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第6話

2日ぶりの投稿です。

「…ナ。ねえ、……きてってば!」

 何者かがラグナを揺さぶっている。眠気混じりにラグナが目を開けると、すぐ近くにユンの顔があった。

「あ、気がついた?もう、ラグナ全然起きないんだから」

「ん…ああユンか。悪いな」

 ラグナは目を擦って周りを確認する。宿らしき建物のベッドでどうやら眠っていたらしい。

「それにしても…ここ、どこなんだろう?」

「え?」

ラグナが呆けて聞き返す。

「ああいや、私達が気づいたとき何だかよくわからない草原にいたのよ。クルアさんが起こしてくれたんだけど、ラグナだけ全然起きなくて…」

「クルアは今どこに?」

「ここ、一応どこかの国の村みたいなの。だから村民に話を聞いて回っているらしいけど…」

 ラグナがベッドから降りる。そして指を少し振ってみた。

 魔力濃度の確認のためである。

 魔力濃度とは、いわばこの世界のゆらぎを示している。

 魔力濃度が高ければ高いほど強力で邪悪な魔物が出現し、低ければ弱い魔物しか出てこない。また魔力濃度は場所によってそれぞれ異なるため、この場所がどのくらい魔王の支配に近づいているのかがわかるのだ。

 幸い、この村の魔力濃度はそれほど高くないようだ。

 とは言っても、ラグナたちがいた時代よりかは遥かに濃度が収束されている。この時代が危険だという証拠だ。

「おお、やっと起きたのか」

 そうこうしているうちにクルアが帰ってきた。

「ごめんな、世話かけてしまったみたいで」

「いやいやいいんだ。それよりも…」

 クルアが神妙な面持ちで話し始める。3人は椅子に座り、クルアはどこからかもらってきた地図を広げ説明し始める。

「まずわかったことは、今俺達がいる時代は約300年前のB.C.1350ってことだ」

「300年前?」

「そう。村の人によると魔王が誕生して5年ぐらいたっているらしい」

「ご、5年!?」

 ユンが驚く。

「5年たったってことは、南半球はすでに…」

「ああ。南半球は完全に封印され、北半球にもじわじわ封印の余波が押し寄せているそうだ。ラグナ、魔力濃度はどのくらいだった?」

「そうだな…元の時代よりかは遥かに高いのは間違いないけど、まだそんなに魔王の手中にあるって感じではなかったな」

「つまり、まだ姫様は生きてるってことか…」

「え?」

 クルアが足を組みながらつぶやく。ラグナは反射的に聞き返した。

「ああいや、姫様は英雄エルリアの血を引く王族だろ?王族は一般人より魔力が高いし、それにほとんどの場合が白魔術適正だから、魔王の魔力が弱まるからさ」

「魔王は黒魔術使いなのか?」

「ああ。魔王は姫様()()の魔力を黒魔術に変えて取り込むつもりなのだろうけど、なにせ5000人の王族を一斉に攫ったんだからな。魔力が弱まって当然だ」

「なるほど…つまり、魔力濃度が低いということはまだセイラちゃんが魔王に乗っ取られてないってことですね!」

 ユンが納得する。クルアはうなずき、ラグナは胸をなでおろした。

「にしても…ここ、かなり辺境なんじゃないのか?」

 ラグナは言う。

 窓から景色を見渡しても、周囲は青々と茂った雑草だらけの平原しかなく、村の裏には山しかなかった。

「300年前だからな。発展してないのも仕方ないだろう」

 クルアが答える。

 魔力濃度が高く、さらに辺境の地となると、元の時代にはない植物やレアアイテムがあるかもしれない。

(まあ、鍛えるにはちょうどいいかもな) 

 ラグナは思った。



★★★



 「旅人?」

 「ええ。見る限り冒険者のようです。男が2人と女が1人…」

 「職業(ジョブ)は?」

 「男の1人は騎士(ナイト)で弓使いのようです。ですが、他の2人はまだ15,6といったところでしょうか」

 「つまり、ジョブは持っていないと…」

 玉座に座った男が右手を顎に添えて思案する。

「どうしますか?魔王の送り込んだ手先というのも考えられますが」

 侍従が玉座の男に言うが、男は侍従の意見を否定した。

「いや、それはないだろう。俺は剣士だから魔力のことには詳しくないが、魔力濃度が薄くなったのが少し感じられた。それも、彼らがオセットの村に来る少し前に、だ」

「……王は、一体何を考えておられるのですか?」

「さあ?どうだろうな」

 王と呼ばれるその男は、一瞬だが不敵に微笑んだ。侍従はそれを見逃さなかった。



 王の名は、ユーサーという──。

2日間かけて7話から10話まで書きました。

連休、やっぱり遊びたいですよね。ネトゲで。


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読んでくださった全ての方に、深く感謝申し上げます。ユニークPVが増えてきて大変嬉しく思っています。

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