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訓練初日③


午後の訓練が始まった。

午前中に遅刻で怒られたのだ、集合時間に遅れて来る者はいなかった。


ガロさんもそのことが嬉しかったのか、午後の訓練開始は笑顔で始まった。


「午後はきっちり集まれたような。こうやって決められた通りに集まってもらうと、すぐに訓練も開始できる。これに遅れている者がいるとまた呼びに行ったり、いなかったら探さないといけない。こうれからは今から言うことを守ってほしい。報告・連絡・相談!これを必ずすること。今日の朝を例にあげると、遅れて来た者がいるが、こちらはその理由を知らない。遅れている者が体調が悪くて来れないのか、ただの寝坊なのか。そうここは連絡だ!遅れるなら遅れるで連絡をするように。ただの寝坊なら許さないが。これから王宮から出てレベル上げもやってもらうが戻ってきたら、報告だ!班で活動してもらうが例えば班のメンバーが気に食わなかったとする。勇者達で勝手にメンバー入れ替えたりしないように。このときは相談。これから疑問・悩みがあれば何でも騎士兵・俺・メイド長・担当メイドなんかに話してくれ

女子がいるから俺で相談しずらかったら、メイド長・担当メイド・巫女様でもいいと思う。男は俺か騎士兵だ。」


ほう・れん・そう。日本の社会人の常識だ。仕事をするうえでの基礎だ。報告・連絡・相談これがあたりまえなのだ。けど一番難しいことだと思う。今ガロさんは”何でも”とガロさんが言っているが実は何でもではない。少しは自分で考えないといけない。入社1ヶ月ぐらいはいいがそれ以後は、ある程度自分で考えないといけない。毎回こまかいことを聞いていたら”自分ですこしは考えろ”と怒られるし、聞かなければ”なんで聞かなかった”と怒られる。今度どう聞いていいか分からなくなった。こうなれば先輩に相談するしかない。自分判断でこれぐらいと報告しなかったら、後で上司から報告なかったことで怒られたりと。この報告・連絡・相談は簡単のようで、難しいのだ。


そうここに集まっているのは勇者は高校生達なのだ。俺はある程度は出来るだろうが、お手本は騎士兵を見習ってくれればいいが・・・・無理だろうな。


ガロさんが相談を”男は俺か騎士兵”と言ったことに


「俺達がメイド長か巫女様に相談したら駄目なんですか?」


「言っておくが、お前の魂胆が見えみえだから言っておく、俺は両方ともに相談には行かない。かかわらない。」


「なぜですか?」


当然の疑問だ具体的にどうしてが無いからだ


「もし何かあっても俺はかばいきれないからだ。それでもいいなら行けばいいぞ?」


メイド長・巫女様のどちらかになにかあればかなりの罰を受けるということだ。決まった罰をガロさんが免罪にしてくれこはは無い。後ろ盾してもらえないのはかなり怖い。


「遠慮します・・・・」



話も終わり、模擬訓練が始まった。4人の班と下級魔物との模擬戦を行うようだ。


「今から見せる模擬戦は魔物と4人班の戦闘だ。三日目以降は班ごとに戦ってもらうのだが王宮のすぐ近くの平原行う。そこでは子供でも倒せる魔物がいる。草原の魔物と戦いながら班ごとに連携や戦闘技術を覚えてもらう。連携がうまくいけば自分よりレベルの上位の魔物でも倒せるようになる。」


そう言うと檻を乗せた台車が入ってきた。その反対側に武装した4人の騎士兵がいた。


「始めろ!」



狼を少し大きくしたような魔物だった。


檻の扉が自動で開いた。すると4人に向かって魔物が突進を開始した。4人の一番先頭は大きな盾を構えている男だった。


「おおおお!」


盾の男が狼に大声と殺気を発していた。素人目でも先ほどとの雰囲気の違いが分かった。


狼が盾の男に攻撃する。他のメンバーは。盾の後ろに一人人と少し離れたところに二人いた。


狼はもう一度盾の男に攻撃を仕掛けたが、男は狼の攻撃と合わせて盾をぶつけて狼を遠ざける。


「ナイル!」


すると後衛の二人は同時に攻撃を開始する。後衛の二人は弓兵士と魔法士だった。弓士が狼の着地の場所を狙って。魔法士も狼が着地するあたりに魔方陣が展開されている。


狼が着地すると狼の足に光の鎖が4本の足に絡みついた。それと2本の矢が刺さる。


それでもまだ動いている。すると盾の後ろにいた。剣を持った男が狼の首を跳ね飛ばした。


「おおお!!」


勇者達から歓声があがる。


俺も感心した。見事な連携だった。


「ようしごくろう!魔物を片付けてくれ」


戦闘が終わった騎士兵士にガロさんが声をかける。


「今見てもらったのは小規模人数での基本戦闘だ」


ガロさんが4人の方を見た。


「今の魔物は牙狼と言う。レベルは8だ。今は一匹だけだが本来やつらは集団で行動する。今回は君達の戦闘の参考として一匹だけにした。さっき見てもらったのが、基本中の基本だ。盾役が敵をひきつけ攻撃を防御する。盾役が味方に攻撃しやすいように敵を誘導し合図する。そこを後衛が攻撃。空きあれば前衛攻撃役が盾役と後衛のタイミングを見て攻撃。前衛の攻撃役は一撃離脱だ。」


「複数魔物がいる場合はどうするんですか?」


勇者達の中から質問がでた。


「先ほどの基本ができるようになれば後は応用だ。仮に4匹の魔物がいれば盾役がほとんど攻撃を受けて、前衛攻撃役が目標を決めて攻撃する。それを後衛と一緒に一匹づつ殺していく。そんな感じだ。」


「盾役が一番不利なんじゃないですか?」


素人ながら確かにそう思う。


「複数の敵に囲まれる盾役は不利だし、命を落としやすそうだが。後衛のほうが危険なんだ。」


「「?」」


前衛で敵と直接戦っている方より後衛の方が危険なんだ?


「さっき言った状態は。すべて前衛で敵を引き受けた場合での話していた。この状態が崩れると後衛はまったく機能しない。魔法も弓も基本は中・長距離用だ。近距離ではないのだよ。後衛も近戦を訓練するが、さっきの状態が崩れると混乱状態なることが多い。前衛は意外と自分でなんとかなるが後衛は厳しい」


勇者達は沈黙してしまう。


「逆に言ってしまえが、後衛も前衛できるようになればいいのだがな」


「これからの戦闘訓練さきほどの基本隊形を出来るようにしてもらう。あの隊形で戦えればあとは応用でしかない。」


「今日は後は自分にあった武器を探してほしい。別の場所で武器を用意してあるから手に持って使ってみてくれ」


そう言われ全体で移動すると、地面の上にさまざまな武器が並べられていた。


各自手に持ったり、素振りをしたりと騎士兵の人と話しながら決めていた。


俺はすぐに決めた。片手剣とスモールシールドだ。これにした理由は盾で攻撃を防ぎながら、攻撃もする為だ。スモールシールドなら場合によっては盾を持ちながら両手で攻撃できる。


攻守両方学ぶ為だ。攻めだけでも守りだけでも駄目だと思ったからだ。


先ほどのガロさんの話だと、どれかに特化した方がよさそうだが。なんとなく両方学んだほうがいいと感じた。


「君はその武器にするのかい?」


「出来ることなら攻守を両方学びたいんで」


手に持って、素振りをする俺にガロさんが話しかけてきた。


「いや、始めのうちはなんでもやってみるといい」


そう言って別のところに歩いていった。



そのあとしばらく自由時間となり、思い思いに武器をとり試していた。


最後に武器を騎士兵に返還して、今日の訓練は終了した。




部屋に帰るとキャメリアがお湯を用意してくれており、それを水で調整して体の汗を落とした。


夕食は準備されており、好きな時に食べればいいとのことだった。食器は翌朝に片付けるそうだ。




「ふぅーーーー」




やっと訓練一日目が終わった。そうまだ一日目なのだ。



先は長いなーと思いながらベットで横になっているといつのまにか寝てしまっていた。






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