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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
特別章 川城界人
78/110

#78 走って走って走りまくって走れ

気付くわけがなくない?オジサンが元超人気俳優の山吹風雅だって絶対に気付くわけないじゃん、だって別人だもん、【数字の9みたいな横顔で、数字の3を横にしたみたいな鼻で、右腕は数字の2みたいな形で、左腕は数字の1みたいにまっすぐ伸ばして、手には数字の4みたいな棒を掴んで掲げて、数字の5みたいな前輪、数字の6みたいな後輪を合わせた【5ー6】みたいな自転車に乗って、数字の8みたいな銅像がある、数字の7みたいな崖の上でウロウロしている人を、数字の0みたいな口をして見てるみたいな夢】を最近見たけど、それだって夢だとは気付かなかったもん。


魔法の存在なんて、サンタクロースと同じ類いの現実感なんだからさ、気付くわけがないよね、魔法がAIくらい身近なものだったら、魔法使ったかもっていう1パーセントの疑念は出てくるかもしれないけど、白滝ご飯の白滝くらいの存在感じゃね、そうだよね、スミちゃん?


私、焼き肉とか本当に数えられるくらいしか行ったことがないし、数えられるくらいと言っても1から10回ってことしか確かじゃないから、数えられるけど正確な数字は分からないくらいしか焼き肉に行ったことがないんだけど、たぶん、カルビ、ハラミ、ロースを頼んで、やって来た3つのお肉のうちどれがロースかなんて、気付くわけがないと思うのよね。


カワちゃんカワちゃん、私がサンタクロースと、ロースの三択という意味の【三択ロース】を掛けてるの気付かなかったでしょ?気付くわけないよね、そうよそうよ、それと同じで魔法で有名俳優になったオジサンの過去なんて気付くわけがないのよ、ねっ、スミちゃん?


はい。


気付くわけがないって話で、かなり喋ってしまって相当な時間が経過してしまったことに気が付かなかったわ、もしかしてカワちゃんさ、【気付くわけないよバナシ】早く終われってずっと思ってたでしょ?もう、それにも全然気が付かなかったわ、言ってよ。


山吹風雅も好きだったけどオジサンも好きだったよ、山吹風雅は顔もカッコいいけど演技が上手いねって話してたよねスミちゃん、本当にカッコいいんだよ山吹風雅って、【サビの歌詞を前へ前へと追いやりながら詰めながら歌って、サビの終わりの一小節くらいを空白にして、そこにランララランランという言葉をねじ込むっていう遊び】が流行っているけど、それと同じくらいカッコいいもん。


まあ私は顔がカッコいいとかそういうのはどうでもいいタイプなんだけど、山吹風雅の魔法にかかっているかのような演技が好きだったんだよ、スミちゃんもあの独特な演技が好きだったんだよね、って魔法にかかっているかのような演技っていうか、実際に魔法にかかっていたのか、ハハハハハ、まあ山吹風雅の一番カッコいいところは芸名なんだけどね、ハハハハハ。


カワちゃんは?山吹風雅のこと知ってるでしょ?カッコいいと思ってたよね?どれくらいカッコいいと思ってた?アルファベットのEを括弧で包んだ[E]くらいカッコいいと思ってた?それとも消化器官である胃を二つ括弧で包んだ[胃胃]くらいカッコいいと思ってた?後の方の消化器官の方のヤツは不気味なカッコよさがあるよね。


山吹風雅はオジサンと雰囲気が似ているっていうか、前からそんな感じに思ってなくもなかったっていうかさ、オジサンと合ったときから山吹風雅が脳の外でチラついていたっていうかさ、山吹風雅とオジサン、感じが少し似てるって思わない、スミちゃん?


いいえ。


スミちゃん違う違う。漢字ってそっちじゃないよ、文字の方じゃなくてさ、読めないものが多すぎるあの漢字でも、検定まであるあの漢字でもないよ、あの漢字の方じゃなくて、フィーリングだよフィーリング、スミちゃん違う違う、ヨットの競技のヤツはたぶんセーリングだし、石を氷の上で転がすヤツはカーリングだよ、スミちゃん。


漢字は似てないでしょ【山吹風雅】と【叔父さん】は、全然漢字は似てないよ、スミちゃん?スベっちゃったみたいな顔してるけど、カーリングのくだりは面白かったよ、カーリングのくだりはスベってなかったよ、実際のカーリングはスベるものだけどね、それより話を前に進めなくちゃね、カーリングのストーンみたいに滑らかにね。


スミちゃんとオジサンと一緒に見た山吹風雅の映画さ、10割走ってる映画でさ、早く走ったり遅く走ったり、怖そうに走ったり笑顔で走ったり、道路を走ったり森を走ったり、一人で走ったり大勢で走ったり、とにかく走っている『走る映画』だったな、カワちゃんも見た方がいいよ、スミちゃんはこの映画意外に面白いって言ってたよね?


はい。


えっ?カワちゃん、スミちゃん、どうしたの?二人とも消化器官の【胃】っていう漢字みたいな顔しちゃって、私の声が大きすぎるから?それとも喋りが速すぎるから?それとも、長い前髪のうちの一本が左側の口角炎のヒビに一瞬だけ入り込んですぐに出たことがバレちゃったとか?


いいえ。


そっか、何でもないか、なんか気になっちゃってさ、映画の『映』っていう漢字の右側みたいに堂々とするのが一番だけど、意外と出来ないのよ、あっ、今思ったんだけど、映画の『画』っていう漢字みたいな洒落たオウチに住みたいよね、そのオウチで映画の『画』っていう漢字みたいな箱に入ったメロンを食べてさ。


あれっ、何からメロンの話になったんだっけ?あっそうか山吹風雅の映画の話をしてたんだよね、とにかく良かったよあの映画は、スミちゃんは疾走感と緊迫感と表情の豊かさと走り方の使い分けとストーリーの組み立てとカメラワークが最高だったって言ってたよね、私は走る山吹風雅にもうメロンメロンだったよ。


スミちゃんはオジサンの家に行きたいけど普段DVDを見てる自宅の方が落ち着くからってスミちゃんの家で見たよね、スミちゃんの家の広さは一年に私が食べる米粒を全て床に敷き詰めたとしても床が見えるくらい広いからね、私の家も広いけど比べ物にならないくらいでさ、【野球中継の延長が少なくなった今日この頃に15分もテレビ放送を延長されたら、全自動録画が主流となった今日この頃に手動録画を継続中の私】は悔しくてやりきれなくなるけど、家の広さとかのことで悔しくてやりきれなくなることはなかったな。


スミちゃんの家ってプロジェクターとスクリーンみたいなヤツがあってヤバいよ、他にも色々あって、スミちゃんの部屋にあるものは私のものみたいなところがあるから冷蔵庫から勝手にコーラを取り出して飲んだり勝手にポップコーンを取り出したりしてたな、まあ、自覚はしてるよ【ダジャレを言ったつもりが、ダジャレの対象となる言葉をただ、その言葉の語源となった言葉でなぞるようにしただけ】みたいな笑えないことをしてしまっていることが私には多々あるから。


あっ、カワちゃんさ、ずっと眉のところ見てくれてるけど、気付いてくれた?眉毛と眉毛の間に、眉毛の下面に合わせるようにカールした前髪を垂らして、一本の長い眉に見えるように錯覚させる技『一直線眉』を使っているのよ、可愛いでしょ?すごく可愛いでしょ?あっ、ゴメンゴメン、オジサンのことから脱線しすぎだった、これじゃオジサンのことはまとめられないけど、スミちゃん特集が組めるくらいにまでなっちゃうね。

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