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影と光  作者: Aki
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告白

“早すぎではないか!?”

そう思うと、いやらしい妄想しか浮かばなくなる。

体がどんどん熱くなるなる。

階段の下で動かない僕に彼女は、

「圭太さん?」

僕は、何でもないその言葉に戸惑ってしまう。

「あっ、いや!大丈夫です!ぅん!ぅ〜ん…」

焦らず言葉を返そうとすればするほど、焦ってしまう。

そして、彼女は僕の考えを察したのだろうか、

「えっ?いや!そんなつもりではなくて!!!」

彼女も顔が赤くなる。

アパートの少し暗い灯りが彼女を照らす。

でも、彼女より僕の方が赤い気がする。

「あっ!そうですよね!すいません、僕…」

「いえ!私も…」

でも、正直に言えば、‘あんな展開’を期待していた。

まぁ、これは男が抱える健全なものなんだと思った。

だか、そんなことを思う僕自身とても馬鹿に見える。

「あっ、でもお部屋なんて…」

「えっ、でも、お茶いかがですか?」

「いえ!そんな滅相もないぃ!」

僕は、少し声のトーンがおかしくなった。

それを聞いた彼女は、可笑しくて笑った。

「圭太さんって、面白い方ですね。」

人に褒められる事が無い僕にとって、初めての聞いて嬉しい言葉だった。

ちょっと、恥ずかしくなった。

「あっ、いゃ、そんなぁ〜〃〃」

「あなたのおかげで生きていく事に前向きになれたんです。」

「えっ?」

「ここでは、誰かに聞かれたくないので…」

「愛さん?」

「はい?」

「その話は今度、またお部屋で聞かせてください。」

「えっ、今日じゃダメなんですか?」

彼女は、僕に訴える。

「今日聞きたいです。聞きたいですけど…」

「聞きたいけど?」

「また、あなたに…愛さんに会いたいんです。」

「えっ…〃〃」

「もう一度、ちゃんと言わせてください。」

そう言い僕は、彼女のいる二階に行く階段を登る。

階段を1段1段登るごとに、心臓の鼓動が大きくなり、体の中に響きわたる。

そして、頭の中が真っ白になっていく。

“これが、好きになるってことなのか”

と、思った。

そして、彼女の目の前で止まった。

「僕と2人で、最期に死んでくれませんか?

一緒に生きていってくれませんか? 」

そして、彼女の言葉を待つ。

どれくらいたっただろうか、

いや、一秒が異常な程に遅い。

これだけ近くにいると、赤くほてる僕の顔がよく見えるのではないか?、鼓動が聞こえるのではないか?

そんなことを思う以上に、

“彼女にとって、僕は特別なものになれるか”

という事が一番心配だった。

そして、彼女がそっと口を開け、言葉を発する。

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