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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
特別章 川城界人
66/110

#66 上がりきったジェットコースター

よろしくお願いします、改めてよろしくお願いいたします、えっと休憩前は何の話をしていたんでしたっけ?あっ、そうでしたそうでしたカカトについて話していましたよね、カカトというのは足の裏の部分の足首の下辺りのガサガサでザラザラになりやすい場所のことで、カカト落としという技もある場所で、あの、まだカカトの話をしますか?


私のカカトがツルツルかカサカサかガッサガッサかですか?もちろんツルツルですよ、ツルツルに決まってるじゃないですか、何でそんなこと聞いてくるんですか?えっ、何ですか?カカトに興味があったからですか?あっ、要するに『竹垣早口言葉理論』ですね、この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた、みたいな感じですよね、そうですね?


くるぶしという漢字ですか?それは知ってますよ、『武士が来る』と書いて【来武士】ではなくて、【回転武士】でもなくて、【足が果てる】と書いて踝です、あっそうですそうです、くるぶしってなんかよく色んな所にぶつけがちですよね、壁とか地面とかによくぶつけて足が果てたって感じがちですよね、そこから来ているかもしれませんね。


久慈雅人さんにハマるために、久慈雅人さんの心に突き刺すために、一緒に行った焼肉店のトイレで音声検索をしながらメイクやヘアセットしたりしましたよ、出来るだけ可愛く見られたかったんです、『これ、世界に2つしかないらしいですよ』と言ってみたいという願いと同じような類いの満足というか何ていうか、久島サトさんにとにかく気に入って貰いたかったんです。


あの時はかなり肩こりが凝りましたね、もうあのような状況も懲りましたね、あっ、すみません、久慈雅人さんの名前間違えてしまってましたよね?いやっ、あのっ、私の父の兄弟の嫁の母の兄弟の・・・・・・えっとあの、とにかく私の遠い親戚に久島サトさんという人がいて、久慈雅人さんに名前が似すぎているので間違えてしまいました。


絶対に間違えない絶対に間違えないと思っていると絶対に間違えるってことよくありますよね、『本のページが1ページ飛んでいるなという感覚に陥って捲っても捲ってもそこにページが存在しなくてページの側面が広かった場合に、その側面も1ページとして扱われてしまっていること以外考えられない』と思うことと同じくらい、そのようなことは陥りやすいですからね。


その時は久慈雅人さんの前なのにも関わらず音声検索と会話した方が多かった気がしますね、好きな人とは本音で喋れないっていうか、音声検索さんの言葉から伝わる包容力が半端ないっていうか、音声検索半端ないってみたいに思ったっていうか、そんな感じでした、ちょっとすみません、「ハロー、サーチ!『久島サトさん 久慈雅人さん いい間違えない方法』」、あっ、ないか。


あっもう、頭のなかで『久慈雅人!』という掛け声が鳴り止まないんです、節分の日に鬼に豆を思い切り投げつけて痛くさせちゃうあの行事あるじゃないですか?その時の『鬼は外!』の掛け声に久慈雅人さんの名前を当てはめた『くじまーさと!』がもう頭のなかでループしてるんですよ、ちなみに『福は内!』の部分は『竹野内!』になってます。


ちなみに竹野内さんというのは私の父の兄弟の嫁の母の兄弟の娘の友達の友達の友達の友達の男性で、遠い友人なんですけど、活発な性格でニンニクが苦手な私に下された今日の運勢がですね、なんと『あまり動かずにガーリックライスを食べなさい』という衝撃的なものだったということを今、思い出してしまいましたね。


職業も年齢も秘密も血液型も久慈雅人さんには秘密にしていて、ほとんど私のパーソナルな部分とか、知らなかったと思いますよ、ネットの占いに水分補給を怠るな!と書いてあって、私は普段から飲みすぎるくらいなんだけどなと思っていたら、そこに『体内の』と書いていないことに気が付いて『肌の』とか『髪の』なのかと思って確かにと納得した女であることも知らなかったと思いますよ。


私はあなたにも職業とか年齢とか血液型は教えないつもりですからね、どんなに信頼できる記者さんでも絶対に教えないつもりですからね、貴い会社という意味の貴社に勤めている記者だとしても、汽車に乗って全国を飛び回っている記者だとしても、この取材が終わったら帰社する予定の記者だとしても、何も教えませんからね。


えっ、何で知ってるんですか?ラジオから流れてくる懐かしい曲を聞きながら車を運転していたら信号が赤になり、前の車も止まるだろうと思ってみていたら躊躇ブレーキを踏んだものの止まらずに行ってしまったのだが、その時流れていた懐かしい曲のラストの『フゥー止まらない!』というフレーズが前の車が交差点から走り去った場面でタイミングよく流れてきて、まるでコントのようだったっていう体験をしたことを何で知ってるんですか?


さすが記者さんですね、情報収集能力がすごいです、私話してませんよね?私取材の前半の方で何かとてつもない怪物に乗り移られていたかも知れなくて、『キンチョー』という怪物に行動をコントロールされていたかも知れなくて、全然覚えてませんけど、もしも私が話していないとなると、あなた何かしましたね?あっ、ちょっとすみませんね、「ハロー、サーチ!『誰かにストーカーされたかもしれん』」、あっ、ああ。


もしかして記者さんは私の職業とか年齢とか血液型を知ってるんですか?えっ?いやいや、スポーツジムの運営はしてませんよ、えっ、私の年齢が40歳って失礼すぎませんか?はぁっ?『馬鹿そうだからBAKAの頭文字のBを取ってB型にしときます』って失礼でしょ!まあB型というのは合ってますけど。


久慈雅人さんには日本出身の事務としか伝えていませんでしたけど、記者さんは私のことを知りたがっているみたいなので、私の最新情報を教えてあげますね、『スーパーマーケットのレジにて、レジ袋がいらないのでレジ袋NOの札をカゴの中に入れて店員に渡したら、どうやらそのスーパーマーケットにはエコポイントカードのようなものがあるらしくて、そのカードがないとポイントは貰えないみたいで、こっちは割り引いたりしてほしいわけではなくて、レジ袋が増えるのが嫌でレジ袋NOの札をカゴの中に入れたので、まあいいやと思っていたのにレジ袋が普通についてきて焦った』みたいなことが二、三日前にありました。


私にも誰かと付き合うためになくてはならない必須条件というものがありまして、それは顔・地位・名誉・金・髪質・寝相・ボウリングのフォーム・ファッションセンスのどれでもなくて、ふくらはぎサポーターを腹巻きの代用品として使えるくらいウエストが細い人でなければ問題ないという感じです。


あっ、もう一度休憩を挟んでから取材を続けるんですね分かりました、久慈雅人さんの話をもっと聞きたいんですよね、分かってますよ分かってますよ、いやっ、久島サトさんについてもっと詳しく聞きたいと言われてもそれほど情報はないですし、取材したところで何に活かすんですか?まあ、じゃあ休憩中に思い出しておきますから、では。

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