いの時まで待ってください! 何としてもお金用意しますので! お願い致します!」
絶対危ない仕事ですよ! そんな危険な仕事はしたくありません!
「チッ! 後1ヶ月だけ待ちます! もし返せなかったら、分かってますね?」
「は、はいっ!! も、もちろんです……ちゃんとお支払いしますので!」
「今日の所は許してやります。また1ヶ月後に来るからね? 払えなかったら……分かってるね?」
そう言うと大家は紙を床に投げ捨てます。そしてドアを閉めて部屋から出て行きました。
「そんなぁ……えっと……15万!? 2ヶ月だよね!? こんなボロアパート家賃こんなするの!? これは、まじでやばい!?」
まだ状況も良く分かって無いのに、いきなりこれは酷くないですかっ!?
「落ち着くのよ私。さて、このピンチをどうやって乗り切る?」
案1→大家を抹殺する
案2→大家を海に沈める
案3→大家を亡き者にする
案4→大家を暗殺する
案5→大家を始末する
案6→大家の家を燃やす
「ぐぬぬ……犯罪は流石に犯したら不味い。真っ当にバイトして稼ぐか……期限は残り1ヶ月……」
いや、人生の全てを掛けてパチスロにかける? それか宝くじとかでも当たらないかな……
「ん〜よし、全財産パチスロに全てを掛けよう!」
くぅぅ……私は可愛い女の子とイチャイチャムフフな事したかったのに、まさかお金が無いとかまじやばみしかないんですけどぉ!?
こんばんみ〜まーやです。
新キャラ登場です!




