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東京到着! 二宮マッマと葵ちゃん

 




 ◆葵ちゃん視点





「んん〜着いた! 久しぶりの東京駅!」


 今日は快晴で絶好のお出かけ日より! モモネちゃん関係のお仕事で久しぶりに東京へとやって来ました♪ 田舎でも新幹線を使えばあっという間に着いちゃうから、日本の技術も本当に凄いよね〜♪ さてと……今日も頑張りますか!


「待ち合わせ場所は……丸ノ内方面のカフェだったよね」


 今日待ち合わせしてるお相手は、白澤凛子(しらさわりんこ)さんと言う女性と気の触れたキチガイの二宮マッマです。凛子さんの方は私が西園寺モモネとして活動し始めた頃からのマネージャーさんですね。最後に直接お会いしたのは、エルちゃんを我が家に迎え入れる前なので、約半年ぶりくらいかな? 元気にしてるかなぁ〜と言っても活動休止期間中も何度かメールでやりとりはしてましたけどね。


「おお、売店や店もかなり増えてるね。帰りにお姉ちゃんやエルちゃんに色々とお土産買って帰ろ〜♪」


 やっぱり都会に来るだけでワクワクするね。私が初めて東京へ来たのは、中学2年の夏だったかな。確か夜に新幹線で家族と皆んなで旅行しに行ったんだよね……あの頃は幼子のように興奮したのを今でも覚えてる。初めてのお台場や秋葉原に池袋……本当に楽しかった。お父さんとお母さんと手を繋いで……


「……」


 思い出すと涙が出て来そう。今から人に会うのだから気持ちを切り替えないとね。さてと……エルちゃんやお姉ちゃんは今頃何をしてるのかな? 2日間家を開けて大丈夫だろうか……エルちゃんもの事も心配ですが、お姉ちゃんの方も心配です。お姉ちゃん、仕事は出来るのに何故か家事や料理とかは駄目駄目ですからね。身内だからこそ分かるのですが、楓お姉ちゃん家では結構ズボラな方だと思う。むしろ職場でテキパキと働くお姉ちゃんの姿とか全く想像がつきません。機会があれば覗いてみたいくらいだよ。


「後でメッセージ入れとこうかな。心配……」


 そんなこんなで考え事をしながら歩いていると目的地へと辿り着きました。待ち合わせ場所はスターツバックスと言うお洒落で若者向けの人気店です。


「いらっしゃいませ〜」


 店内に入ると平日だと言うのに沢山の人で活気に満ち溢れています。スターツバックスはチェーン店で、美味しいコーヒーにスイーツ、そして、子供から大人まで魅了する数多くの美味しいフラペチーノ等イニスタ映えしそうな物ばかりだ。イニスタ映えと言う言葉を良く使いますが、私自身はイニスタはやってません。


「へぇ……おお? とろろオクラ納豆フラペチーノ……期間限定……」


 スターツバックスさん……ちょっと冒険し過ぎでは無いでしょうか? 抹茶、バニラ、ショコラ、オレンジ、メロンと並んでとろろオクラ納豆フラペチーノって……生クリームと甘いバニラアイスに絶対合わなさそう。てか、これ頼む人も中々のチャレンジャーだよね。


「店員さん、すみません〜メロンフラペチーノ1つ下さい♪」

「はい、サイズは以下がなさいますか?」

「どうしようかな……じゃあ、一番小さいやつでお願いします」

「はい♪ スモーティーですね♪ 480円となります」


 私はお金を払ってからメロンフラペチーノを店員から受け取った。そして、店内を歩いて空いてる席に座ろうとすると……


「あ〜お〜い〜ちゃああああああああぁぁぁんんん♡♡」

「きゃぁぁぁああああ!? え、二宮マッマ……!?」


 突然の事だったので、思わずびっくりして素の声が出てしまいました。このいやらしい手付きで私の胸を揉む変態は、楓お姉ちゃんか二宮マッマしかおりません!


「あらあら、またおっぱい大きくなった? Hは余裕でありそうね。いや待てよ? IかJの領域に入ってるかも? 流石はあの楓ちゃんの妹ね……恐ろしや」

「マッマ? それは普通にセクハラだよ!」

「まあまあ〜そんな細かい事気にしたらメッだよ? 昔は一緒にお風呂入ったり、ベッドでンフ〜♡な事したり、新婚夫婦の夜の営みごっこもしたじゃん♪ 思い出して見てよ♪」

「う〜ん……思い出したく無いかな。マッマはとりあえず静かにしよ?」


 二宮マッマは相変わらずだね……しかし、今日の二宮マッマのコーデ凄いな。サングラスも似合うし……何処かのモデルさんみたいですね。この人喋らなければ大和なでしこなのに……喋ると本当に残念なお姉さんだよ。


「二宮さんはもう少し落ち着いて下さい。ごほんっ……葵ちゃんお久しぶりだね♪」

「あ、凛子さん! お久しぶりです!」


 マッマとじゃれあって居ると、後ろからマネージャーの凛子さんが到着したようです。丁度良いタイミングですね♪ 凛子さんはマッマと違って普通で健全な女性です。


「ちょっと葵ちゃん!? 私の時と凛子さんと出会った時の反応が天と地の差じゃないかなぁ……!? マッマ悲しいよ!」

「あぁ〜二宮マッマと出会ったら、バッドエンカウントだからね」

「ああああああああああああああああぁぁぁ♡♡♡ またそんな事言って、ツンツンしちゃってぇ〜素直じゃないなぁ♪ このこの〜♡ でも、そんな葵ちゃんも可愛いわ! しゅきしゅき、だぁ〜い好き♡ 葵ちゃんは私の嫁! ごほんっ……葵ちゃんよ、私の妹にならないか?」


 喋り始めるとマッマは本当に止まりません。1人でも一生喋ってそうなくらいにやかましいです。


「謹んでご遠慮致します♪」

「え!? 良いの!? ありがとう! じゃあ早速こちらの婚姻届の欄にサインを……」

「私良いとは言ってないんだけど!? 何で婚姻届何て持ち歩いてるのよ! しかも、妹じゃなく嫁になってる!? 私達女性だよ!? 同性同士での結婚何ておかしいよね!?」

「私は一向に構わん! それに愛さえあれば関係無いわ! それに……身体は女でも私の心の中には、立派なおちんちんが生えてるわ! だから問題無し♪」

「問題だらけだよ!」


 二宮マッマは息を吸うように下ネタを言うので、周りの視線が……マッマは顔出しをしてる有名人何だから、もう少し周りの目を気にして欲しいものです。いくら変装してるからとは言え……直ぐにバレちゃうよ。


「二宮さん、アホな事言ってないで早く行きますよ。葵ちゃんの今日のスケジュールはパンパンなのです」

「はいはぁ〜い♪ 葵ちゃん、それじゃあお仕事現場まで行こっか♪」

「く、苦しい……いちいち抱き着かないでよ!」

「めんごめんご〜無意識のうちに合体しちゃった♡ てへぺろりんこ♡ 葵ちゃんは相変わらず素直じゃないなぁ〜素直になるまでぺろぺろしちゃうぞ☆ そんなエロい身体をしちゃって〜私が〇〇〇ちゃうぞ♡」


 不覚にも二宮マッマに抱きしめられ、ふわっと良い匂いが漂って来てドキッとしてしまいました。何だかお母さんに抱かれるような安心感を少しだけ……ほんの少しだけですが感じてしまいました。バブみ系お姉さんとも呼ばれる歩く性犯罪……二宮マッマですが、こう見えても面倒見も良く相談事の際は物凄く親身になって話しを聞いてくれたりと意外な一面もチラホラとあります。二宮マッマには恥ずかしくて素直に言えませんが、私の心の拠り所の1つが二宮マッマです。恋愛感情と言う訳ではありませんが、前に楓お姉ちゃんが言っていた好きな人に意地悪して冷たくしちゃうと言う気持ちはこう言う感じだったのかな?


「ごほんっ、お戯れはそのくらいに……外に車を停めていますので行きましょう」

「はい♪」

「ラジャー!」


 これからお仕事の現場まで車で御一緒する予定です。私の今日の目的は、二宮マッマのラジオ番組とCM関係と他のVTuberさん達との打ち合わせです。スケジュールも詰まっているので効率良く動いて行こう。


「では出発します。ここから車で30分くらい掛かるので、それまでごゆっくりどうぞ♪」

「は〜い♪」


 凄い……この車、高級セダンだよ。凛子さんの車がいつの間にか進化してる……前はボコボコに凹んだ軽自動車だったなのに……運転上手くなったのかな?


「ほへぇ〜凛子ちゃんすんごい車乗ってるんだね。座り心地も最高だよ!」

「うふふ……二宮さんありがとうございます。私こう見えても車が好きなのですよ〜」

「良いなぁ〜私も車の免許欲しいなぁ」

「あら? 二宮さんは車の免許お持ちでは無いのですか?」

「あ、凛子さん……二宮マッマは……」


 噂に聞いた話しですが、二宮マッマが車校に通った時のエピソードがかなりぶっ飛んでいるのです。都市伝説かと疑うレベルに正気の沙汰ではありません。


「うん。持ってないの……私、車の運転が絶望的に下手くそでね……しかも、ハンドルを持つと人格が変わるかのように気持ちが高揚して無敵になった気分になっちゃうの。はじめてMT車に乗って、ボフンボフンと最初はエンストかと思いきや次の瞬間爆発したり、教習所内の至る所にある建物や信号機に突っ込んで全壊させちゃったり、私の横に乗って下さってた教習員の人を計12名を病院送りにしちゃったりと……色々あって車校側から受け入れを拒否されちゃったの。沢山の方にご迷惑をお掛けしてしまって……今思い出すと罪悪感に飲まれそうだわ」

「ええぇ……良く生きていましたね……しかし、何をしたら爆発するのか逆に知りたいくらいですよ……」

「私の唯一の取り柄が身体が丈夫な事なの! ほら、馬鹿は風邪引かないと言うじゃん♪ 他にもまだ沢山あるのだけど……聞きたい?」

「い、いえ……遠慮しときます」


 二宮マッマの助手席に乗ってた教習員の人が不憫でならないです。病院送り、爆発と色々とパワーワードが出て来ましたね。MT車でのエンストなら分かりますが、本当に何をしたら爆発するのだろう……しかも、二宮マッマだけ無傷だったそうです。


「二宮マッマのエピソードいつもやばいよね……」

「ソンナコトナイヨ」

「せっかくだから他の面白いエピソードも聞かせてよ〜」

「ええ〜そんな面白くないよ?」


 二宮マッマは窓の外を見つめながらそっと口を開いて語り始めました。


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