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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
特別章 川城界人
57/110

#57 占いは信じるが自分は信じない

よろしくお願いします、今日は初めての取材なので至らないところとか、至らないところとか、あとは至らないところとか、誠意足らないところとか、色々とあるとは思いますが、とにかくよろしくお願いします。


自己紹介とかした方がいいですか?なんか長所とか趣味とかを織り混ぜて振り付きでアイドル風にとかした方がいいですか?あっでもなんか『痩せている人はお腹が冷えやすいと思うのに細い腹巻きがないのはなぜ?』みたいに思うのと同じくらい『なぜ?』って思うアイドルの自己紹介って多いですよね。


はい、記憶力を持続させるガムを買ったけど何処に置いたのか忘れてしまって結局見つからないで、お金は無駄遣いしてしまったし、記憶も持続させることが出来なかったし、散々だったみたいなことがあったプロアルバイター、30歳に近いようで遠い女、冬野香織です。


ミステリアスな雰囲気だってよく言われることがあって、相当何回も言われていて、ミステリアスの正しい意味なんて調べてないけど辞書やネットにもどこにも出てきやしなくて、たぶんミステリアスっていうのは『ミスして焦がして苦くなっちゃったテリヤキ味のアスパラガス』みたいな感じですよね。


未婚の美しい女性に付けることでお馴染みの『ミス』という言葉が使われているので、褒め言葉であることは間違いないですよね、ちなみに私は『ミセス』だった時期もちらほらとあったんですよ、まあ一度だけで一ヶ月だけだったんですけど。


久慈氏って元々あんな優しい訳じゃなかったんですね、『SDカードをタブレットから取り出そうと軽く押したらSDカードが勢いよく飛び出して私の頬を殴って【ママにも殴られたことないのに】』って思ったって話を久慈氏にしたら大丈夫?って聞いてくれるくらい優しかったのは、優しくなる魔法をかけていたからなんですね、優しくなる魔法が効きすぎてましたね。


占いも魔法だったんですか?ということは占いは真実だったってことですよね、ということは占いに裏は無かったとってことですよね、ということはお金目的とか商売だけのためとかそういうのじゃなかったってことですよね、ということは世界一優しいじゃないですか?久慈氏はそんなに優しくなくてよかったんですけどね私は。


ミステリアスの正しい意味の謎ですけど、たったいま解けちゃいましたよ、ミステリアスっていうスポーツドリンクありましたよね、あのスポーツドリンクが似合う雰囲気がある女ってことですよ、たぶん私は。


久慈氏との出会いはショッピングセンターの近くのビルで占い師をしていた久慈氏と出会ったことで出会ったんですけど、久慈氏が占い師をしていたビルの近くにあるショッピングセンターって結構色んなショップが集まっていたり、かなり怪しいショップも、いかがわしいショップも立ち並んだりしているのに占いコーナーがなかったんですよ。


占いなんて最初は全然信じてなくて、占いなんて糞くらえだ!みたいに思ってなくもなかったんですよ、でも久慈氏は何でも当てちゃうから信じない訳にはいかないみたいな感じになってしまいましたね。


ちなみにその久慈氏が占いをしていたそのビルに占い目的で入ったのではなくて、古くなって使わなくなったものや一度も使っていない商品などを売る目的で入ったのでもなくて、古くて狭いビルマニアだったんです私、その日の前後一週間は。


きっかけって何気ないことみたいのが多いと思いますけど、久慈氏の占いを信じるきっかけとなったのは、私の過去を何でも当ててきたことと、私の格好を何でも褒めてきたことと、私のカッコウ好きを当ててきたことと、私が人生を滑降していることを知っていたこととかですかね。


暇潰しにスチール缶潰しを頻繁にしていたこととか、お母さんにキャラ弁を作ってと言ったらキャラメルが敷き詰めてある弁当だったこととか、その日の二年前に逮捕されたストーカーの男も知らない情報も当てたりとか、とにかく私にとって久慈氏はストーカー以上の存在だったんです。


しかも暇潰しのスチール缶潰しの時に頻繁にスチール缶の潰れた角とかで手を切ってしまったりしたこととか、お母さんに作ってもらったキャラメルが敷き詰めてある弁当を学校にいる間に完食していたことまで当てられて、もう神以上の存在といっても過言ではなかったですね。


最初は占いを疑ってたんですけど最初に会った日より次の日、次の日よりその次の日と、どんどん信じる度合いは増えていって、すっかり信者になっちゃいましたね、信者が沢山いたのは確実でしょうね。


『信者が・・・・・・』みたいなことを言ったから新じゃがが食べたくなっちゃったじゃないですか、新じゃがは皮が薄くて皮ごとでも食べられてみずみずしい食感が特徴のじゃがいもで、あの食感はたまらないですよね、私は新じゃが信者みたいなところありますから。


前世も占ってもらったら『50年間、味噌汁かけご飯だけを食べて生活した人』らしくて、確かに1日3食味噌汁かけご飯だった日もありましたし、朝は味噌汁かけご飯しか喉を通らないみたいな時期もありましたし、それも信じてしまいました。


ラッキーカラーはもちろん聞いてましたよ、だってその色を近くに置いておくだけで運が上がるんですからね、例えば【作詞家が『かしこまりました』と言ったとしたら『畏まりました』と『歌詞困りました』の二通りが考えられる】ように、ラッキーカラーの場合も、聞いたら『信じる人』と『信じない人』の二通りが考えられるんですよね。


それはそれは毎朝、早い朝と書く【早朝】の時間帯に久慈氏にラッキーカラーを教えてもらってまして、早朝を取り仕切る総長と呼ばれてもいいくらいの私だったんですけど、ラッキーカラーは毎日違うみたいで知らない色とかがかなり出てきてましたよ。


今から変わった色について語りますね、今までに私のラッキーカラーとして登場した色をまとめてみたんですけど、アーモンドグリーン、アイアンブルー、あいいろ、あいけねずみ、あいさびいろ、アイスグリーン、あいてついろ、あいねずみ、アイビーグリーン、アイボリーホワイト、アイボリーブラック、あいみるちゃ、あか、などなどありましたね。


それであることに気づいてしまったんです、それはずっと久慈氏が言っていたラッキーカラーが全部アから始まる色だったことと、アから始まる色ってこんなにあるのね?みたいなこととかです。


記者さん、いま私のこと【馬鹿やろ?】って思いましたよね?絶対思ってますよね?馬鹿野郎!と、馬鹿やろ?は同じですから、馬鹿野郎!とも記者さんは思ってたってことになりますからね。


馬鹿野郎!と、馬鹿やろ!がほぼ同じ意味であるように、アイボリーブラックもブラックもほぼ同じだと思ってしまうのは普通ですよね、そもそもアイボリーブラックってどんな色か知らないし、あっとりあえず休憩に入らせていただいてからカラートークの続きを話させていただきますね。

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