表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/28

第三話:女の子としての試練。

学校につくと、歩たちは保健室にむかった。

志保が、職員室へ行って保健室のカギを取りに行っているので、歩と恭子は先に保健室に行くことにした。

「ねぇ、いったい保健室でなにをするんだよ」


「フフフ、それはね、ついてからのお楽しみよ」


恭子が楽しそうにいった。その楽しそうにしている恭子と対象的に、歩の心は、ますます不安が増えるばかりだった。


保健室についた歩と恭子は志保を待つことにした。

その間、歩と恭子は、取り留めのない話しをした。

どんなテレビ番組を見ているのか、好きなマンガはなにか、気になるタレントはいるのか、といった話しをしていた。それが、歩を女の子らしくさせることとは知るよしもなかった。


しばらくして、志保がカギをもってきた。


「ごめんね、恭子さんに歩ちゃん。ちょっと担任の先生と、歩ちゃんのことで話しをしていたのよ」


「エッ、オレのコト」

「コラッ、ダメでしょ歩ちゃん。『オレ』じゃなくて『わたし』でしょ」と恭子がいった。


「そうよ歩ちゃん。恭子さんのいうとおりよ。でも今から歩ちゃんを女の子にするから、はやく保健室にはいりましょ」といって、志保はカギのかかった保健室のドアをあけた。


保健室の中にはいると、志保はベッドの仕切りになっているカーテンをあけた。

「歩ちゃん、この中にはいって、今きている服を、全部脱いで」


「山口さん、なんで服を脱ぐの」


「そのほうが、やりやすいからよ」


「やりやすい、っていったい……」


「歩ちゃん、はやく中にはいりなさい」


志保がすこし怒った口調でいったので、しぶしぶながら、歩は中にはいってカーテンを閉めると、服を脱ぎはじめた。

歩が服を脱いでいると、志保がいきなりカーテンをあけた。

カーテンを勝手にあけられた歩は、志保に抗議をしようとした。が、いきなり、恭子に歩は怒られた。


「歩ちゃん、なんで、下着も女の子のにしないの」恭子はいった。


「いくらなんでも、下着は女の子じゃまずいでしょ」

「心配はいらないは、こんな事もあろうかと、ちゃんと下着をもってきたから。それより、脱毛テープを貼るから、足を出して」


「そこまでしなくても、いいだろう」


歩がそんな事をいうものだから、恭子はとうとう怒りだした。


「いい加減にして。はっきりいって、こんな事になったのは歩ちゃんが原因なのよ。でも歩ちゃんは、そのことをわかってないし。わたしと志保は、歩ちゃんを女の子にするように先生にいわれたのよ。だから、わたしや志保のいうことは、絶対に聞かなきゃいけないの。わかったらはやく足を出しなさい」


恭子に怒られた歩は、足を出して、脱毛テープを貼られた。そして、恭子は、テープをおもいっきり剥がした。


「イテェ、もうちょっとゆっくり剥がしたらどうなんだよ」


「ガマンして、これも女の子になる試練なのよ」


「でも歩ちゃん、他の男の子と違って、そんなにムダ毛がないから楽でいいわ」志保はうらやましいそうにいった。


「これが終わったら、下着もかえてもらうから。歩ちゃん、どの下着にする」


「どっちにしても、これらの下着を着なきゃいけないんだよな……、イテッ」


「下着は、志保が手にもっている袋にはいっているから、はやく選んでね。そしたらゆっくり剥がしてあげるから」


歩は適当に、志保がもっている右側の袋を選んだ。志保は、歩が選んだ袋の中を見ていった。


「これなら、歩ちゃんにピッタリだわ」


どうピッタリなのか、歩にはわからなかった。

だが、これだけでは済まないだろうと、歩は思った。

第三話を終わりました。批評/感想を、おねがいします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ