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Jyukai  作者: 枕木きのこ
6/21

6

 最悪だった。

 間違いなく、この光景は四度目のものになる。

「またここに戻ってきた」

 首吊り縄が私たちを出迎えた。いや、出迎えようと、口を開いて待っている。と言うほうが正確だろうか。

「樹海の迷宮はここを始点にしているのかどうか……」桜庭は独りごちる。「歩き回るうちにここの特徴を覚え、どうやったってここに戻ってきてしまうことに絶望し、また縄が増える……」

「まあ、誰かが引っかけた縄で括るのは不快ですもんね、お互いに」聞きとがめた泊は呟いてから、「あれ、そういえばこいつらの主って」

「居ないな。確かに、死体は見ていない」

「朽ち果てたか、消失したか、持ち去られたか」

 或いは、ここでは死んでいないのでは。

 加えると、四人の視線がいっせいにこちらに向いた。覚悟はしたものの死ぬところへは至らなかった、気力の限り歩き続けて出口を見つけたのでは、と続けた言葉は、虚勢に違いない。

「とにかく歩くしかありませんね」


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