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地下に眠る人形

古い物には魂が宿るとききますが実際に人形に宿ってしまったものが、決してその人形そのものの魂とは限りません、違う物の魂が宿ってしまう事もあるのです。

僕の家は自慢ではないが結構大きい家で、地下もあるような立派な家、といっても築150年、増築を重ねてぎりぎり保っている古い家である。

とは言っても広い事に変わりなく、この広い家を僕が整理していた時の事だ。

祖母の荷物が多く、使用しない物は全て地下の倉庫へしまってあった、祖母は人形が好きでおり、日本人形からフランス人形、さらには陶器の人形をたくさん集めており、この人形を父がむちゃくちゃにしまってしまった事から僕の不幸は始まる。

夏休み時にやる事がなくだらけていた僕はお小遣いにつられて、この倉庫の掃除を買って出た。

夏の蒸し暑い中、土の埃まみれにの中をクモの巣に混ざり、ながら掃除するなんて、正気の沙汰では無かった。

遊ぶお金欲しさに僕は働く事にした。

昼前から始めてある程度スペースができた為、ほこりにまみれた人形を15体ほど並べていた。

ある一つの陶器人形に手をかけた時

「あっっ!!」

「パリーン」

手を滑らし、1つの人形を壊してしまった。

「やばっ。。。」

すぐに壊れた破片を拾いながら、陶器の中に見慣れないものがある事に気づいた。

「ミミズ。。。?」

細長い乾涸びたミミズのような物がかけらの中にある事に気がついた、軍手をしていたので拾い上げてゆっくりみてみる。

「ミミズじゃない?何だろうねこれ」

とりあえず何か分からない物は分けておいて人形は、破れてしまったので、片付ける事にした。

ある程度時間が経って母が様子を見に来た。

人形の破片をみるやいなや、急な大声で

「あんた?これ壊したの?」

よっぽど高価な物だったのかすごい剣幕でまくしたてる。

「ごめん?手滑らしてもうた。」

「それ中に何か入ってたかい?」

「あぁ、ミミズみたいもんが入っとったけど?あれ何?」

「あんた、それどこおいとる?」

「机の上やけど?」

「あんたすぐ上に上がっといて!!」

「何でよ?」あとちょとでも終わるのに?」

「ええから!!」

起こられる事を覚悟し、リビングへ上がる。

上に上がると問答無用で風呂場に連れて行かれて服を着たままお風呂場へ放置、動かないでと言われ待っていると塩を持って戻って来た。

「服を脱いで、と言われ、分けも分からず脱ぐと」

「バシャ」

塩をぶっかけられた。

塩まみれのままだまって

「口をとじなさい」

と言われ。

塩水を口に含ませられ、湯船の中に水をはられ、そこに塩を大量に入れ

「良いと言うまでここに入ってなさい」

と言い母は出ていった。

30分1時間あたりが真っ暗になった後、母が車に誰かを乗せて戻って来た。

僕の所にその人を連れてくると、先程のミミズのような物をその人が持ち、

「君が落とした人形から出て来たのはこれで間違いないかな?」

と聞いて来た。

「。。。はい、間違いないです、失礼ですがどなたですか?」

「失礼しました、私はS寺という所で住職をしておりますIと申します。」

君が落としてしまった人形はこの地域では有名な人形でね、私が呼ばれたという訳さ。

「全てを話すのはここでは危険ですので、この服に着替えて車で私と一緒にお寺まできてください」

分けも分からず真っ白の死に装束のような格好に着替えさせられ、車にのる、移動した。

たどり着いたのはS寺で本堂まで通された。

「私はここからは一緒にいけないから。。。がんばりなさいよ」

と母はそう言って帰ってしまった。

僕は何も分からないまま、座るように促された。

「さて、あれが何なのか話をする事から始めよう、簡潔に言おう、あれは人間のへその緒だ」

「へその緒?なんで陶器人形の中に?」

「この地域の昔の風習でね、昔この町は貧困街だった、

その時に生んでいい子供は一人までと決められていたんだ。

それでも、双子が生まれてくる場合はそれを守れなかった。

その時に来世では一人で生まれて来れるようにと、母の代わりに陶器人形にへその緒を入れ、母体の代わりにすると言う風習があったんだ。

それをフタオ様と言って隠し祭っていたんだよ。

おそらく君のお父さんが倉庫を片付けていた時に混ざってしまったんだろうね」

「あの親父」

少しの怒りを抑え、お坊さんの声に耳を傾ける。

「とにかく今君は、水子の霊に、母を殺した(壊した)人間としてついて回られている」

「今から除霊をするんだけど、君のお母さんが閉まっていた、このおばあ様の人形を使わせてもらうね」

そう言って祖母の人形と、へその緒を住職は取り出した。

ろうそく数本しか経っていない薄暗い夕闇の中住職がその人形のお腹にへその緒を再度入れる。

「いいかい、今から言う事をよく聞いて必ず守るんだ」

「今から案内する離れに行って、朝になって私が車で決して出ては行けません」

「住職さんは一緒じゃないんですか?」

「私ははなれに結界を貼るのに、ここでずっとお経を唱える必要があるんだ。

君のいるはなれにお札を貼ったらすぐにお経を読みに戻る。

そばにいたいけど君が乗り越えないとダメなんだ。」

知らない室内に一人でいないといけないと言う事に僕は頭がどうにかなりそうだった。

「分かりました」

僕は決意を固めてそう言った。

はなれに移動するとそこは想像以上に薄暗く、何も無い部屋だった。

普段は瞑想用に使う部屋らしくて、毛布とランプのみ渡されていたので、それにくるまり、部屋の中心に移動した。

住職が外から鍵をかけた、外から

「いいかい、誰がきても開けてはいけないよ」

広い部屋に一人、何もいないのに、誰かいるような気がする。

音もしない、何も無い恐怖に僕はすっかりおびえきってしまっていた。

2時間くらい経っただろうか、部屋の外からガタッと音が聞こえた、初めは1度だけだったが、

ガタッ、ガタガタ、と頻度が少しずつ増やして行く、

僕は無視をして聞こえないふりをし、僕はできるだけ楽しい事を考えるようにした。

その音に混ざって時おり、ザクッと足音も聞こえて来た。

ザクッ、ザクッ、ザクッ

どうやら小屋の周りを回っているようだ

誰かいる?

そう思ったときに、扉からノックが聞こえて来た。

僕は耳を塞ぐ。

耳を塞いでるにも関わらずノックの音は強くなって行く。

「。。。ん。。ちゃ」

幻聴か声が聞こえてくる

少しずつ声も鮮明になってくる。

「おかあちゃん。。かえして。かえした」

繰り返し、建物の周りから聞こえてくる、僕は毛布に潜り込んで耳を塞いだ。

どれくらい経過したのか、明かりが消えている

「おさまった?」

っと息をなでおろしたその時、耳元で

「返して、かぁちゃん」

その声とともに、僕は気を失った。

次の日の昼、僕は住職に起こされた、なんでもはなれで、気絶していて今まで起きなかったとか、

「君についていた霊は別の所をいきました」

「でも、君は今後、あのような陶器人形には近づかない方がいい、そして、できるなら卒業後離れた土地でくらしなさい。」

「わかりました。本当にありがとうございました。」

それから僕は勉強を頑張り遠くの学校に進学した。

それからは特にそう言った目にはあっていないが僕が体験した中で一番の恐怖体験でした。

あっでも、後遺症な物で、人形に人の念が籠っている物が近くにあると声が小さく聞こえてきます。

荷物整理と普段から行う事から起きてしまった今回の事件、自宅が古い人は片付けも慎重にしないととんでもない目にあうかもしれません。

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