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青みがかった黄色いピンク  作者: 高嶋ともつぐ
最終章 久慈雅人
105/110

#105 恋愛気分は足るけどレンタルビデオ店へ

レンタルビデオ店とはビデオがレンタル出来る店で、[ゴルフの試合を1ホールだけ映す番組を小説を読みながら見ていたら、三連続で【咲希】という名前のゴルファーが打っていて、凄いなと思ってすぐに小説に戻ると、そこにはすぐ【早紀】という名前の女性が出てきて、ワッとなった]のと同じくらい、今いる店のレンタルビデオ感の低さにワッてなってる。


アウトレットモール的な場所に行きたい気持ちはあるけど、アウトレットモールには苦手なタイプの人間がいっぱいいそうで、そんな人間たちに〔会うと劣等感積もーる〕から行かないと決めていて、その代わりにここに来たと言えば嘘になるが、頑張れば本当になるかもしれない。


レンジでチンしたとんかつにタルタルソースを掛けるほうの【レンタル】も好きだけど、借りる方のレンタルが一番好きで、ホラー映画とかはよく借りるのだが、スーパーでカートを引きながら全く後ろを見ないでバックしてくるオバサンがこの前いて、それが何よりもここ一週間で一番の恐怖だった。


狭い隙間を縫って奥の方へと進んでいき、高い棚で囲まれた誰も見えないDVDしか見えない空間に来てすぐに、オヤジみたいなくしゃみが聞こえて、くしゃみの出所を探ると綺麗なお姉さんがそこにはいた。


ある女性と同類だと思える人が僕の知り合いにいて、その知り合いはすごい自分に自信がありすぎていて、まだ二十歳で若くて顔もカッコいいのに唯一の弱点が服装がオヤジっぽいことだけという知り合いで、その知り合いを『地震・雷・火事・親父』という言葉風に表すとすると『自信家の身なりがマジでオヤジ』であると思ったことが、前にあったことを思い出した。


ちなみに【綺麗なお姉さん】と入力したかったのに[おねえさん]ではなくて[おねいさん]と入力してしまったために【綺麗な尾根遺産】と間違えて打ってしまったことがついこの間あった気がする。


気付いたらブックブックの人を探していて、本屋に来たらなぜかブックブックの人を探してしまっていて、なぜかな?なぜだろうな?と思ったが、目は瞑れるときに瞑っておけ、という僕の家の家訓にしたがって、とりあえず目を瞑ることにした。


なんでブックブックの人を探してしまうか考えたら、『開店前に客がズラズラ並んでいるカツラ専門店』と『いつもギュウギュウのローストビーフ丼屋』の間にある『ブックブック太った店員がいる本屋』の向かいの靴屋で売っている『ブカブカの靴をキツキツにする中敷き』くらい分厚い内容の言葉を、ある女性の口から聞きたかったのに言ってくれないときが昔あって、それが頭に残っているのだろうという結論に至った。


観たいDVDを探していたら、ちょうど観たいドラマコーナーに、金髪で、長髪で、サラサラヘアーで、ポニーテールをした若い女性が立って占領していて、右横の遠くの遠くの遠くの遠くの遠くの方からずっと、そのポニーテールばかり見ていたら、【動物のポニーのしっぽって見たことないけどこんなにサラサラなのか】という考えが浮かんで来た。


“はいいいえ通訳”のギャルがいないと会話にならなそうだし、『木の下にポニーテールのあなた』という文章を見ただけで『木はホに似てるな』と気付けて『ホに似てる』と『ポニーテール』の響きがよく似てるとも気付けそうな人だから頼りになると思う、と思ったこともかなり前にあったという記憶が、ポニーテールを見て蘇ってきたが、何のことかさっぱり分からない。


アニメが何十周年とかを迎えて、アニメの合間のCMまでそのアニメ一色になって、そのアニメと企業のコラボCMが面白くて、トイレに行けなくて困ったことがあったけど、そのアニメが無性に見たくなってきた。


でもそのアニメをいくら探しても見つかることはなく、雑貨店ではないのに、雑貨がザッカザッカと並べられていることに興味が行きはじめて、ついには脳の奥底まで、ザッカザッカと音を鳴らし始めていた。


なんか、DVDをレジに持っていこうとしたが『自分の映画』『タイトルがダサい』『誰も借りた形跡がない』『店員が才色兼備の1日3食芋けんぴ女みたいな雰囲気』『会員証の色褪せが目立ち始めた』などの理由から抵抗が生まれたときがあったということが脳に蘇った。


最近はよく分からないことばかり思ってしまうようになったが、特にこれといった支障はなく、支障はなくという言葉で『師匠は泣く』という言葉も頭に浮かんでしまったが、特に何でもないことだろう。


家電もあるし、生活に困ったらここで生活できるよなと思うくらいで、ここは本当にレンタルビデオ店かよと思うくらいで、豪華で豪華で豪華なレンタルビデオ店だなと思った。


昔、『豪華さ』っていう言葉を使ってから『豪華さ』っていう言葉に似た発音の『恒河沙(ごうがしゃ)』という数の単位がずっと頭にあって、この家の広さは1恒河沙の米粒を床に敷き詰めたとしても床が見えるほどではないかと予想しているが、1恒河沙が何那由多になるかも分からないのに使ってしまってすみません、みたいに思ったことがあった。


20文字以上の長文限定しりとりをしているときに、ハンバーグなどの繋ぎで使う食材〔たまご〕を、しりとりの繋ぎでもヘルプ言葉として一回使うことを許してほしいと思っている僕は、レンタルビデオ店にあるDVDよりも本よりもCDよりも、片隅にあるレンジでゆで卵が出来るキッチン用品の方にひかれた。


頭のなかでそのキッチン用品をキープしつつ、DVDコーナーへと再び場所を移していきDVDを見ていて、あれも懐かしい、これも懐かしいとか、色々と思い出していたが、DVDコーナーへと足を運ぶ道中で見かけたお菓子のことで頭がいっぱいで、もう頭がお菓子だった。


星形のお菓子で思い出したのだが、【今は外で満天の星空が広がっているところだろうけど、満天の星空という表現は『勝ちを決める決勝戦』みたいな表現と一緒で間違った表現で、もし今見ようとしているDVDが何かのサイトで5段階で評価されているとしたら『満点の星』は絶対にないだろう】と昔思ったりもしたことを思い出した。


レンタルビデオ店なのに、お菓子もたくさんあっておかしいなとも少し思うけど、【LOVEとLIKEの中間の言葉がこの世には存在しないから、僕はそのような感情のことをLOVEとLIKEをくっつけて【LIVE】と呼ぶことに決めてしまったというのに、僕がお菓子をレンタルビデオ店に置かないと決めることまでは出来ない。


ドラマのエンディングロールの名前欄に〔友情出演〕や〔友情監督〕や〔友情歌唱〕などの友情に関する文言が付け加えられていたら、その後の映像に集中出来なくなるだろうけど、そんなドラマは今までに一度もなかったし、集中出来なくなるとしても僅かな時間ならいいだろう。


僕は気が付けば、世間の悪態をつくようなことばかり、想像のなかで繰り広げてしまっていて、でもそれは想像のなかでだけのことであって、僕は身体の外の世界では調子に乗ることが出来ず、天狗になんて一生なれないと思っていて、鼻がめり込んでしまうことさえ、ありそうだと思っている。

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