僕の気持ち
僕はそのまま黙り込んでしまった。
「河内さん?」
僕は一か八か思い切って言ってみた。
僕の気持ちのままに。
「あなたは…あなたは違うと思ったんです。」
「あなたはって、どういうことですか?」
「僕は、ここ4年間色んな自殺サイトで、色んな方と話して来ました。死に方の相談とかで。でも、僕…。いざ、死のうとすると出来なくて。」
「河内さん、何がおっしゃりたいんですか?」
「簡単に言うと…まぁ、僕が言いたいのは…」
僕は、1日息を整え言った。
「あなたは、死にたくないんじゃないかって?」
彼女は、大きく目を見開いた。
「ただ、死ぬことを理由に何かから逃げているんじゃ…」
すると彼女が怒鳴った。
「うるさい!!!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」
僕は彼女を見つめる。
「あんた何言ってるのよ。あたしが死にたくないんじゃないかって?しまいには、何かから逃げているんじゃ?はぁ?あんたに、あたしの何がわかるのよ!」
そう言うと、彼女はカバンから果物ナイフを取り出した。
「ほら、みてみなさいよ。今この場で死のうと思えば死ねるのよ!」
そう言うと、彼女は果物ナイフを自らの首に当てた。
「ここを切れば...」
「あなたの事は、あなたにしかわからない。
僕が知っているあなたは、ネット上でのあなただ。」
「へー、あたしの事知らないくせに、そんな綺麗事よく言えますね?」
「僕…あなたに死んでほしくない…」
「だから!なんで、そこまであたしに言えるんですか?」
「僕は!」
彼女は、僕が声を上げた事に彼女は少し驚いた様子で、こちらを見た。
「僕には、あなたが必要なんです。ネット上では、気になる程度だったけど、今日あなたに、会って、何て言うか…頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなるんです。」
「河内さん…」
「たぶん僕、あなたが好きになりました。」