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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
特別章 川城界人
62/110

#62 フラれても諦めない恋愛ゾンビだ

では久慈さんの話の続きを話していって話の続きを話していったあとに、その話の続きを話していって、その話の続きを話していったあとに、その話の続きを話していきたいと思いますね。


久慈さんと初めて会った時の話は野に放して、記者さんにも話して、私のカラダからも離したと思いますけど、一番目に会ったときの帰りの話をまだしてなかったですよね、すごい聞きたそうにしてますよね、じゃあ話しますね『ファースト帰す』の話を、あっこれは要らないですか。


二番目に久慈さんと会ったのが私の家でのデートで、私は気を引き締めてその行事に挑みました、気を引き締めて物事に接しないと『暑いと思ったらサウナで厚手のコート五枚着たまま』だったり、『サラダチキンを大きいまま箸でつかんでかぶりついて完食したときに手首が腱鞘炎みたいになってしまう』のでね。


待ち合わせしてから私の家に行くような予定になっていて、久慈さんとは待ち合わせをしたんですけど、久慈さんと会った時刻っていうのは『久慈さん』と会ったからといっても9時3分ではないですよ、9時でもなければ3分でもなくて、待ち合わせ予定時刻は00分で、実際に会ったのは55分くらいですよ。


私の家ではタコパをしました、念のために言っておきますけど、タコパっていうのはタコ焼きパーティーのことで、風水に詳しすぎる人物の略称でも、多国籍パーティーの略称でもありませんからね。


タコ焼きパーティーも『パーティー』と名の付いた、歴としたパーティーなのでもちろんドレスコードが存在していて、今回は動物という指定がありました、動物の絵や写真や柄などを身に付けなくてはならないというものです。


家に誰かが訪ねてきて玄関のチャイムを押して、そのチャイムが押されたままめり込んでしまって一定のリズムで鳴り続けて頭がおかしくなったことがありましたけど、久慈さんと私の家に行くときはそんなこともなく、時間は通りすぎていきました。


ドレスコードが存在していて、動物の絵や写真や柄などを身に付けなくてはならないと久慈さんに伝えたときは、家に誰かが訪ねてきて玄関のチャイムを押して、そのチャイムが押されたままめり込んでしまって一定のリズムで鳴り続けて頭がおかしくなった時の私みたいな表情をしていました。


あっ、スゴい可愛いですね、何て言う名前なんですか?あの、記者さんが抱いているそれはネコちゃんですか?犬のようにも見えますけど?あっ、そうですよね、違いますよね、ただの洋服の飾りのファーですよね。


私はかなり目が悪くて眼鏡をかけるとなってもダテ眼鏡しかかけないので、久慈さんと一緒に私の家に行く道の途中の通行人のおじさんの横にレジ袋が飛んできたときもレジ袋に見えないで子犬に見えてしまいました。


目が悪いと色々と日常生活に支障が出てきますよね?えっ、私の服が裏返しですか?あっ、そうなんです、今はいなり寿司を作るときに油揚げを酢飯に裏返して着させたり、人間が洋服を裏返しに着るのが流行ってるんですよ。


別にこれが流行りなんで、指摘してくれなくても別によかったんですけど言うの遅くないですか?もっと言うタイミングありましたよね?初接触からずっと裏返しなんですからね、『無理矢理リバーシブル』ってやつなんですからね、私は天然ではないです、どっぷり養殖です。


私の家に久慈さんが来たんですけど、母は愛想がいいのに料理が苦手で、父は目がいいのに綺麗好きで、綺麗好きの父と愛想がいい母は合いそうみたいに言われたり、相性が合いそうみたいなことを言われたりもありますけど、その時はそんなことなかったんですよ。


歩いて本屋に20分かけて行ったら、ちょうど開店したところで店の前で開店を待っていたお客さんのすぐ後ろを流れるように止まることなくすんなりと入ることが出来て無駄がなかったななんて思ったことを思い出したりしていたんですけど、久慈さんと父は父にワインをもらうほど仲良くなっていたのに久慈さんがワインが苦手だったみたいでこれはワインが無駄になってしまいましたよね。


両親とは仲良くなった久慈さんでしたが、久慈さんは馬鹿がつくほどの大馬鹿で馬鹿すぎるので、私の方からふったんですよ、私は一応は有名大学出身なので、私の家でのデートで久慈さんの馬鹿が確信に変わりましたね、まあ、これといって馬鹿エピソードは思い付かないですけど、馬鹿エピソードが思い付かないほど馬鹿馬鹿しい馬鹿ということで、はい。


いっぱい料理を食べたあとに部屋と部屋の境目で胃の中のものを下に下ろす『熊落とし』みたいな技をしていたら、そこは少し低くなっている場所だったらしく頭をぶつけたりしてしまったらしいですよ、あとはユーリンチーがマージャンに使われる用語なのか中華料理の名前なのかさえも分からなくなってしまったらしいですよ、本当に馬鹿ですよね久慈さんって。


一際、一段と馬鹿が際立ったのは、『作業場の冷蔵庫の下にペットボトルのフタを落としてしまって取れなくなり休憩室の冷蔵庫までもうすぐ飲み終わるミネラルウォーターのペットボトルのフタを取りに行った』みたいな少し馬鹿ではないエピソードを別れた後に甘い塩顔に変えて再登場してから言い放ったんですよ。


あれってやっぱり魔法なんですか?魔法で顔ってそんな簡単に変わるんですか?そもそも魔法って馬鹿でも簡単に扱えるものなんですか?魔法って馬鹿には普通扱えないものですよね?魔法で顔を変えて私と付き合って結婚してなんて考え方馬鹿すぎません?私は有名な大学出てるんですよ馬鹿にしすぎですよね、私は馬鹿じゃないですから、すぐ分かりますよ顔を変えても、一週間とちょっとの時間があれば。


整形して、名前を変えて、声優並みの七色の声を使ってるのかと思ってました、魔法なんて使ってないと思ってました、お金を出せば簡単に変えられるものだけを変えているのかと思ってました、整形とかじゃないんですね。


まあ、結果的に言うと私は久慈さんに顔を変えさせるほどの恋の魔法をかけていたということになりますけどよろしいですか?私は恋の魔法使いということになりますけど、よろしいですか?


他の動物が自分の鳴き声をしていたら驚くはずなのに、人間がその動物の真似をその動物の前でしたら驚かないみたいことはよくあることで、男性から『フラれてもフラれても愛を叫び続けてもう、肺が壊死だ』みたいな意味不明なドラマのセリフみたいなことを言われることや『諦めないからね』みたいなことを言われることもよくありますね、はい。


ナントカナントカ熊ナントカさんという名前に変えてたんですよ、四文字で熊の他の三文字の漢字はカンタンな漢字だった気がするんですよ、プラスマイナスみたいな漢字と、カタカナの『イナエ』みたいな漢字と、腰に手を当てて足を肩幅くらいまで広げる人間みたいな漢字もあった気がするんですけどね、そうです、土佐熊次さんです。


『メモをするのが容易ではない散歩をしているときに限って色々な想いを巡らしてしまってメモをしたくなるんだよな』ってメモをしている私がいるんですよね、土佐熊次さんという名前はメモするほどでもありませんでしたが、あっ、そうですか、まだ聞きたいことがあるから休憩してからまた聞くんですね、分かりました。

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