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現在
[現在]
僕は、昔のことを、このビルの上で思い出していた。
「なぁ、愛?」
僕は、上から交差点を行き交う人々を見る。
「僕らって、僕が影で君が光だった。」
僕は僕の胸に手を当てて、彼女に話しかけた。
「ねぇ?聞いてるかい、愛。」
「ここに来たら、君の近くに来れた気がするんだ。」
「それに、2人の夢だって叶う。」
[夢?]
「そう、夢。あの日の約束。」
[あー!海!]
「そう、ここから見えるんだ。沖縄の海じゃないけどね?」
[沖縄じゃなくても、圭太と見れればいいの。]
「ふっ、ホントかよ…」
僕は笑った。
[ホントよ!圭太って以外にロマンチストね]
「うるさいなぁ…」
[なんでここに来たの?海を見に来たわけじゃないでしょ?]
「なんで、そう感が冴えているのかなぁー?愛は」
[だって、圭太の家族だもん。]
「そっか…」
僕は遠くを見つめた。
「そろそろ、結婚式を挙げようよ。2人で」




