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訓練初日①


「おはようございます。・・・・お酒くさい」


キャメリアに起こされているようだ。しかし体が動かない。


それはなぜが・・・・・・



そうそれは・・・・・・




「うっーーーー!!!!!」


急に体が動いた。

とある場所に直行した。

キャメリアを押しのけ、とある場所に走った。

とにかく走った。


そしてたどりつた。間に合ったのだ。


間に合ったと思った瞬間の気のゆるみが次の悲劇をうんだ。








口から”ピィーーーー  ドロドロ  ピィーーー  ドロドロ”




そう場所はトイレ


申し訳ない!!!!


二日酔いだ!


お見苦しいところを。



「大丈夫ですか?お水いりますか。」


キャメリアが心配そうに聞いてきてくれた。こんな駄目な人間に。


「うん。もらう。」


なんとか答えると。水の入ったコップを貰って飲み干した。


「朝食を食べられますか?」


「無理・・・・」


俺は涙目で答えた。そしたら”もったいない”小声でキャメリアがつぶやいた。


「俺食えないから。キャメリアが食べれるなら食べなよ」


もうまったく食欲のなかった俺はキャメリアに俺の朝食を食べるよう進めた。


「いいですか?」


申し訳なさそうに聞いてきた。


「この部屋に持ってきなよ、ここで食べたら分からないだろ」


「それでは・・・・」


朝食の準備をしに部屋の外に出て行った。


しばらくして、トレーに朝食を持ったキャメリアが戻ってきた。


俺はまだ体調が悪かったので、ベットで横になっていた。


「椅子に座って食べなよ。」


俺がそういうと、トレーをテーブルに置き朝食を食べだした。


「いただきます!」


元気よく。笑顔で食べだした。


ただ・・・・もう少し声だけ小さく・・・・・頭が痛い。


昨日の夕食会での自棄飲みが悪かったようだ。そこまで飲んでいたわけではないのだが、ワインなんてめったに飲まなかったからな。別に毎日お酒を飲んでいたわけでもない。まったく飲めないわけでもない。

会社の飲み会で付き合いで飲んでもいたし。たまに飲みたくなるときもあり、そのときはチューハイを飲んでいたので。お酒に強かったわけではなかったから飲みすぎてしまったのだろう。


起き上がってキャメリアが食べている朝食を見る。


今日の朝食はパン2個・牛乳・やさい少々・干し肉一切れだった。日本だとこれにもう一品目ついてくる。そう卵料理だ。


「卵料理とか朝でないんだ?」


疑問に思ったので思わず聞いてしまった。昨日の夕食会では出ていたので無いわけではないと思い聞いた。


「卵は高級品ですよ!お肉なんかもなかなか食べれないんですよ!」


だから・・・・声の音量を下げて・・・・・


俺は頭に手をあてながら


「そうなんだ」


まあ、あまり関心なかった。次の一言を聞くまでは


「他の勇者様達は朝食で卵料理出ているみたいでしたけど・・・」


この一言を聞いて。よけい頭が痛くなり胸やけがした。


昨日のメイド長の話で分かっていたが、王宮で生活できるだけましなんだろうな。


さっそく二日酔いで休むわけにも行かず、着替えて準備をしキャメリアの案内で王宮内の訓練場に連れて行ってもらった。







_____________________


俺は訓練場に移動すると、何人か勇者達が集まっていた。


まだ集合時間まで時間がありそうだったので、適当な所で座って休んでいた。


しばらくすると騎士団長のガロさんが部下の人を連れてやってきた。昨日は笑顔だったのに、今は険しい表情だ。何かあったのかな?


「集合!!!!!」


びっくりした。かなりの大声にいた勇者達も俺もびっくりした。


「集まれと言っているのが聞こえないのか?」


怒鳴り声で、指示をしてきた。俺と勇者達がガロさんのところに集合する。


「君達は兵士じゃない。軍の規律に従うこともない。しかし、これから皆にやってもらうのは戦争なのだ。団体行動なのだ。一人のミスにより、全滅することだってあるのだ。軍に従えとは言わん。だがこちらの歩調に合わせてもらう必要がある。なのにかかわらず、まだここに来れてない者がいる。」


ガロさんは激怒のようだ。俺も頭が痛い。もうギンギンに頭が痛い。痛すぎて顔をしかめている。じゃかん涙目です。


・・・・・・二日酔いつらい。


「まだきてない者をすぐに連れて来い!」


ガロさんが部下に命令した。部下の人は駆け足で何人か王宮に行った。


ガロさんも分かっているのだろう。こういうのは始めが肝心なのだと。日本の社会人一年目でどこでもやるのが、新入社員研修だ。

大きい会社だと100人・200人いっきに入ってくる。学生気分がぬけないガキ共が、まあ俺もその一人だったが。泊りがけで5日ほど研修がおこなわれる。研修一日目は指導員の人たちも笑顔でこうですよ、こんな感じです、と全員に笑顔で話してくれて失敗しても始めは”仕方ないです”と丁寧に教えてくれる。そう問題は二日目以降だ!!朝の起床時間は朝食前のあいさつ・ラジオ体操これが6時30分で始まる。ここで学生としての気のゆるみが出る。寝坊するのが何人か出る。俺は遅れずに間に合ったが。集合時間調度に扉が閉められた。慌てて走ってくる足音が聞こえる。女の子だ、女性は朝の準備に時間がかかる。男は気のゆるみだろうね。そしてそこから指導員の表情・態度が一変する。『お前らこのざまなんだ!』怒鳴り声だ。遅刻したやつらは外で正座で怒られていた。間に合ったのに”連帯責任だ”とこちらまで怒られる。これは遅刻した人はもちろん他の人にもミスをすると迷惑がかかるという意識を分からせるためだ。2~4日の研修は厳しくおこなわれ。最後の4日目の夜は研修お疲れ様で軽い打ち上げある。そこで”これは君達のためなんだ”と言いながら大人の態度で料理やらお酒をおごってくれる。5日目は初日と同じようにやさしく接してくれて。みな指導員に心を許すのだ。俺もそうだった。これはそう”飴と鞭”その後各配属先に行く。行った先でも研修をやるのだが。まあこちらは普通だ。

俺がそんなことを思っていると。


遅れていた勇者達がやってきた。遅れていたのは女の子が大半だった。


「お前達、遅れた理由を言え」


その問いに遅れてきた者が答えていく。


「朝の身支度の準備で遅れました。元の世界と違ったので準備に手間取りました。」


女子は全員、この理由だった。化粧に時間がかかったのだ。


「朝おきるのが苦手で」


男子は、この理由だった。たんに気のゆるみだ。


ガロさんがすぅーと息を吸うのがわかった。


あああそれ以上は!!!


「ふざけるなーーー!」


やっぱり、頭にひびく。


「一番左の女立て」


そう言われ遅れてきた、一番左の女の子が立ち上がった。


「お前が夜襲を受けました。王宮に救援を求めた。朝の身支度に時間がかかって到着が遅れました。それが原因で多くの仲間が死んだ。さあお前はそんな増援部隊を仕方ないと思えるか?」


言われた女子は、にらみながら


「それとこれとは違うじゃないですか」


ガロさんはその返答に何も答えず


「そのとなり立て!」


立っていた。隣の女子を立たせた。


「外周都市に増援予定があった、朝の準備・移動の準備などなれないことで、予定より三日おくれました。その外周都市に二日前から獣人が襲ってきてました。都市は壊滅です。そこに住んでいた人間は仕方ないと思ってくれるか?もしそこにお前の仲間がいて仕方ないと思ってくれるか?どうなんだ?」


「・・・・」


「答えられないか」


「遅れてきたやつ全員立て、他の勇者達もよく聞いていてほしい」


遅れてきた勇者達が全員立つのを確認すると


「もし今、戦争をしていたら全員死んでるんだよ!」


立っていた女子数人が泣き出した。



「先に来たやつらにも言った。お前達は兵士ではない。軍の規律が適用されることもない。無理やり戦闘させることもない。ただ勇者達、君達を待ち望んでいる人間族はいるのだ。君達が力をつけてくれれば守れる人間もたくさんでるだろう。ただこれは戦争なのだ。こちらの指示に従わず勝手な行動をとるとお前達はもちろん、こっちにも命の危険がでる。お前達を戦闘させるが、こちらかってお前達を守る。だが勝手な行動で仲間を危険な目に合わせるわけには行かない。」


ガロさんがそこまで言って、一人の男子が反論した。


「ただ俺たちも、本当の戦争ではこんなことはしないよ」


俺は思った。言ってはいけないことをいいやがったと。


「訓練をきちっと出来ないやつが、本番の戦闘できちっとした団体行動が取れるわけがないだろう。王国騎士団と連携が取れるわけないだろう。」


あろうことか、こいつは分かっていなかった。


勇者の一人が反抗的に話しかけた。


「だから訓練ではなく、命のかかった戦争で命令を聞かないことはないですって」


ガロさんがそいつを睨みながら答えた。


「お前訓練だからこちらの支持に従わないというのか?本当の戦争だけ支持を聞いて、その他の場合は従う気はありませんと?そういうことか?」


「いや、こんな遅れてきたぐらいでそこまで言われることじゃないですか?」


とことん駄目だ。俺は覚悟を決める。次に来るであろう声の音量に


「お前の言っていることは、訓練はまじめに必要がありませんっていってるよな。連携の大事さがわかってないようだな?そこまで言うなら明日、こちらで訓練した勇者3人騎士兵3人の6対6で訓練を受けたやつと、そうでないやつで戦うか?負けた場合遅れてきたやつ全員兵士になってもらう!」


「・・・・」


男子はだまってしまう。

ますます俺は覚悟を決めた。


「こっちだって命かけてんだよ、お遊びじゃないんだよ!!」


大音量の怒鳴り声が響いた。

遠くの王宮を見ると、メイドさん達数人がこちらを見ていた。そして、俺の頭が割れるように痛い。


しばらく間お置いてガロさんが話し出した。


「訓練だからと言って指示に従わない者、これ以後戦闘に参加する意志のない者は部屋に戻ってくれ。こちらも命がかかっているんだ指示に従わないものまで仲間の命を預けるわけにはいかん。しかし聞いてほしい、協力してくれる者にはこちらも命がけで守る、ただそれにはお互いの信頼関係が必要だ訓練だからと指示を聞かない者をだれが信用できる。これ以後訓練・戦闘に参加しない者は今の王宮から下町のに移り住んでもらう。食事も最低限しか出せない。王宮で雑用見習いとして働いてもらいながらやりくりしてもらう。」


「そんなーー!」


勇者達から不満の声があがった。


「グランベジーナ国として君達の生活は保障する。しかしどの水準でかまでは約束していないはずだ、獣人・魔人との戦闘でもう勇者達以外の力でまさることは難しいのだ。理不尽なのはわかっている、だが協力をしてくれる者にはこちらも精神誠意つくす。」


「そっちが勝手に呼んだじゃないか!」


「そうだ勝手に呼んだ、だから協力者には精神性尽くす。すまないとも思っている。だがこれは戦争なのだ、指示を聞かなかったり勝手な行動をしてもらっては困るんだ。こちらも命がかかっている。遊びではないんだ。頼む協力してほしい」


そう言っガロさんは頭を下げた。


「今の話を聞いて決断してほしい。訓練に参加しない者は部屋に戻ってくれ」




勇者達は無言だ。


俺は始めから決めていたし分かっていた。




ただ、俺は思うこの騎士団長ガロさんは、騎士団長だけあって部下をひきつける話術もすごいなと思った。結果どうなるか分かった。







勇者達は誰も部屋に戻らなかった。






一部女子がガロさんに目がハートになっていた。






ジゴロが!!!!!!!






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