表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/36

33.旅立ちの日

評価やブックマーク、誤字報告いつもありがとうございます



 喫茶店クローリクへ行き、移住する報告をした日。

 ファビオさんとコレットちゃんが遂に結婚すると言う嬉しい報告を受けた。


 見守り隊として盛大にお祝いをしたいと思いますの!


 それに移住すると言っても最期のお別れと言うわけでも有りませんから、皆励ましの言葉と共に送り出してくれた。


 家を出て最初の幸せはここから始まった。


 従軍中は辛く悲しい事も有ったけど、それでも生きる努力を止めずに頑張れたのは、アルマさんとコレットちゃんのお陰だと思うのです。



 そして、クローリク常連仲間のノアさんを移住にお誘いしたらとても喜んでくれましたよ!

 一応私の護衛枠で居住権ゲットですの!

 やっぱり陛下が近くに居ると言うのは大きいようです。


 そして何故か養父様も一緒に移住したいと申し出て下さいました。

 これには少し驚いたのですが、養父様は仕事が忙しくて中々手をつけられなかった魔獣の研究を再開したいそうで、ユヴァーリ領なら持って来いだと仰っておりました。

 まぁ、ティグリスにフェンリル、それに鹿の魔獣モントムースもわんさかおりますしね!


 家族枠で行けるなら是非行きたいと、少しだけウキウキ感がチラ見えしておりました。

 普段冷静で表情に乏しい養父様のウキウキ顔が尊かったのですわぁ・・・!


 独り立ちしてしまったジーク姉様に少し寂しさを感じますが、これからも帝都に訪れる機会は多いのです。

 きっとまた会えますよねと思ったが、養父様がユヴァーリに籍を移すので必然的に娘であるジーク姉様の実家も私達の住む場所になるそうなのです。


 姉様!何時でも里帰りして下さいまし!!







***


 帝都を発つ日、最後にしなければならない事が残っておりました。


 それは、ルナリア姉さんの纏う瘴気の浄化です。


「ほら!!やっぱり眷属様は私に気付いて、迎えに来てくれたのだわ!!」


 開口一番それでした。


 神聖属性魔力での浄化も一時的にしか効果が無かったようで、何の変わりもありません。

 結局、浄化後直ぐにまた瘴気をもりもりと生産しております。


 神聖属性魔力での治癒でも無理という事は、もうどうにもならないという事でもありますね。完全にお手上げです。



 そして私はヴェールを取り、ルナリア姉さんに向き合いました。


「何故アンタがその衣装を着ているの!?眷属様に今すぐ返しなさい!!それを纏って良いのはあの方だけだと言うのに、なんて事を!!」


 結局こんな反応しか返って来ませんでした。

 何時も通りのルナリア姉さんですね。

 少しはまともな反応があるのではないかと思ったのですが・・・


 神聖属性魔力を見ても、未だにそれを認められないようです。


「ルナリア・フォルトーナ、これでお別れです。これから罪をしっかり償う事を願います。」


 そんな訳が無いと、必死に叫ぶルナリア姉さんを見ていると、イザベラさんが何故彼等を子供扱いしていたのかがよく分かりました。

 

 ルナリア姉さんの刑は終身の禁錮。もう会うことも有りません。


 そして取り巻き達も自己把握が出来る様になって来たそうで、現実を見つめ直す事も少しずつ出来る様になって来たそうです。

 勿論、自分達が何を仕出かそうとしていたのか、という事もです。


 そんな訳で、取り巻き達は今受けている療法が終われば鉱山労働ですが、殆どの方は有期となっております。


 瘴気と怨嗟の伝染による精神汚染。宮廷魔導師達はそう言っておりました。

 なので、ある程度の減刑が認められたそうです。


 と言うか瘴気や怨嗟って伝染もするんですね・・・


 そして何よりも、彼らの治療には賢者ユークラーダの難しい方の分厚い医学書がとても役に立った様です。

 今年丁度死後二百年です。

 後世でめちゃくちゃ評価上がりましたよ!倉田先生!


 まぁ、アンリさんが凶器的に分厚い医学書片手に、こちらの世界に合わせて病態の説明をしてくれてようやく分かったのですけれど。


 これは治癒魔術が万能過ぎる弊害ですわね。




「では、さようなら。ルナリア姉さん。」


 そして私は、妄言と暴言を吐き続けるルナリア姉さんに別れの挨拶を済ませて退出しました。


「では、行くとしようか。」

「はい、お師匠様。」


 これから宮殿内と行政府へ挨拶巡りです。


 序でに納期についても、ちょっとおまけしてもらえないかな?と思ったけど、契約書が有りますので普通に無理でした。


 移住する前から既にブラック感あるのですが、まあなんとかなるのですわ!多分!








***



 太陽神の眷属や真聖女の役割は、継承と戴冠が終わった後にお役御免となるようです。


 神殿や一部の聖女の行いは公にされましたが、逃亡神官の捜索もあったり、まだ一件落着には程遠いです。


 でも、難易度アルティメットな任官試験を突破した神官さん達が、ようやく各領地の神殿や教会に戻って行きました。


 きっと最初は風当たりも強いかも知れません。


 それでも神の教えに従い、それを守って生きて行く決心なんてとうの昔に済んでいるそうなのです。


 しかも今までに比べたら余裕があるし、もっと手厚い福祉活動も出来ると喜んでおりました。


 流石自ら進んで脳内の思考を曝け出せる方々ですわね・・・!!

 わたくしには絶対に真似できない事ですわ!!




「ヴァイオレット様、貴女の護衛が出来た事を誇りに思います。どうか、お元気で。」


 飛行船発着場で、帝都での最後の護衛をしてくれたカミラさん。

 今日も相変わらず美少年風です。


「私こそ!有難う御座いました!」



 家を追い出される様に出て来て、僅か二年と少し。

 こんなにも充実した日々が送れるとは思ってもみなかったなぁ。


 伯爵家にいた頃も学園生活もずっとボッチだったけど、帝都に来てからは友達が少しずつ増えて。

 万年金欠だったけど、一生懸命仕事して貯金も増やせた。

 まぁ、気を抜くと今でも赤い数字がチラ見えするのはアレですけど!

 研究用の素材費用とか有るのでしょうがないのですわ。



 そして魔導師試験はまだ受かってないのですわ。

 でも、これから幾らでも試験を受けるチャンスはあるし、お師匠様に習いたい事はまだまだいっぱいあるのです!


 一応、お師匠様の指導のお陰で治癒師と薬師の称号を取れましたし、賢者ユークラーダの医学書をちゃんと読めるようにもなりたいのです。


 あら?気付いたらやってみたい事だらけですわ。


 でも時間はいっぱいありますので、折角の転生ライフを満喫させて頂きますわ!





 見送りに来た人達に手を振り返し、タラップを登る。

 少しだけ涙が滲み、目の前が少し霞む。


「皆、またね。」


 そうですね、その内きっとまた会えるのです。

 わたくし気楽に旅立ちますわ!


 



 

最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ