閑話:新たな異世界発見
ヨーロッパにある絶海の孤島。
そこは地図にも載っていない、世界から隠された島である。
その島の名前は、デリンザー。
デリンザーは大きな建物が島を覆っている。
その建物全てが異世界に関する研究をしている。
その研究所の所長でるブライザー博士は、今まさに新たな3つ目の異世界を発見しようとしていた。
現実世界が機械の世界だとすると、パリスティンは剣と魔法の世界。そして新たに発見しようとしている世界の名は、デドリアル。そこは、生と死の世界である。
ブライザー博士は口角が上がるのを止められなかった。鼻息が荒くなるのを自覚していた。胸を漂う焦燥感に今にも走り出しそうになっていた。作業をする手がいつもの2倍早くなっていた。
博士を手伝っている数名の助手も興奮を隠せない様子だ。
そしてついに、その時が来たのだった。
ブライザー博士が大声を上げた。
それは奇声にもなりえなる大きな一声だった。
博士は助手たちと抱き合い、実験の成功を心から雀躍した。
その理由も当然だ。
デドリアル。その世界を支配することができれば、死んだものを生き返らせることが可能なのだ。その逆で、生きている者を死することさえできる。
天使の世界でもあり、悪魔の世界でもあるのだ。