第35話「運命を書き換える少女」
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ロケットが砕け、すべての希望が断たれたかに見えました。
しかし、それは終わりではなく、真の力の「解放」でした。
玲奈の覚醒。そして、最強のパートナーの復活です。
「……終わりだ」
厳(No.1)が私を見下ろす。
その掌に、再び莫大なエネルギーが収束していく。
今度こそ、防ぐ手立てはない。
九条は動かない。シノも有馬も倒れている。
私の手の中には、粉々になったロケットの破片だけ。
「……ごめんなさい……お祖父ちゃん……」
私は破片を握りしめ、目を閉じた。
守れなかった。託されたのに。
その時。
『……謝らなくていいんだよ、玲奈』
「え?」
懐かしい声が聞こえた。
目を開けると、私の手の中の破片が、温かい金色の光を放っていた。
光はホログラムのように空中に投影され、一人の老人の姿を形作った。
「お、お祖父ちゃん……?」
間違いなく、大好きだったお祖父ちゃん――二階堂幸一の姿だった。
『よくここまで来たね。……辛かったろう。怖かったろう』
幻影の祖父が、私の頭を撫でる仕草をする。
『そのロケットは、ただの「鍵」じゃない。……お前を守るための「鞘」だったんだ』
「鞘……?」
『お前には、生まれつきシステムと共鳴する力があった。だから私は、その力が暴走しないよう、ロケットに封印していたんだ』
祖父が優しく微笑む。
『だが、もうその必要はない。……お前なら、正しい意志でその力を使えるはずだ』
『行け、玲奈。……運命は、お前の手の中にある』
【管理者権限】
パァァァァァッ!!
光が弾け、私の体へと吸い込まれていく。
「……ッ!」
全身に熱い奔流が駆け巡る。
視界が変わった。
真っ白だった空間に、無数の「線」と「数値」が見える。
システムを構成するすべてのコードが、手に取るように分かる。
『警告! 管理者権限によるアクセスを確認』
『セキュリティロック……解除』
どこからともなくシステム音声が響く。
「……何だ?」
厳が訝しげに眉をひそめ、収束させていたエネルギー弾を私に向けて放った。
「消えろ!」
極太のレーザーが私を襲う。
でも、怖くない。
(当たらない)
私はただ、そう「決めた」。
フッ。
直撃寸前で、レーザーの軌道が直角に曲がり、私の頬を掠めて後方の壁を貫いた。
「……何!?」
厳が目を見開く。
私はゆっくりと立ち上がった。
「……当たらないよ」
私は厳を見据えた。
「確率は、私が決めるから」
「強運」なんて曖昧なものじゃない。
0%でない限り、すべての確率を100%にする力。
これこそが、私の真の能力――『運命改変』。
【英雄の帰還】
私は倒れている九条の方へ歩み寄った。
彼はピクリとも動かない。HPバーは赤く点滅し、瀕死の状態だ。
「……九条」
私は彼の胸に手を当てた。
「起きて。……まだ終わってないよ」
(治って)
私が強く願うと、掌から金色のデータが流れ込み、九条の傷を修復していく。
『システム干渉……被験体No.9のデータを修復・最適化します』
バグっていた数値が正常に戻り、減っていたHPバーが一瞬で全回復する。
さらに、彼のリミッターとなっていた古いコードが書き換わっていく。
「……ん……」
九条の指が動いた。
彼がゆっくりと目を開ける。
「……玲奈?」
「おはよう、寝坊助」
私が微笑むと、彼は起き上がり、自分の体を見下ろした。
「……軽い」
彼は拳を握りしめた。
「傷が消えているだけじゃない。……力が、溢れてくる」
九条が私を見る。
「お前がやったのか?」
「ううん。……九条が頑張ったから、神様がご褒美をくれたんだよ」
「……ふっ、そうか」
九条が立ち上がる。
その背中から放たれる気迫は、さっきまでの比ではなかった。
【最終決戦】
「……ほう」
厳が、口元に凶悪な、しかしどこか嬉しそうな笑みを浮かべた。
「システムへの直接干渉……まさか、そこまでの領域に達するとはな」
厳が構えを取る。
「いいだろう。これなら……殺し甲斐がある」
「行くぞ、玲奈」
九条が、折れて消滅したはずの日本刀を、再び具現化させる。
今度の刀は、私の光を纏って黄金に輝いていた。
「ああ。……行こう!」
私は九条の隣に並んだ。
もう、足手まといじゃない。守られるだけの存在じゃない。
運命を操る私と、最強の刃を持つ彼。
二人なら、絶対に負けない。
「終わらせるぞ、爺さん!!」
「来いッ!!」
九条が地面を蹴る。
今度は、厳の反応速度すら凌駕する神速で。
最終決戦、第二ラウンドの開始だ。
玲奈、覚醒!
ロケットの中にあったのは、彼女自身の力を解放するトリガーでした。
「運命改変」。
それは、このゲーム世界において神にも等しい力です。
そして復活した九条。
役者は揃いました。
次回、いよいよ決着。
最強の祖父と、それを超えようとする孫たち。
その戦いの果てにあるものは?
「玲奈ちゃんチートすぎw」「これぞカタルシス!」と思っていただけたら、
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