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次第に会話が減る。私は落とした吸殻を拾い集めて何とかそれらしく整え、煙を吐いていた。同じように、泊は菓子パンの袋の残りかすを口へ落としている。
樹海に来るまで、迷ってしまうまで、私たちはそれぞれに普通の男だったはずだ。このように下ばかりを見てかすで食い繋ぐような愚かな真似は絶対にしなかった。自尊心もあるが、金も、ツールも、外では揃っていたからこそである。
「なあ」掠れた声音が誰のものか、判別も難しい。向いてようやく、桜庭の声だとわかる。「このまま出られないままだったら、誰かが俺らを探しに来てくれるのか」
「難しいだろうな」返したのは、加美西か。「少なからず俺は、誰かに樹海へ向かうことを話してなんていない。止められると思ったからな」
俯くあたり、野間口も同様だったらしい。私も、比較的急な誘いだったこともあり、話していなかった。
「泊はどうだ」聞くと、彼も首を振った。「口が軽いことだけが特徴のくせして」
桜庭の皮肉に、泊は声を荒らげ、
「うるせえ!」
拳を床に打ち付けた。




