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24.浄化作業

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 お昼ご飯は、お味噌汁とホカホカ炊き立てご飯。

 そして山盛りの唐揚げ達。


 カブときゅうりの浅漬けが大変美味しゅうございますの。


「和食の味完全再現ですね!しかもこのご飯、完璧に日本米じゃないですか!」

「それはヴァツカーヌ米だよ。あと発酵系も結構揃っているからお土産に後で包んでおくよ。」


「ヴィーさんにもお料理喜んで貰えてよかったわぁ。」


 エマヌエル様がにっこり笑ってそう言うのですが、恐ろしいほどの天然のチャームを振り撒いておりますの。

 きっと、女性達にもかなりおモテになったのではないでしょうか・・・


「ヴィーさんは自炊派でしたか?」

「はい。でも今生ではまだあまり料理をしていなくて。たまに姉様と一緒にお菓子を作ったりする位ですが、身分もあって中々厨房には入りにくいです。」


 そんな私の言葉に、リューシャちゃんはスフレケーキのお礼を再び言ってくれた。

 そして、妻にしたかったとも言ってくれた。


「上級魔術師から中々魔導師に上がれなくてちょっと落ち込んでいましたが、リューシャちゃんにそう言ってもらえると魔術師としてはとても嬉しいですね。所で、リューシャちゃんは何の研究されてるのですか?」


「私はね、大容量転移陣を作ろうと思ってるの。基礎理論は完成したけど消費魔力が多過ぎて、世界各地の美味しい物お取り寄せには程遠いよ。」


 ご当地グルメ収集が目的・・・でも、物流の改善になりますわね。

 いくら飛行船があっても、前世のあの物流には程遠いですし。


「それと、リューシャちゃん。ジル嬢のこと、本当にありがとうございました。」

「お礼なんていいよ。私が好きで妻に選んだんだし。そうだ、ジークくんは元気?」


「ジークリンデお姉様は、元気にしてますよ。女の子として生きられて嬉しいと。日々そう仰っております。」


 その話を聞いて、何だか皆ほっとした様な顔をしていた。


「ジークは令嬢となっても腕は衰えていないか?」


 ガレスさんが懐かしそうな顔をして言う。

 お知り合いだったのでしょうか?


「偶にお稽古でオルセン卿と楽しく打ち合いしてますけど、前より強くなったと言っていましたね。」

「そうか、それは何よりだ。」


 ジークフリート先輩は次代の三騎士、そう言われておりました。

 でもジークフリート・バウムガルト子爵令息は行方不明になってしまったのです。


 そしてあの尊きジークリンデお姉様爆誕なのですわ。


「美しさを磨く事も、剣の腕を磨く事も、そして研究も。何事にも一生懸命なジーク姉様は本当に素敵なお姉様なのですよ!」


 私のその言葉に、皆和やかに笑う。

 そしてエマヌエルさんがとても優しい笑みを向けてくれた。

 喜んでくれている事は分かるのですが、ドキっとしてしまいますの・・・魅了力がすごいのですわ!


「さぁ、デザートに森のフルーツをいただきましょう。」


 エマヌエルさんがそう言って、苺とバナナ、マンゴー、ライチを籠いっぱい出してくれた。

 不思議な組み合わせです。


「うわぁ、すっごい。苺は久しぶりです!」


 この世界ではまだ出会えていなかった果物達。輸入品かな?と思ったが、魔女領の森にわさわさとなっているのだと言う。


 この地方でこの果物?訳が分からないのです。

 流石魔境としか言えないのです!




***


 お昼をいただいた後、私はフェンリルさんにお迎えに来てもらい大魔女様のお城へと帰る。


 帰る時、佐藤さんからは色々な資料を借りられたので、お礼にと冒険でよく行く第一ダンジョンで補充した黒曜石をお渡しした。

 女性陣へは私作のお化粧品なのだが、化粧品必要ないよねここの人たち・・・

 天然ど美人、羨ましいのですわ。


 しかも帰る時しっかりお祈りポーズをされてしまいました・・・

 ほんとストレッチ楽しそうですわ!




「ほんで、どうじゃった?」


 お城に帰れば、すっかりいつもの骨のお師匠様がお迎えしてくれました。

 お師匠様は午前中ずっと新式結界作成のお手伝いだったそうです。


 親孝行出来てよかったですね!


「私とは違う異界のご出身の様でした。あと、これお土産です。」

 そう言って、自白用の魔法陣と取扱説明書を出すと興味深そうにそれを眺めてうむうむと頷いておりました。


「異界の魔術も中々尖ってるのう。恐らくは魔素量に関係しておるじゃろうて。」


 お師匠様は、佐藤さんの故郷はこちらに比べて魔素が少ないのだろうと言う。

 魔力を切り詰めて効率化されているその魔法陣を見て、自分も佐藤さんに会いたくなったと言い出しました。


 だから一緒に行こうと言いましたのに!


 同郷同士ゆっくり話をしなさいとか言って、変な気を使うからこうなるのですよ!


「そろそろ午後の森浄化の時間じゃて。ヴィーも行ってみるか?」

「え、私も行っていいのですか?お邪魔になりませんかね?」

「ここなら思う存分神聖属性魔力を出しても問題なかろうし。ちょうど良いのではないか?」


 そんな訳で、親孝行企画として今日はお師匠様と私とで森の浄化をする事になりましたが、浄化のお供にとフェンリルさん達がぞろぞろとやって来ました。


 彼らは皆尻尾をブンブンと振っております。

 ・・・お散歩に喜ぶ雰囲気を感じますの。


 いや、ちょっと待ってくださいまし!

 伝説の魔獣がこれで良いのですか!?




***



 いやぁ、サントアーリの森は一応結界がはられてるのですが、これがまたとんでもない瘴気の量なのです。


 これ浄化出来るのかなぁ、と思っているとフェンリルさん達はあちこち駆け回ってブレスですよ。


 ええ、強力なブレス吐きまくるんです。


 魔物も大量だし危険度や希少度高いものがわんさか出てきます。

 恐らく瘴気の量は大渓谷の倍以上あるのではないでしょうか。


 世界守護の魔女様達の日々の浄化業務には頭が下がる思いです。


「お師匠様の大規模魔術初めて見ましたが、やっぱ大魔導師って凄いですね。魔導師すらも遠く感じてしまいます。」

「ヴィーは試験で緊張さえしなければ魔導師いけると思うんじゃがなぁ。」


 しょうがないじゃありませんか。緊張でガックンガックンしてしまいますの!

 

「なぁ、ヴィーよ。神殿をぶっ壊した後はどうするんじゃ?」


 お師匠様は急におかしな事を聞いて来ました。

 そんな事決まってますのに。


「お師匠様の元で魔術の修行を続けて、商売も冒険もしながら楽しく生活するんですよ。」


「・・・そうか、わかった。ではあれじゃな、なるべく真の聖女の顔は非公開じゃな。」


 お師匠様は神殿勢力排除の為に私が真聖女として顔を出さなくても良い方法を考えてくれると言う。

 まぁ、聖女として顔が出てしまったら今までの生活は出来ませんものね。


「太陽の女神がこの世界に遣わした本物の聖女として、皇帝陛下の退位の発表と同時に国民に知らせる手筈となっている。」

「それが神殿排除の狼煙になるのですね?」


 お師匠様は頷くと、広範囲の土魔術で次々と魔物を仕留めて行く。

 私も踏ん張って、神聖属性魔力を放出するとたちまち魔物達はサラサラと消えていく。


 ああ、このくらいの出力があの頃の自分にもあればと、どうしようもない事を考えてしまう。

 だがそれは、これからの行いで挽回しようと決めた。


「水や光属性魔術と混ぜるとより効率的で良いですね。」

「よしその意気じゃ。どんどん撃ってゆけ。」



 この日の夕方には浄化も終わり、フェンリルさん達も満足気に戻ってきた。

 何だか褒めて欲しそうな空気を感じたので、一匹ずつわしゃわしゃ撫でると喜んでいた。



 これ完全に唯のわんちゃんなのですわ・・・!

 ブレス吐くけど!



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