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何時か世界を束ねし者 ~~Tales of the Returner~~  作者: ヒマジン
第11章 ミズガルズ救援編

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断章 梁山泊軍編 第22話 魔術師達の動き

 さて、心機一転と鍛錬をやり直したブリュンヒルダは『戦乙女(ヴァルキュリア)』を巻き込んでウォーミングアップを始めたが、その頃には全ての調査を終えた動き始めた典韋率いる『梁山泊(りょうざんぱく)』の別働隊も動き始めていた。


『さて・・・これで良し、と』


 街の幾つかの地点へと、郭嘉は何かを刻んでいく。彼は已む無く道士達に組みしているが、仕事は仕事と割り切っていた。それに已む無く与してはいるが、道士達と言うか軍がそれなりに高額な年俸はくれている。自由意思を束縛されているのは良い気はしないが、それなりに裕福な生活は出来ているので文句は無かった。そこはそれ、と割り切って動いている。

 まぁ、それにもし万が一道士達が負けても上手く立ち回るつもりだ。別に義理立てして敗北に付き合ってやるつもりはない。そしてその程度は道士達とて承知で彼を取り立てているのである。彼らも郭嘉は有能だが弱みは握っているので、内心でどう考えていようが気にしていないのであった。


『さーて、言われた通りそろそろ連絡入れるべきですか』


 郭嘉はそう言うと、与えられている通信機を起動して自らの本部へと連絡を入れる。基本的に道士達は方針を決めるが、指示はくれない。なので応じたのは本部に詰める別の軍師役の者だった。


荀彧(じゅんいく)さーん。お元気ですか?』

『ああ、なんだ?』

『そっちのお仕事どうなんです?』

『今少し時間が欲しい。できればそちらを遅らせてくれ』

『共同作戦は面倒ですね』


 荀彧と言われた男の言葉に、郭嘉が首を振る。郭嘉としては、できれば今すぐに攻め込みたい。準備は整っているし、あまり長引かせては防衛の態勢が整った、とカイト達が帰ってしまいかねない。それでは本末転倒だ。が、郭嘉の言葉を聞けば、どうやら日本側が上手く行っていないのだろう。

 荀彧も郭嘉と同じく三国志に登場する魏の軍師だ。郭嘉と並んで曹操を支えた双璧とも言える。なお、二人共美男子――アジア系と非アジア系の差はあるが――だ。そこら何気に原典通りであるが、これは別に道士達が狙ったわけではない。


『何か問題が起きてるんですか?』

『あと少し、耳目を集めておきたい』

『まぁ、今回が我々のデビュー戦ですので気合入れるの良いんですが、あまり気負いしたりして失敗晒さないでくださいよ。こっちの評判にも差し障るんですから』

『貴様は何かを言わずに自分の為すべきことを為せば良いだけだ』


 郭嘉の気怠げな言葉に、荀彧が呆れる。別に彼らは三国時代の生まれ変わり等ではないのであるが、何気にこの二人の関係は史実通りだった。

 まあ実のところ、道士達も郭嘉の申請を受けたのはここらを面白がっての事でもあった。所詮はコードネームだ。大して気にしていない事も大きい。


『で・・・一応聞いておくが』

『はい?』

『外でエロ本を読み歩いている、なぞはしていないだろうな』

『あれ? いけませんでした?』

『貴様は! 目立つからやめろ!』


 郭嘉の言葉に、荀彧が怒鳴り散らす。現に今も郭嘉はカフェでその系統の本を読んでいた。が、そんな荀彧に対して郭嘉は面白そうに笑いながら詳細を告げる。


『大丈夫ですよ。誰も気にも留めませんよ。表向きは単なる男性誌ですし』

『本当だろうな・・・』

『だから本当ですって。下手こきたくないのはこっちだって一緒なんですから、信じてくださいよ。それに本当なら戦いの前にキレイな北欧美女と一晩、と洒落込みたい所なのに本で我慢してるだけ感謝してくださいよ』

『・・・はぁ・・・わかった』


 郭嘉の言葉に、荀彧がようやく納得する。この男が本だけで済ませているのであればそれは真実なのだろう、と荀彧は思っていた。


『で? そちらの首尾は上々、と言っていたが、本当に大丈夫なのか?』

『それは安心してくださいよ。伊達に郭奉孝の名を継いだわけじゃ無いんですから・・・』

『呉用だろう』

『あ、申請済みです。帰還後にはきちんと郭嘉になります。慣れるのも兼ねて今から郭嘉でお願いします』

『はぁ・・・なぜそう言うどうでも良い仕事ばかり素早く動く貴様は・・・』


 グチグチと荀彧が郭嘉へ向けて愚痴を言う。本当に生まれ変わり同士ではないのか、と思う程に二人の関係は史実通りだった。


『ははは。まぁ、郭嘉を名乗るからには、きちんとその名に恥じぬ戦略を立てていますよ。が・・・』

『・・・わかった。こちらも準備は急がせる。何分動きが鈍い部隊があるのでな』


 言外の言葉を受けた荀彧が首を振る。今回、作戦の大本は彼らは練っていない。一応郭嘉や荀彧、その他の軍師格の者達も手を入れているが、それでもメインの立案は彼ではない別人だ。とは言え、その意図はきちんと説明されている。

 末端の兵士達は兎も角、作戦を指揮する指揮官達に説明しないと多方面作戦は上手くいかないからだ。そしてだからこそ、郭嘉の言外の言葉は荀彧も理解していた。時を逃すとこちらが負けるぞ、という先程の言葉だった。


『いっそ併呑してしまえば良いのに』

『そうも言ってはいられないのが、表の世界だろう』

『戦国乱世なら楽なんですけどね』

『世界を考えた時、華夷思想や中華思想で世界が保つとは思えんな。俺の読みでは日本を攻め落とした所で詰みだ』

『まぁ、私がアメリカでもそこからなら楽に潰せますからね。こちらを太平洋まで出させた時点で日本に反旗を翻させて、アジアの盟主へと祭り上げる。攻め入っている以上完全に日本人を絶滅させられない限り、反発は必須。後はフィリピンやベトナムを呼応させ・・・で、後はこちらの艦隊が孤立化で補給線を絶たれた虎の子の艦隊を再び喪って、ゲームセットですね。と言うか、そもそも大陸国が海洋国に海戦を挑んでも勝ち目無いんですけど』


 自分で戦国乱世なら楽、と言いながら郭嘉は笑いながらそれを否定する。短絡的には後先考えずに攻め滅ぼせば良いのだろうが、その後に待つのは世界からの大反撃だ。

 世界中のどこの国とて、一国だけで世界の全てを相手取って戦えるわけではない。もしかしたらアメリカなら可能かもしれないが、それでも厳しいだろう。そうなると、その後に待つのはゼロサム・ゲームだけだった。宋江に殺された外交官の読み通り、だったのである。


『釈迦に説法か』

『軍略では私ですので』


 笑う荀彧の言葉に、郭嘉も笑う。先程までは愚痴を言い合っていたが、こういう所では信頼できる同僚なのだ。


『というわけで・・・このデビュー戦を華々しい物にするためにも、負けられないんですよ?』

『わかっている。急がせる』

『なら、構いません・・・で、やっぱりそれなら一晩だけ・・・駄目ですか?』

『駄目だと言っただろうが!』

『ちっ・・・』


 荀彧の怒声に、郭嘉が舌打ちする。そうして、そんな話をしつつも、こちらはこちらで幾つもの準備を整えていくのだった。




 さて、『梁山泊(りょうざんぱく)』の面々が動きを見せていた様に、カイト側の軍師であるティナ達も勿論動きを見せていた。


「ふむ・・・」


 ティナは相変わらず、古代イスラエルの王であるソロモンが残した<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>を読んでいた。これから戦いなのに力を求めない奴は居ないだろう。そしてそれはティナも例外ではなかった。


「どうなんですか、お師匠様」

「まぁ、ぶっちゃけると物凄い人物ではありそうじゃな、この王様は」

『我の父にして、魔術王とさえ言われた男じゃ。そりゃ、その程度はあろう・・・と言うか、ぶっちゃけると主殿もこんな短期間にほぼ全てを読破なぞ空恐ろしいんじゃが・・・』

「はっ。伊達に魔王名乗っとらんかったわ」


 『ゲーティア』に宿る精霊の言葉に、ティナが少し自慢げに告げる。伊達に彼女とて魔術が現役の世界で有史上ダントツぶっちぎりの一番と言われているわけではなかった。そうして、そんな彼女は続けてマーリンへと解説をしてやる。


「書かれている内容をお主にわかるようにざっと語ってやると、この<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>の『ゴエティア』は目録の様な物、もしくはお主風に言えばパソコンのOSの様な物じゃな」

「ということは・・・それ単体では殆ど意味を為さない、と」

『失礼な! 我はこれだけでも十二分に力を持つ! こっぱ魔術師にそう言われるのはひどく心外じゃ! 魔術の増幅器としても一流! 我単独でも十分じゃ!』


 マーリンの言葉に、レメゲトンが抗議の声を上げる。どうやら彼女の沽券に関わる事だったらしい。


「こ、こっぱ・・・」

「くくく・・・」


 魔導書にさえ言われて、マーリンが落ち込む。ここらがどうにかなれば、と思うのがアルトやティナ達の考えなのだが、そうではないから仕方がない。ちなみに、カイトあたりだと未熟者ですからね、と開き直る。


「ま、それはよかろ。お主はそれがわかっておるからこそ、余に弟子入りしたんじゃろうに。進まぬ愚か者よりも未熟者の方が良いわ」

「有難う御座います・・・」

『ふむ・・・まぁ、それは確かに。じゃが、我が父の記した魔術を未熟者に使われるのは嫌じゃぞ』

「使えるのだけに選別はしてやる」


 レメゲトンの言葉にティナが一応の所を言い含める。なお、この頃にはレメゲトンが意外とファザコンである事が発覚していたのだが、ティナはスルーする事にしていた。


「さて、で。その上で改めて明示しておくと、これはOSというのは真実じゃな。基幹となる魔導書こそが、この『ゴエティア』こと『ゲーティア』なわけじゃ」

「『ゲーティア』? <<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>ではなく?」

『むぅ・・・大差は無い』


 マーリンの問いかけに、レメゲトンはどこか不満げに告げる。が、それにティナが補足を入れた。


「大差は無い。が、小差はある。そうじゃな。コヤツは<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>5冊のまとめ役。コヤツ抜きでは<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>とは言えぬ。が、そもそもコヤツの本としての名は『ゴエティア』もしくは『ゲーティア』になるわけじゃ。であれば、普通は名乗りはゲーティアかゴエティアになろう」

「あ・・・」


 言われて、マーリンも思い出した。<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>とは5部からなる本の事だ。そして現にティナが持つのは『ゴエティア』、ないしは『ゲーティア』と読む一番有名な一冊だ。

 が、レメゲトンは己こそをレメゲトンだ、と名乗った。一応大衆としては『ゴエティア』を指して<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>と呼ぶ事もあるが、彼女がそういうのは可怪しいだろう。


「レメゲトンは謂わば人工精霊。人造で作られた謂わば守護装置の様な物じゃな」

『うむ。我は付喪神の様に後付で目覚めたのではなく、最初に魂を付与されて生まれた人工の付喪神と考えて良い』

「それ・・・ホムンクルス一歩手前なんじゃ・・・」

「まぁ、そう言うて良いじゃろう」

「お、お師匠様とかお爺ちゃんクラスなんですか・・・」


 ソロモンの実力を知って、マーリンが顔を青ざめる。レメゲトンのドヤ顔が見えるようだった。ホムンクルスまでは行かないが、レメゲトンはそれほど凄い存在だった。

 並の魔術師――マーリンは並と思っているだけだが――ならば顔が青ざめる程だったのである。まさに、神話に名を残した魔術師の面目躍如、という所だろう。


「ま、それはそれとして・・・他の『アルス・パウリナ』『テウルギア・ゴエティア』『アルス・アルマデル・サロニモス』『アルス・ノウァ』の4冊は謂わば増設メモリ・・・いや、外付けのハードディスクというべきじゃろう。全てが揃い、更には全てを使いこなせて、ソロモン王が使役した72体の魔神を使役する権利が与えられる、というわけじゃな」

「ということは、他のどの本を持っていようと、お師匠様が持つ<<ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)>>が無い限りは無用の長物だと?」

「そうは言わぬよ」

『我ら5冊はそれぞれが別の内容が記されている。が、それで我が父が遺した72の魔神を使役出来るわけではない。あれら72の魔神は父が当時現存していた神や強者達を模して創り出した使い魔。たった一体でも強大な力を有している。それ故、我にはその使役の為の方法を記し、更には安全策として我抜きでは使役出来ぬ様にされたのじゃ。我は指揮官、と考えても良いやもしれん。死後この力を争う事が目に見えておった英断じゃな。主殿の言葉はそれ故よな』


 レメゲトンはティナの言葉を引き継いで、己の存在意義を語る。と、そこまで聞いた所で、マーリンは一つの疑問を得た。


「ということは、他には人工精霊は居ない、というわけかい?」

『ふむ・・・実のところ、よくわからん』

「よくわからん?」

『我が父が我らを記されてより、約3000年。その後一度に魔神を使役した者は一人として存在しておらぬ。せいぜい2冊同時に、というのが関の山・・・それにその時にしたって、まだ我以外は意識は持っておらぬ様子じゃった。付喪神がおるかはわからん。なんとも言えぬのよ。で、その後1300年程前であの忌々しい蛇に持たれて主殿に手にされるまで、あのざまじゃな』


 マーリンの更なる問いかけに、レメゲトンが何処か首を振る様な雰囲気で答える。そもそもOSも無いのにアプリケーションは動かないだろう。なので再契約が出来た人物は居ない、と考えて良さそうだった。そして、それで終わらないのが、このお話だった。


「それに、気になる話もあった」

『うむ。父が神より授かった黄金の指輪じゃな。あれは今ではどうやら黄銅と鉄で出来た指輪、と伝わっておる様子じゃが、我には何かはわからぬ・・・いや、これはどうでも良いか。これは両指に嵌めてはじめて意味のある指輪なのじゃ』

「それって確か、ソロモン王の死後、部下の一人が盗み取ろうとして、しかし呪いで云々、っていう・・・」

『うむ。息子のレハブアム殿は呪いをなんとか鎮めようとしたわけじゃが出来んかったあれじゃな。あれは父の国の崩壊と共に我や我が同胞達と共に世界中へと散逸した。が、あの力は絶大じゃ。詳しくは後にするが、放っておくのは得策ではあるまい』

「と、言うわけじゃな。お主の方はお主の主に進言してその探索に力を割く様に言え。が、表には言うなとも進言しておけ。理由はわかろうな。余はカイトへと告げる」

「わかりました」


 ティナの指示を聞いて、マーリンが即座に動き始める。どう考えても厄介な道具だ。敵が狙ってくるだろう事は見えていた。であれば、これを探さねばならないだろう。ということで、ティナはカイトの所へと向かう。


「ソロモン王の指輪・・・ねぇ。ミカエルから与えられた物だっけ。ルイスー」

「知らん。私は封ぜられた後だ。大方またどいつかが作り上げた物だろう。全く、あのバカ共は・・・バカスカと力ある物を渡すな、と・・・」


 カイトの問いかけを受けて、ルイスが愚痴を言い始める。どうやら彼女が持ち込んだ異世界の品では無いらしい。それならそれで安心だった。と、そんな言葉を聞いて、スカサハが記憶を探っていた。


「指輪指輪・・・おぉ、そう言えば何ぞ指輪しとったな」

「知ってるのか?」

「あの当時は儂らもそろそろ定住するか、としておった頃でな。一度有名なソロモン王に会いに行くか、となって行った事があったのよ。で、当時それなりには有名じゃった儂らなので、面会は出来た」


 スカサハが過去を思い出しながら、ソロモン王と出会った当時を思い出しながら答える。ソロモンが賢者である事を知って面会を求めた者は数限りない。有名な所ではシバの女王だろう。

 そしてその中に、スカサハとオイフェ姉妹も入っていたのだろう。ソロモンにしても強大な魔術師でもあった姉妹との会合は利益になる、と判断されたらしい。


「ふーん・・・じゃあ、一つ聞きたいんだが、個数は?」

「ふむ・・・指なぞ殆ど見とらんかったからのう・・・」

『数は最低でも2じゃ。予備はすまぬがわからぬ。材質は何かはわからぬ。神より叡智を授けられた我が父であれば知っていたのやもしれぬが・・・』

「余の推測では、魔鉱石(オリハルコン)の類じゃろう。あれならば、木っ端な魔族でも天使でも使役出来るだけの力を持たせられる」


 レメゲトンの推測に対して、ティナが技術的な見地から推測を付け加えておく。そしてそれを聞いて、カイトが顔に苦渋を滲ませた。


「厄介だな・・・どこかの国に預けたくはないな。下手な国に渡ると奴隷制度の再興を許しかねんし、どこの国の権力者に持たせても危険性が残る・・・」

「ふむ・・・儂は操られる事は無いであろうが・・・確かにそれは困る・・・おい、ディルムッド。お主破壊出来ぬか?」

「はぁ・・・ソロモン王の指輪を、ですか・・・?」


 スカサハの問いかけを受けたディルムッドは己の槍を考えながら、出来るかどうか考えてみる。彼の槍は魔術的な品ならば破壊出来る可能性があった。が、あっただけなので、可能かどうかは不明だった。


「微妙ですね。やってみない限りはなんとも」

『いや、それ以前に我が父の遺品を出来れば回収して欲しいのじゃが・・・』

「娘にこう言われては仕方があるまいよ」


 レメゲトンの言葉に、ティナが首を振る。ここで破壊できれば最良なのであるが、娘に言われては彼女らとしては回収して保管、が最良になってしまった。基本的にはその関係者の意思を尊重するのである。


「うーん・・・ということは、裏だけで表には悟られずに回収」

「バカ共には私から言っておこう。使えばお仕置きだ、とな」

「頼んだ。当分はこちらで保管で、唯一神の復活と共に彼に預ける、なり考えるか・・・」


 ルイスの本当に頭を抱えたそうな顔を見ながら、カイトも同じような顔で方針を定める。厄介な事にどこに預けても異族達に対して悪用しかねない。最悪は天使達にさえ使うかもしれないのだ。

 是が非でも表には内緒で回収しておかねばならない品だった。そうして、カイト達の活動の目的に更に指輪の回収が加わる事になるのだった。

 お読み頂きありがとうございました。

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