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夕食会


会場には長いテーブルが準備され椅子の前に食事が並んでいた。果物・肉料理・魚介類と並んでいる。とてもおいしそうな料理ばかりだ。日本でも、趣味といえば読書と食べ歩きだった。食べ歩きの食べ物はラーメン・そば・洋食を食べ歩いていたけど、まあ一人で、ほとんど一人で、食べ歩きの8割は一人で!!!

なんてったって、独身26才一人身で友達も特になし。ほんと寂しい人生だよな。別に戻らなくてもいいのでは?戻りたい、なぜかそれはラーメンが食べたい。それに両親の顔も見たい。夢としては、結婚して親に子供の顔を見せてやりたい。など、元の世界でのやりのこしたことが一杯あるからだ。一般人なりの夢がある。


会場では勇者達も集まっており、席について座っていた。

俺が一番最後だったみたいだ。一番端の席に座らされた。


「俺の担当メイドかわいかったぞ!!」


「きも!!スケベーー」


勇者といっても高校生、自分の担当メイドがかわいかったのか友人達と盛り上がっているようだ。


「ほんとたまんね、メイドさん従順だったからつい『ご主人様』って呼んでみてっていったら言ってくれて、もーーーー最高!!」


「「バカだね」」


バカだ。他の女の子連中も思ったであろうことを俺も思った。


そんなバカなことを勇者達が話していると、王様・巫女・神官長・騎士団長の他に勇者達と年齢が同じぐらいな男女が一名づつ入ってきた。王様が入ってきたので、騒いでいた。勇者連中も静かになった。

そして、王様達はあいている、上座の席に座った。


「勇者達お待たせした。今宵は、ゆくっりして頂き明日からの英気を養って頂きたい。ささやかながら、食事とお酒を用意してある。ぞんぶんに食べ・飲んで頂きたい。」


そう言うと、メイド達が席のグラスにおワインを注ぎ回った。全員にいきわたったのを確認した王様は、グラスを手に立ち上がった。


「乾杯!!」


そう言うと、ワインを一気に飲み干した。


だが、そう勇者達は高校生なのだ未成年飲酒禁止だ。飲めるわけもない。そう思っていたが、王様のすぐ横の高校生達の年齢が変わらないと思っていた二人の男女は、ためらわずグラスのワインを一口飲んだ。


俺は成人なので普通に飲んだ。


その後は、そのまま食事タイムに入っていった。


さすがにお酒はと思ったら、勇者達は水・ジュースを頼んでいた。


食事が進んでいるなか、王様が話し出した。


「すまないが紹介したい人物が居る、息子のロディアに娘のグリシナだ。」


そう紹介され、二人が立ち上がった。


「グラベジーナ・D・ロディナです。異世界よりここグラベジーナによく来ていただけました。心より歓迎を致します。そして、憎き獣人・魔人を共に倒しましょう」


そう言って、王子は軽く頭を下げて着席した。

次いて、


「グラベジーナ・D・グリシナです。勇者の皆様、父王様と騎士団の方々にご協力をお願いします。成長された勇者様達ならば、獣人・魔人などかるく倒せる力量をもった方々と聞き及んでいます。どうかそのお力をお貸しください。そして、奪われた領地・国民をお助けください。」


王女も軽く頭を下げて着席した。


それからの話題は主に二つで王様達は盛り上がっていた。


一つ目の話題は、天野康平である。

その理由は、勇者達の中で頭一つ飛びぬけたその能力値とスキルである。今後の戦闘で一番活躍するであろう人物は天野である。勇者達の中で王様に一番近い席は天野が座っていた。しかも席の前は王女グリシナである。


王様は王女を天野に嫁がせるつもりか?もしくは気に入ってもらおうという魂胆がみえみえである。でも気づかないのが高校生だよな。今の日本は超安全国だ。殺し合いだ・戦争だなんて何年前の話だっていう感じだ。


だが、その天野であるが目線の先は巫女だった。


「巫女様は普段はどんなことをされていらっしゃるのですか?」


「私のことは巫女ではなくリーリオとお呼びください。私の役目は、人神様との対話です。これができる者はかぎられておりますので」


天野の周囲はグラベジーナの人々が囲んでいた。天野の右が神官長その右が巫女、巫女の前が王様で王様の左が王子で王子の左が王女だ。ちなみに王女の前が天野で王女の左が香坂だ。天野の左が、騎士団長である。天野一人だけ隔離状態である。


そんな中、目の前の王女ではなく、巫女に話しかけたのが気に食わなかったのか王女が口を挟んできた。


「巫女様。それは酷なことでは?皆が巫女様とお呼びしているのに、天野様だけお名前では他の方々も納得できないのでは?それに天野様もお呼びづらいのではないのですか?」


王女が笑顔で巫女に話しかけているようだが、笑顔が怖い。


「王女様。私が人神様と対話できるということで、皆から巫女と言われているのみです。私自身がそう呼ばれることを望んでいるわけではありません。天野様、他の勇者の方々にもよろしければリーリオとお呼び頂けるようお伝えください。」


巫女の返答に一瞬王女の顔色が曇った。だが笑顔作って天野に話しかけた。


「では天野様、私のことをグリシナとお呼びください。」


「それこそ王女様、天野様がお呼びづらいのではないのですか?王女様は王女様です。」


「いえ巫女様、私は天野様にそう呼んで頂きたいだけですよ」


女二人で視線に火花がちっている状態だ。天野はどちらかというと巫女に心奪われている感じだが。


天野は”リーリオかいい名前だ”と頬がちょっと赤くなっていた。こりゃかんぜんにお熱だな!!若いっていいなとおっさんは思う。(まだ26才だけどな!!)


そんな状況に王様と神官長が


「二人にも困ったものじゃな。しかし勇者天野には驚いたぞ。能力値・スキルともにレベル1とは思えん状態だ。今後の成長が楽しみじゃ」


その話に、騎士団長が


「誠に私も同感です。数ヶ月で私と同等に戦闘できるようになるでしょう。」


「それは誠に頼もしいかぎりじゃ」


「同感ですな。」


騎士団長の話に王様と神官長が嬉しそうに話す。もうお前ら戦闘は勇者まかせにするき満々じゃないか?

そんな疑問を持つ俺である。


「いやそんなことないですよ。あはは・・」


天野も浮かれていた。おだてられると付け上がるタイプか?まあ高校生だからな。


二つ目は、ようはその他である。明日からのことについて、天野以外の勇者達と騎士団長で話が進んでいた。


「明日からって具体的にどんなことされるんですか?騎士団長さん?」


香坂が騎士団長に質問していた。


「自分のことはガロと呼んでくれ。さっきまでは改まって話してはいたがこれから普通に話すから。これから共に戦っていくんだ、改まることもない。これについては王様にも事前に許可はもらっている。不満があれば言ってくれ」


「私らもそのほうがやりさすいね。ではガロさん、私は鏡花でいいですよ」


「俺も一郎で」


鏡花が言うと一郎も同意を示した。


「有難う。他の皆も明日、自己紹介をしてほしい」


そういうと他の勇者達も”はい”返事が返ってきた。


「明日からは、武器での戦闘訓練・魔法と世界の仕組みについての勉強になる。午前・午後で班に分かれてもらって訓練していく。戦闘訓練では、武器の使用から魔物との戦闘さらにダンジョンでの探索。魔法と世界の仕組みについてでは、魔法を使用したことないと言うことで、魔法の基礎それからこの世界での常識を学んでもらう。」


ガロさんの話に鏡花が


「戦闘訓練とか魔法の勉強とかはわかるけど、ダンジョンとかすごそう」


「たしかにそうだよな」


鏡花と一郎が同意見を示す。


「ダンジョンは最終段階。卒業試験みたいなものかな。ダンジョンでしっかり戦闘できればだいたいのことが身についているはずだ。そうなれば個人での能力値・スキルを伸ばせば幅が広がった戦闘ができるだろう」


「へえーー」


「詳しくは明日はなすが、難しいことを考えなくていい。ようは回りと連携して戦えるようになれば、ひとまず大丈夫ということだ。プレッシャをかけるわけではないが獣人・魔人がいつ攻めてくるかわからない。ひとまずは戦闘できるようになってもらって後は、レベルを上げて行ってもらいたい。」


騎士団長は申し訳なさそうに言った。


「そうですよね、私達の役割って獣人・魔人と戦うためだもんね」


「すまない。」


「いやいや。そんな誤らないでください。ガロさんの性ではないのですから。」


ガロさんがすまなそうに言ったことに対し、鏡花が手を顔の前でふりながら答えた。


「こちらも全力でサポートする。すまんが皆よろしく頼む」


ガロさんが鏡花の話を受け、勇者達に言った。それに対し”わかりました”と回りの勇者達は康平・鏡花・一郎の意見に流されている感じだ


あとはガロさんが勇者達(天野以外)との話と王様達の話を両方起用に会話をこなしていった。


王様達では天野関係の話題で、天野以外の勇者達はガロさんに戦闘はどうやるのかを聞いていた。




で!!!!俺は・・・・・・・・・




一人寂しく、飲み食いをしていた。半分は自棄食い・飲みだった。


給仕のメイドさんから冷たい目線・・・・・


痛い!!!!!


そんな目線されても、俺かって好きで職種一般人じゃないんだ


能力値・スキル鑑定のとき、どれほど俺も期待したか・・・・・・


思い出しただけで涙が出てくる。勝手に異世界に召喚されるは、勇者かとおもいきや一般人だは。やってられない。


最後のほうは、給仕のメイドさん俺の横にワインのピンを置いていき”好きにどうぞ”と言われた。注ぎにもきてくれなくなった。他の人たちは注ぐのに


俺は満足したら、いつ終わるか分からない夕食会から勝手に帰ることにした。



明日からがんばろう!!!

そう思い一人寂しく部屋に帰っていった。





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