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彼女の死
僕は手術中と赤く点滅している手術室前でまった。
赤く点滅していた灯りが消え、中から出頭医が出てきた。
僕は彼の言葉が信じれなかった。
「最善を尽くしましたが、彼女は…」
僕は手術室に駆け込んだ。
看護師の方に止められるけど、それを抜け
彼女の…愛の元に走った。
そこには、何にも繋がれていない愛。
ベッドの上で、動かなくなった愛がいた。
僕はゆっくりと歩み寄る。
そして、ベッドの近くで膝から崩れた。
[あぃ?]
目を閉じ、反応しない愛。
あれから何時間たっただろう、部屋を出ると日差しがさしていた。
僕は、彼女の手術が終わってからずっと話していた。
でも、手術室に響くのは僕の声だけだった。
看護師さんが、僕に話しかけてきた。
「彼女のお名前とご年齢、住所などは?ご家族の方でしょうか?」
「…えっ?」
力なく僕は問いかけた。
「彼女の葬儀についてなんですが…」
僕はまた、崩れおち、泣け叫んだ。
僕の声は、病院内に響いた。




