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2ヵ月後

あれから2ヶ月がたった。

場所は草原だ。


「4匹ご案内☆」


ルークの後ろに牙狼が追ってきている。俺らの元に走ってきてガイルの後ろに隠れる。


「おらーー」


ガイルが牙狼に挑発を行う。戦闘で攻撃してきた牙狼を盾でうまいこと”引き付けた”一匹だけ後方にいってしまった。普通ならこれは盾戦士のミスであるが、俺達の戦闘隊形はこれでいいのだ。1匹だけ俺達の”中心”に誘いこんだのだ。そして、俺が中心にきた魔物を「おらー」挑発する。こっちに”注意”を向いたことを確認したら、残り3人で”物理攻撃”を行う。仕留め終わったら、また次の一匹をと繰り返す。以前の場合は盾戦士の”後ろから”攻撃していた。現在は”囲い込んで”攻撃している。盾役がいない分危険ではないか?確かに危険ではあるがなれれば危険はなにもない。これも基本の応用をしているのだ。敵の”正面”で盾役が攻撃を引き付けている間に周りが攻撃するのだ。俺達は以前より2倍以上の攻撃を一匹に集中できる。連係もしやすい。なにより魔法士の魔力が節約できる。いいことづくめ。俺達の戦闘で2ヶ月前と大きく変わった点がいくつかある。


一つ目が戦闘隊形だ以前は盾役を前にしてその後ろから敵の隙を窺いながらの戦闘だったのを、隊形をひし形にし大多数の敵を盾役が引き付け、少数をひし形の中に入れる。中に敵を誘い込んだら別の人物が敵の注意引き付けておき残りが周りから攻撃するのだ。攻撃している人に注意が行ったら場合によるが、残りの人で攻撃するか。中心に入ったときの盾役が注意を引き付けるがこれは連係である。


二つ目はイクスがその物理攻撃に参戦していることだ。以前は離れた場所で攻撃し敵を弱らせていた。弱ったところを前衛が攻撃し仕留めている。確かに安全なやり方ではあるが、魔力には限界がある。魔法を使えば魔力は減る。魔力がなくなると次の戦闘が出来なくなるのだ。次の戦闘に行くか行かないかは魔法師の魔力しだいなのだ。現在はイクスが物理攻撃をしている。魔力を温存するためだ。これにより一日の戦闘回数が3倍以上になった。イクスが魔法師でなくなった訳ではない。魔物によって使う使わないで判断をしている。現在イクスが魔法を使うときは2種類だ。1つは魔物を誘き寄せたときに、数が多いまたは強い敵に射程に入った段階で攻撃する。もう一つは強い魔物では戦闘隊形を変えている。半囲い隊形だ。魔物の正面にガイル両サイドに俺・ルークでガイルの後ろにイクスだ。強い魔物のときはこの隊形で盾役の後ろで魔法攻撃をしている。


三つ目は魔物の”釣り”である。以前は魔物のいる場所に全員で隊列を組み移動して戦闘だ。今は安全な狩場に誘い込んで戦闘だ。戦闘隊形を危険なものに変えた分、こちらで安全に戦闘するようにした。以前は気をつけてるとはいえ、偶発的に魔物が戦闘に加わることがあったからだ。


4つ目はイクスの物理攻撃の武器は槍だ。以前まで槍は騎士の武器だった。馬上から攻撃するのに剣では戦いづらいからだ。日本でも中国でも槍は武器として使う。特に中国は有名だ。槍は中距離で戦えるのでイクスに進めた。剣よりは軽いのも利点だ。ガイルも今は攻撃に槍を使っている


5つ目は週に2日、上級騎士に勤務後に稽古をつけてもらっている。以前もこれはやっていないこともないが一般人ではあまり許可がおりなかったのだが、俺がガロさんにお願いして許可をもらった。他の三人も一緒に訓練に参加している。たまにガロさんが様子を見に来ていた。俺達が盾を使って攻撃をかわすを見て他の盾戦士達も練習したり実践でやっているみたいだ。他の騎士兵にいい刺激だったようだが、ガロさんの許可も出した。本当の理由は勇者達なのだろうが誰も戦闘後の訓練をしていない。


そんなこんなであっという間の2ヶ月がたってしまった。現在の俺のレベルは

=====================

名前:佐藤浩一

職種:一般人(異世界人)

レベル:12

力 :92

防御:92

魔力:92

速さ:92

生命:92

スキル:先読みスキル・言語理解・肉体強化

====================


天野のレベル1の能力値にもおいついていないんだすけど、どんだけ勇者チートなんだよ

王宮の人達が勇者達を優遇する気持ちが分かった気がする。



「そろそろ上がろうか」


「もういい時間だしね」


俺が言うと他の三人が同意した。この班のリーダーは俺だった。始めはルークがリーダーをやっていたが、いつのまにか俺に変わっていた。「いつの間にか俺リーダーになってない?」と聞くと「今気づいたの」と言われた。考えてみると俺がリーダーになった理由がいろいろあるのだが、現在の戦闘隊形だとか武器・戦い方のアドバイスなど、だが一番の理由は上級騎士の戦闘訓練で攻撃を食らわなくなったからだろう。他の三人はまだ手も足も出ない状況だ。だからといって俺が上級騎士相手に手が出るかと言うと手が出ない。出せない。


「魔物をしまって帰ろうか」


この世界でさらにファンタジーと思ったのが”道具袋”これはゲームで言うところの道具入れだ。見た目はリュックぐらいの袋でそんなに入らなそうだが実はスーツケース2個分は軽く入る。中で仕切って小分けにもできるので便利。これは結界魔法なのだそうだ。上級の結界魔法師は、袋の中の空間をもっと大きくできるそうで、大きさは個人によるみたいだ。結果魔法師持ち運び楽だろうなーー


魔物は素材として換金できるのが、種類として皮や鱗・特殊素材(牙・角等)・魔石である。魔石はどの魔物にも存在する。レベル上位の魔物ほど貴重で高価だ。魔石が必要なわけは魔法の補助・魔力の補充・武器や防具の素材そして魔法機械の素材として必要になる。


魔法機械は読んで字の如く。魔法で動く機械だ。王都に魔法技師がいてこの人達が作成している。勇者召喚後に王都ではこの魔法技師達が作成に意欲をもやしていた。日本での動く機械を勇者達に聞いて作成していたのだ。日本で自動車・バイク・飛行機・ロボットさまざまな動く機械がある。それを聞いて魔法技師達は作成に熱が入っている。作成するのに魔石を使うらしく。あればあるだけ魔法技師達が買っていっている。国からも作成のための予算がおりているそうだ。今のところできたのが、スクーターだ、しかも欠陥だらけのタイヤが鉄なので振動はすごいはでお尻を痛めてしまうは、乗れて一人だけで魔法消費も激しく、イクスなんかでも15分で力つきるそうだ。値段も高い白銀1枚。どんだけ金かけてんだよってな感じなのだ。自動車にも挑戦しているみたいだが、こっちは動く拷問機械にしかならなかったようだ。俺のところにも魔法技師が質問しに来たが”知らないんだ”っと言ってとぼけた。対策案はいくつかあったが教えてやる義理もないので教えなかった。


昼ごろに王宮に戻りキャメリアと食事をとり、午後からはイクスと魔法の講義に参加している。

魔法の練習・勉強をしていた。それでも15時ごろには終了する。その後は自由時間になる。訓練のある日は他の三人と上級騎士と訓練なのだが。では他の日は何をしているかと言うと。


「では今日は猟にでかけますか!」


俺はそう言うと冒険者ギルドに向かった。


「今日はどうされますか?草原の討伐依頼にしますか?」


「お願いします。牙狼5匹で。」


俺のレベルは12レベルまであがった。だが単独で5匹いっぺんに戦って勝ち目はない。


ではどうやるのか



そう狩ではなく猟なのだ。


魔物で俺は猟をしているのだ。


その前に疑問があるだろう。騎士兵は討伐した魔物は王国に報告しないといけない、午前中の他の三人との戦闘で得た魔物の素材は王国にちゃんと報告している。午前中は王国での勤務時間だ今は自由時間しかも一人。これもガロさんに許可をもらってやっている。バイトみたいなものだ。これは他の一般兵は全員やっているそうだ。ただ装備は自分で準備しないといけない。たいがいは冒険者と一緒に狩に出かけるのだろうが、俺は違う。もちろんある程度の装備はしている。


草原に向かっていく場所は対外一緒だ。


「今日はどうかな・・・・お!いる!」


草原の雑草が生い茂っている場所に目的の物があった。


鉄で出来た中くらいの檻だ。その中に牙狼が閉じ込められている。檻の奥に餌(昆虫)を生きたまま結び付けて餌を食べると扉が閉まり、天井に仕掛けてある鉄針板が落ちて来る。そうすると外に出られない仕組みだ。


この仕掛けを草原に数十箇所しかけてある。川に行き川でも漁をしていた。仕掛けはいたってシンプル

竹で出来た。入ったら抜け出せない罠だ。これは普通に使ってもあまり取れない。川では流れが途中で二つに別れているところがあり、片方が極端に川幅が狭くなっている所があった。そこを利用しちょっと工夫してさらに川幅を狭くし罠をセット。上流から川を叩きながら、罠の下流に向かって魚達を誘導、ポイントは川が分岐しているところをちゃんと罠のほうに誘導することだ。これで川の魚が何匹か獲れる。たまには海にも行って海でも魚を捕らえてきていた。


俺が猟をするようになったのは、お金と食事だ。一番大きな理由は食事だ。元の世界でも食べ歩きが趣味だったから、せめておいしい食事を食べたいのだ。とってきた食材を部屋ですぐ食べる分以外は天日干しにしたり。海からワカメをとってきたりと、俺は日々食材を増やして行った。魔石を使って冷蔵庫もどきも作った。魔石は物によるが、魔法を組み込み魔力を注ぐとその魔法が作動しつづける。魔石に冷気を弱く出し続けるよう魔法を組み込んだのだ。鉄は錆びるのではないか?鉄は錆びる、この世界にはミスリル鋼があった。これは錆びない素材だ、だがその素材で全部作る必要はない。内装部分だけでいいのだ。さらに表面に結界を貼ってもらい。冷気が出ないようにとドアを閉めたときに密閉する結界と二つ作動するようにした。魔石としては、冷気を作動させるのと密閉の結界魔法の二つでいい。これの冷気以外を魔法技師に依頼を出したら。銀板1枚で作成してくれた。何かの物入れに使うと思われた。

冷気の魔法石は講義で習っていたので。自分でやってみた。


猟で余った食材はキャメリアにあげている。最初はすごく遠慮していたが今では喜んでもって帰っている。最近では夕方俺の帰りを目をキラキラさせながらと、じゃっかん口元に涎が垂れている。


だから俺の食事はかなり豪華になった。そのことでキャメリアに迷惑もかけているが。


「コウイチ様、実はお話がありまして・・・」


「どうしたの悲しい顔して、イジメられた?俺のメイド首になった?」


キャメリアが悲しい表情だったので良くないことだろうとは思ったが。


「いえ、そんなことはないのですが。そのコウイチ様に対する・・・その・・」


「どうしたのはっきり言ってごらん」


キャメリアは言いづらそうにしていたが、”えい”と言う感じで


「コウイチ様がいい食材ばかり毎日持ってこられるので、これからコウイチ様の食事に残飯も貰えなくなりました。」


「ああ・・・そう・・・・」


こちらに来て一ヶ月ぐらいだろうかキャメリアにいきなり言われた。肉にしろ魚にしろこちらの世界の人々は毎日は食べれない。それはなぜか、供給が少ないからだ。肉にしろ魚にしろ命の危険を冒して捕ってくるのだ。安くはないのだ。穀物類は低価格だが。その他の食材は高いのだ。それを自分では食べきれない量を捕ってくる。川・海の魚介類はめったに食べれない。それもたまに捕ってくる。キャメリアに食事を作ってもらう。余った食材をキャメリアにあげていたら、休日にキャメリア家に夕食お呼ばれした。そして家族全員に大感謝された。特にキャメリアのおばあちゃんに泣いて感謝される。キャメリアはその光景を見て恥ずかしそうにしていた。


ときたまならまだしも毎日なのだ。キャメリアに食材が出ないと言われた。次の日から全部の食材を自分で準備していた。部屋が食料庫になりつつあった。


それからしばらくしてから昼食でキャメリアが言っていた。調理場で他のメイドの視線が痛いそうだ。勇者様達より食事は豪勢だし、知らない料理を作っていたりするし、それがまたいい匂いでおいしそうなのとで、肩身がせまいと言っていた。元の世界の料理をキャメリアに教えて作ってもらっているのだ。キャメリアにも大好評。『今度家で作ってみます。』と、かなり喜んでいた。嫌な思いをしていると聞いたので


「なら担当メイドやめる?」


特に意識もなく、悪気もなく聞いたのだが、


「なななな!!!絶対やめませんよ!!!死んでも食いつきますから!!」


がばっと立ち上がり、目を吊り上げて鼻息荒く”ふぅふぅ!”言ってきた。


「まあ落ち着いて!今のは冗談だから。別に俺はキャメリア以外の担当メイドをお願いするつもりはないから」


「ほんとうですよ。絶対ですよ。約束ですよ。嘘ついたら針千本飲ませますよ!!」


「わかったから、落ち着いて食事しよ。ね?」


俺は思った誰だ子供に躾で”針千本飲ます”とか言っている親は、キャメリアはよっぽど俺の担当メイドをやめたくないみたいだ。今はキャメリアで満足しているので他のメイドに変えるつもりはなかった。


夕食はキャメリアが用意した豪勢な食事を食べて。ベットで王宮図書館から借りてきた。魔法や鋼材や調合の本など読みながら。眠くなったら寝るという生活をおくっている。



ちなみに勇者達は午前は全員で草原奥での戦闘、午後は講義に行く者、ダンジョンに行く者、休憩する者で自由時間になっている(やっているレベルは断然高い)。17時くらいから風呂に入り早めに夕食を済ませたら。何人かの勇者は夜町に遊びに行っている。そこにはキャバクラのようなお店やホストクラブのようなお店、もちろん娼婦店もあり、この世界では成人14才ってことで勇者達は来店できる。勇者達の男女共に毎日誰かが夜街に行っていた。そのおかげか、2ヶ月前は夜街は人はまばらだったが、今では夜の20時ぐらいになるとそこいらのお店は客で賑わっている。

ガロさんが言った通り、勇者達が金を落とすおかげで王都では勇者経済効果で好景気だった。


そして勇者天野のレベルなのだが

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名前:天野康平

職種:勇者・聖戦士

レベル:18

力 :410

防御:410

魔力:410

速さ:410

生命:410

スキル:演唱破棄・全系統対応(闇以外)・五行結界

武器付与スキル・金剛力・レベルアップ率上昇・肉体強化

聖魔法・剣攻撃力アップ・威圧

===================


もうなんて言っていいか分かりません。能力値の上昇が俺の2倍以上ってなに?スキルも俺はやっとこさ一つなのに。もう三つも増えているし。チートなんか大嫌いだ!!!!!!








ただ思う・・・・






この世界に来ての目的を忘れてない勇者達よ?







人間族が平和に暮らせる世界にしないと帰れないんだぞ!



俺は今、こんな生活を送っている。



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