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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
第二章 佐藤花子
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#05 お札をあげたお礼をしてくれてもいいのに

タウリン1000ミリグラム配合の栄養ドリンクをイッキ飲みしてはいないがした時のような元気な状態で佐藤花子ちゃんとのデートに向かった。


デートする場所は色々悩んだのだが結局夜景の見える高級レストランに昼間来た。


夜景は見えないがかなり小さく有名な塔らしきものがかろうじて見えるので満足だ。


佐藤花子ちゃんは花が好きではないみたいなので花束の代わりに札束を渡した。


年末ジャンボ宝くじの二等が当たったかのように佐藤花子ちゃんは喜んでくれた。


ちなみに佐藤花子というのは僕が今付き合っているキャバ嬢の楓ちゃんの本名である。


今から『第一回佐藤花子接吻大作戦』を始めることにする。


ファーストキスは授業中に生徒がした携帯のバイブレーションのモノマネを本物だと勘違いした先生が犯人を探そうとしたのと同じ時期に男とした。


それと薄い衣をまとった魚のキスの体にキスをしたことはあるが女性とのキスはまだない。


僕は『行ってきますのチュー』とか『いただきますのチュー』とか『会社という名の掃き溜めからただいまのチュー』などに憧れているが叶うだろうか。


高級レストランを出て高級車に乗り号泣している空を見つめて呼吸を整えた。


「キスしてもいいかな?」


メニュー表に写真が載っていないタイプのレストランでサラダを注文したら嫌いなトマトが沢山入っていたことがあったので何でも事前に確認した方が良いのだ。


「いいですよキスをしても」


そう言ってきたが佐藤花子ちゃんは目を最大限につぶっていて写真を現像する暗室みたいに光を一切通していない状態だろう。


佐藤花子ちゃんの顔にはサウナに12分入った時くらいの冷や汗が流れた。


『僕とキスする恐怖=狂暴なクマとキスする恐怖』なのかもしれない。


相当嫌がっているように見えたのでやめようかと思ったが1センチメートル走の世界記録くらいの時間の短いキスをした。


捌かれたことに気付かず骨だけで泳ぐ魚のように佐藤花子ちゃんはキスをされたことに気付かず目をつぶったままだった。


その理由はキススピードが速かったからかキスの前に食べた激辛麻婆豆腐で唇が麻痺したかのどちらかだと思う。


佐藤花子ちゃんがキスの時にバーの高さ50センチくらいのリンボーダンスをやっているみたいに反ることはなかった。


車を発進してもちろんエンストを何回もしながら僕の自宅の高層マンションに向かった。


僕の自慢は5歳から8歳までの間に3人から好きだと言われたことだが助手席で佐藤花子ちゃんが僕の自慢を上回る自慢をしてきた。


「私は社長や部長のように『長』が付く人としか付き合って来なかったんですよ」


「一番すごい人って誰?」


僕が聞いた『すごい人』の意味は著名な方や有名な企業の重役のことだったがこう答えてきた。


「長田長助工場長ですかね」


『長』が3つも付いているのである意味すごいが期待を裏切られた。


僕は運転席に座りながらアクセルを踏みながら前を見ながら笑いながら色々考えていた。


すると佐藤花子ちゃんが助手席に座りながらバッグを膝に置きながら瞬きしながら息をしながら僕を見ながらこう言ってきた。


「あなたって話す時に私の顔あまり見てくれないですよね」


顔を見て話せない車の運転中にこの話をしてくるのは大声が出せない図書館で『あなたって声が小さいですよね』と言ってくるようなものだ。


顔を見られない理由として『花子ちゃんが直視できないほど輝いているからだよ』と言おうとしたが言うと気持ち悪すぎて花子ちゃんが止めどなく吐き続けるだろうから避けた。


「照れて照れて見れないんだよ」


「急にスキャットなんか歌ってどうしたんですか?」


佐藤花子ちゃんがそう言ってきたが『ウモヨラカロシウ』という言葉くらい意味不明だった。


でもすぐに佐藤花子ちゃんは『照れて照れて』を意味のない言葉の『テレテテレテ』だと思っていたのだと気付いた。


『何日経ったかな』という言葉を『何日タッタカタ』と勘違いする日も近いだろう。


助手席の佐藤花子ちゃんは暑かったからなのか僕があげた札束で扇いでいた。


勢い良く扇ぎすぎたのか札束の帯がとれてお札が車内に散らばってしまった。


助手席とは名前の通り、手助けする人の席だがこれだと佐藤花子ちゃんが座っている席は妨害席と呼ぶほうが正しくなる。


二人でてんやわんやしてなんやかんやでマンションに着いた。


「広いですね」


僕の部屋に入った時に佐藤花子ちゃんがこう言ったがこのマンションのことを言ったのか僕のひたいのことを言ったのかは定かではない。


部屋ではDVDを見たりDVDを見たり、あとはDVDを見たりあとは意外にもDVDを見たりして夜になった。


退屈問題をうまく料理した僕はキッチンで料理した。


5キロで5000円の魚沼産コシヒカリと得意料理のがんもどきもどきを出したが佐藤花子ちゃんは少し嫌そうな顔をしていた。


その理由は僕の推理によると最近ダイエットのために夜は炭水化物を控えているからか、お米を一週間食べなかったら友達から米俵がもらえるからか、楕円形のものを見るのが怖い『楕円形恐怖症』なのかのどれかだと思う。


「炭水化物を取らないタイプ?」


「私はピラルクーなどの淡水怪物を捕らないタイプです」


炭水化物を淡水の怪物だと思うなんて、なんて可愛い人なんだろう。


結局、嫌そうな顔をした理由は第9候補の白米を食べ飽きたからだった。


食事が終わって『ラジオ体操を1パーセントの力でやってみた』という動画を二人で見た。


そして付き合って半年以上が経ったので当然のように僕はライオンのメスがシマウマを狩りするみたいに勢いよく佐藤花子ちゃんに襲いかかることにした。


でも襲おうとしたら佐藤花子ちゃんがある言葉を言ったので僕は悲しみに襲われた。


「私たち別れた方がいいと思うんですけど」


「何で?」


「あなたの個性的な顔がタイプではなかったんです」


2年前くらいにスーパーマーケットでおじいさんみたいなおばあさんに『お兄さんかっこいいね』と言われたことはあるが不細工なのは認める。


だがソフトクリームを食べていて友達が一口頂戴と言ってきたのであげたらほとんど食べられてしまった時くらいムカついてキレてしまった。


「お金しか興味がない馬鹿女!」


すると佐藤花子ちゃんがプロのビンタ師のようなビンタを僕に喰らわせた。


ビンタは水泳の授業でお腹から飛び込んでしまった時よりは痛くなかったが妄想をしながら自転車を漕いでいてカーブミラーに激突した時より痛かった。


一回も自分からメールを送ったことがない友達に初めて自分からメールを送ったがそれがチェーンメールで友達にすごく怒られた時くらい反省している。


日本三大シツゲンは釧路湿原と葦毛湿原と『お金しか興味がない馬鹿女』という失言の3つだろう。


失恋したが魔法使いになってガラスのハートから強化ガラスのハートへと変わったので大丈夫だ。


分かりやすくいうと超薄切りの生ハムから超厚切りのボンレスハムに変わったということだ。


僕は忘れっぽいので眉毛の存在と自分が魔法使いだということを忘れる時があり、あの時魔法を使っておけばと後悔することがあった。


昔『忘れっぽいのを直す方法』という本を買ったことがあったが読み終わる前に何処かに置き忘れてしまい結局直らなかったのだ。

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