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第六話:女の子にされる約束ごと。

あのことについて、柴咲鉄也しばさきてつやは後悔していた。

それは、クラスの担任の章子がいった、歩を女の子にするといったことだ。

歩は、鉄也たちのことを、口をわらなかったばかりに女の子にされたのだから。

「鉄也。あいつスゴイナ。俺たちのことをしゃべらなかったんだから」


鉄也の横の席に座っている長谷川大輔はせがわだいすけはいった。


「ホントですね。歩は、見た目とは違い、いい根性してますね」


後ろの席にいた、関口則夫せきぐちのりおがいった。


鉄也は、この脳天気な二人に、だんだん腹が立ってきた。鉄也は二人にいった。

「じゃ、オマエらが、歩の代わりになるというのか」

鉄也にいわれて、二人は黙ってしまった。



「あなたたち、もう教室に入ってもいいわよ」


章子が、ドアをあけると、恭子と志保が入ってきて、その後から歩が、はずかしそうに入ってきて、三人は教壇の前にならんだ。


章子がいったことは、本当だった。

歩は、女の子の制服を、本当に着ていたからだった。みんなが歩の姿を見て、ざわめきだすと、章子がいった。


「それでは、桜坂さん、このレポート用紙に書いてあることを、みんなにいうのよ」


歩は、章子に渡されたレポート用紙を見て、なにもいえなかった。


「はやく、いいなさい。これは、あなたがやった事への罰なのよ」


章子にいわれて、歩は、レポート用紙に書いてあることをいった。


「み、みなさん、おはようございます。昨日まで男の子だった桜坂歩は、今日から女の子になりました。みなさんは……、わたしの事を女の子として扱って、可愛がって下さい。よろしく……、お願いします」歩はいった。


「今、いったとおりに、桜坂さんを女の子として扱うように。そして、桜坂さんを女の子らしくする教育係を、前に立っている滝沢さんと、クラス委員の石川さんにします。石川さん、なにかいうことがあれば、いって下さい」


「先生のいうとおり、桜坂くんは、今日から女の子なので、桜坂さんと呼ぶようにします。でも、これだけでは、桜坂さんを女の子らしく出来ないので、わたしたち、クラスメイトが協力して桜坂さんを女の子として扱うにしなくてはいけません」

「委員長、じゃ、どうするんだよ」則夫が質問した。

「それを、今からいうことを守っていただきます。恭子さん。わたしがいった事を、黒板に書いて下さい」

「オーケー、まかして」


志保がいった事を、恭子は黒板に書いた。

それは、歩はモチロンのこと、クラス中のみんなが、志保がいった事に、驚いたのであった。それは、こんな事が書いていた。

1・桜坂歩は、女の子なので、桜坂さんと、さん付けで呼ぶこと。

2・もし、桜坂歩が、男の子みたいにしたら、「女の子なんだから、そんな事をしてはダメ」と注意をすること。

3・それでも、桜坂歩がまもれなかったら、わたし(山口志保)、滝沢恭子、先生のどちらかにいうこと。4・クラスの男子は、むやみに桜坂歩に声をかけないこと。もし、用事があるときは、クラスの女子を通して、伝えること。

5・男子は、桜坂歩が、他のクラスの子にいじめられたら、桜坂歩を守ってあげること。

6・桜坂歩は、女の子として授業を受けるので、クラスの女子は、仲間ハズレにしないこと。

7・桜坂歩は、女の子なので、重たい物を運んでいるのを見たら、男子は、代わってあげること。

8・桜坂歩が、女の子らしい事をしたのを見たら、褒めてあげること。

9・クラスの女子は、桜坂歩に、テレビ番組や、漫画などの女の子向けのものを見せて、感想を聞くこと。10・クラスみんなが、桜坂歩を、女の子にしましょう。


「では、この十の決まりのことを、みんなはまもるように。なにか質問は、ありませんか」


望月美由紀もちづきみゆきが手を挙げた。

「あのぅ、6番目のことですけど……。体育の授業の時も、桜坂さんは、わたしたちといっしょに着替えるのですか……」


「美由紀さん。それは、心配しなくてもいいわ。桜坂さんは、違うところで着替えるから」


美由紀は、ホッとした表情をした。美由紀が、質問した以外は、誰も質問しなかった。


「質問がないので、これで終わります。今日からか桜坂さんを、女の子として扱いますので、今いった10個の決まりをみんなまもること。では先生、あとはお願いします」


「ありがとう石川さん。あとは、わたしが黒板に書いたのを消すから、滝沢さんも席に着いていいから」


恭子は「はい」と返事をして席に着いた。歩も席に着こうとしたら、章子に「桜坂さん、ちょっとまって」といわれた。


「後でこれを読んでね」章子は歩に、なにか書いてある紙を渡した。


「先生、これは何ですか」

「これは、今度はあなたが女の子になるための事が、紙に書いてあるから、ちゃんと読んでね」章子はいった。


章子は歩に近寄ると、耳元で

「わかった、歩ちゃん」といった。



歩は、クラスメイトから女の子として扱いを受けるのだった。

第六話が終わりました。なぜ、桜坂歩は女の子にされる原因になった、あのこととは何でしょうか? それを含めて、歩が少しずつ女の子になるのを見てください。批評/感想をまってます。

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