表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

9.第二試験②

トーナメントの第二回戦、レインの相手は金髪の女性、クレア。静かで落ち着いた雰囲気を持つ彼女は、観客の間でもその名を知られていた。無口で、何を考えているのか分からないような雰囲気があり、どこか大人びた印象を与えている。


試合が始まると、レインは相手の手に持つものに驚きの表情を浮かべた。それは――「刀」だった。


「魔法学院の試験で、物理攻撃を使う者がいるとは…」レインは驚きと共に、警戒心を抱いた。魔法が中心となるこの場所で、刀を使うとは予想外だ。


クレアは無言で刀を構えると、静かに刀身を眺めながら、レインに向かって歩き始める。その歩みは穏やかで、まるで何も起こらないかのように見えた。


だが、次の瞬間、クレアは一瞬で間合いを詰めてきた。「《居合抜き》」


鋭い刃が空気を裂き、レインに向けて振り下ろされた。刃の速さは尋常ではなく、その攻撃の瞬間、レインはその危険を感じ取り、必死に反応した。


「速い…!」


レインはすぐに身を横にかわし、クレアの居合抜きを回避する。しかしその勢いは止まらず、クレアはさらに素早く動き、再度、攻撃を仕掛けてきた。


「これでは…!」


レインは身をひねり、またしても攻撃を避ける。しかしその速度に、レインはついていくのがやっとだった。居合抜きはただの技ではなく、クレアの体が放つ速さそのもので、レインにとっては本当に圧倒的な速さを誇っていた。


「弱いなら早く脱落を、しなよ」


「なんだとぉ!」

レインは冷静に考えた。「このままではいけない…」そんな思いが頭をよぎる。


そしてそのとき、レインは自分があらかじめ仕掛けておいた「光弾」の存在を思い出す。「よし…あれを使うチャンスだ!」


クレアがさらに間合いを詰めてきたその瞬間、レインはすばやく手のひらを掲げ、光弾を発動させた。まばゆい光が空間を貫き、レインの手元から飛び出した。


クレアは瞬時に反応し、その刀を振り上げて光弾に向かって切りつけた。「《居合抜き》」


音速を超える刀の一撃が、光弾と衝突する。その瞬間、衝撃が起こり、空間が揺れた。光弾と刀の激しい衝突が生じ、周囲に強い風圧を巻き起こした。


「クレア…!」レインはその光景を見つめ、心の中で冷静さを保ちながら、次の行動を考える。


だが、クレアはあまりにも速すぎて、光弾との衝突後も反応が一瞬遅れていた。その隙を突いて、レインは一歩後ろに下がり、冷静に次の戦いを準備する。


観客たちの興奮した声が響く中、試合はまだ続いていた。どちらが先に決着をつけるのか、その運命がどう転がるのか――その瞬間まで、レインもクレアも手を緩めることなく戦い続けていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作出しました! https://ncode.syosetu.com/n8707kc/ よければこちらもお読みください https://ncode.syosetu.com/n1101kc/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ