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魔人襲来

移動すること2日、拠点となる都市に到着した。どうやらここを拠点にヘトロス荒野で軍事訓練を行うようだ。


ほとんどの兵士が都市の外で野営をしているなか。勇者達と幹部は都市の中での宿泊をするみいだ。


ここの領主が今晩、勇者達と幹部を招いての夕食会を開くそうだ。と、噂が軍の中に広まっていた。おき楽なことで。


勇者が優遇される理由も分かる。勇者達は全員俺より2倍以上の能力値を持っている。それに勇者独自のスキルを持っており、戦闘の幅が広がる。はっきり言って今のグラベジーナ軍の強さは4ヶ月前の3倍以上だ、各隊の前衛・後衛で機能が格段にあがっている。それを軍の兵士全員が理解している。だから勇者達への優遇処置にも誰も文句を言わない。それは兵士全員が勇者達に期待をしているのだ。


翌日より、軍での郊外訓練が始まった。

まずは軍編成だが、以前組んでいた班を一旦解散させ。各隊に分けていく。前衛盾役・前衛攻撃隊・遊撃隊・後衛魔法部隊・後衛弓隊。その中で、五人一班を作り、50~100人で一小隊にし。それを軍団隊長が指揮をする。ガロさんが軍団総隊長として後方より指揮する形だ。

そして今回の布陣は”天野布陣”と言ってよかった。最前列に盾第一軍団・第二軍団を左右に配置し、その軍団後ろ中央に天野と少数精鋭部隊5名を配置。盾隊の後ろを前衛攻撃隊を50人小隊で盾隊の後ろに等間隔で配置。さらにその後ろを遊撃第一軍団・第二軍団。またその後ろに魔法第一軍団・第二軍団。その左右に弓第一軍団・第二軍団で最高峰に指令本陣が置かれている。各第一と第二軍団で縦に並ぶ布陣だ。

さらに後方に補給部隊・救護部隊となっている。


午前中は部隊編成と指揮命令系統確立をし、連係の説明があった。実際にそのあと仮想の戦闘訓練を実施した。ガロさんが高い台の上から各軍団・小隊に指示を出している。

ちなみに俺は遊撃小隊の中の一兵士だ。班長ですらない。そもそもが今回の郊外訓練で一位か二位ぐらいレベルが低い。


午後からヘトロス荒野に移動した。半日ほどで入り口に到着。

入り口には結界が施されており、魔物の侵入ができないようになっていた。

入り口手前で陣地を作り、明日からの実践に備えるようだ。


それから二日は順調に進んだ。一番の理由は天野の攻撃力がすさまじいかったからだ。もう天野の攻撃力はグラベジーナ国一強い攻撃力になっていた。そしてその攻撃力を生かした。布陣!

魔物との戦闘ではまず、魔物が接近し射程に入った段階で後衛からの遠距離攻撃、軍に接近してきた敵は盾役が攻撃をうける。敵がひるんだところを天野精鋭部隊による攻撃、また敵による攻撃が始まったら、一旦さげり、盾役に攻撃を防いでもらい、またひるんだところを天野精鋭部隊が攻撃。その他は周りの敵の進入防止や味方の援護に回っている。


そうして三日目はヘトロス荒野の奥に進んでいった。


ヘトロス荒野三日目、軍の士気は高かった。魔物との戦闘が順調だったのもある。特に大きな怪我をする人もなく、戦闘が続けられていたからだ。このヘトロス荒野は人間族が住める場所ではないとあきらめた場所だ人間族が住むためには、今ヘトロス荒野にいる魔物を駆逐する必要がある。それが不可能と思われたからだ。だが、今回の戦闘でそれが可能と示すことができた。そう人間領が減り続けてきた中、始めて領地拡大が見えてきたのだ。そのおかげで軍の士気は上がる一方だ。


午前中の戦闘も順調にいっていた。一旦戦闘が終了し、移動しようとしていたときだ。


空から一体の魔物が軍の前に降り立った。


その魔物から一人の種族が現れた。魔人だった!!


「500年暇してるんだよな。勇者が来たって聞いたからな。勇者誰だよ出て来い。戦うぞ。」


話し掛けられただけなのだ、特に何もしていない。だけども誰も動けなかった。


蛇に睨まれた蛙だった。ただ話しかけられて見られただけなのだが、恐怖が伝染してしまっていた。


一番最初に動いたのは、ガロさんだ。


「アマノ!前衛守備隊に五行結界全力でかけろ!いますぐーー」


ガロさんの大声に各部隊が反応した。天野は守備隊全員に五行結界。守備隊も五行結界に上乗せでシールド魔法。後衛は魔人に遠距離攻撃を仕掛けた。だが


「そんな紙の盾で防げる攻撃じゃないし、蚊みたいな攻撃で俺に通用すると思ってるのか?」


そう言って見た目は軽そうな、持っていた剣を抜き横に剣を軽く振っただけに見えたが。


迫り来る攻撃を魔人の残撃が押しのけて、さらに守備隊に襲い掛かった。そして


「え?」


守備隊が吹き飛んだ。たった一撃で前衛守備隊が崩壊した。


誰もが信じれないものを見ているようだった。


そんな中ガロさんの決断は早かった。


「アマノ!サトウコウイチ!すぐ来いーー」


「おいおい。早く勇者、出て来いよ。今いる人間族皆殺しにするぞ?くくく・・」


魔人は余裕の態度でこちらの行動を見ていた。


俺と天野がガロさんのとこに行くと、ありえない指示がだされた。


「アマノ!サトウコウイチに五行結界をかけろ。サトウコウイチ、魔人と戦い時間を稼いでくれ。お前なら攻撃を交わしながら数分持ちこたえられるはずだ。すぐに天野精鋭部隊を向かわせる。時間をかせいでくれている間に軍を撤退させる。」


「はぁー?冗談でしょ?」


守備隊が一撃で崩壊したのだ。盾戦士でもない俺が持ち超えられるはずもない。


「冗談ではない。このままでは軍は全滅する。天野では1・2回交わせても速さではあいつのほうが上だ。だが、上級騎士相手に攻撃を食らわずに戦えるお前なら攻撃を避け続けるはずだ。これはお願いではない。命令だ。やってくれるなら褒章に白銀1枚出す。できないなら、王都から追放。冒険者ギルドからも追放する。時間がない。5秒で決めろ!」


「5」


無理に決まっている、魔人は一撃で守備他を崩壊させたんだぞ。一撃でも食らったら死ぬ。


「4」


別に、王都から追放されても死ぬわけではない。


「3」


俺はこの世界の人間ではない。それに俺よりも天野のほうが強いし適任だ。


「2」


しかし、ガロさんはその天野が数回の攻撃で死ぬと見定めていた。天野が死ねば元の世界に帰れる見込みはなくなってくる。それに・・・


「1」


王都で仲良くなったみんな、キャメリアとその家族が4ヶ月前以上に生活が追い込まれていくことになるだろう。そしてそう遠くない未来、人間族は滅ぶだろう。

キャメリアの最後の言葉が頭に蘇る。”ご無事を”その声と顔を思い出す。


くそ!!!!


「わかりました!」


そこからの指示は早かった。


後衛・遊撃部隊に怪我人の輸送、救護部隊に至急連絡!


そして全軍撤退の支持!


そんな中俺は・・・


「お前が勇者か?」


「俺が勇者だ!」



ただ一人、魔人と対峙していた。


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