表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

章間1 出会い

朝に投稿してみました。

とある闇夜。

 この日、1人の少年と王が出会った。


 少年は王に剣術と魔法を習い、王は少年に高度な文明を習った。


 王は、己の悲願を叶えるために。

 少年は、ある少女を取り戻すために。



★★★



 ラグナは集中していた。

 両手を前に突き出し、掌をゆっくりと重ねあわせると、目をつぶり呪文を唱える。

「獄炎は天地万物を紅蓮に燃やし、すべてを無に帰す業火となる…」

 ラグナの手から赤色の光が輝く。

「ヘルガイア!」

 ラグナは開眼し掌に力を込めた。が、掌からは火球程度の威力のものしか繰り出されなかった。

「はあ…また失敗だ…」

 ラグナは喘いだ。

 元々ラグナは魔力が高く、魔法使いに向いていた。まだ魔術検定を受けてないから、白魔術適正なのか黒魔術適正なのかは不明だが、あの時代に黒魔術適正の人間は99.9%存在しない。したがって、自動的に学校で白魔術を学ぶことになる。

 ラグナは持ち前の魔力の高さを生かし、持久戦や守り勝つことが得意だった。

 しかし300年前となると話が変わってくる。

 この時代の魔物は攻撃力が非常に高く、一撃必殺や即死攻撃を平気で連発してくる。そのため防戦一方だといつの間にかやられてしまうのだ。

 学校でほとんど攻撃系の授業を受けなかったラグナにとって、攻撃魔法は未知の世界であるため、手探りで会得しなければならなかった。

「くそ…何でうまくいかないんだ…」

 ラグナは己の才能を悲観した。


「苦戦してるみたいだな、少年」

 そこへ、1人の男が声をかけた。

 長く伸ばした髪と高い鼻。服の上からでもわかる、隆々と鍛えぬかれた筋肉。

 そして何よりも、美しい碧眼金髪。

 ラグナはその人物が何者か、一発で見抜いた。

「ユ、ユーサー…!」

 ラグナはその男の名を口にした。


 古代ブリテン王ユーサー。

 遥か昔、西洋一帯を完全に支配し、大陸の殆どを我のものにした絶対的帝王。

 その圧倒的な権力は後世まで伝わっている。


「ほう?私の名前を知っているのか」

 ユーザーが言う。

 やっぱりそうだ、と胸が高鳴った。

「な、なぜここにブリテン王が…」

「私の領土に旅人が来たと連絡が入ってな。一体どんな輩なのか気になってね」

「は、はあ…」

「ふふ。そんなにかしこまらなくていいさ」

 ユーザーは優しく微笑んだあと、今度は不敵に笑ってみせた。

「少年よ、もしやそれは魔法の練習か?」

「え、ええ。ですが、あまりうまくできなくて…」

 ラグナはつぶやく。

 それを聞いた王は、ラグナに一つ提案を持ちかけた。

 ユーサーはラグナに言った。

「少年よ、黒魔術師になってみないか?」


端折った部分は第Ⅱ章で出てきます。


この作品を読んでくださった全ての方に、深く、感謝を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ