24/24
【24】交わらない世界
この世界は、ひとつである。
この世界では、自分という意識を持つ存在が生きている。
……世界は、無限だ。
世界を認識しているのは、自分自身だけではない。
同じ世界を共有する存在はあまたである。
違う世界を共有する存在もまたあまたである。
自分しか存在しないと気づくのもいいだろう。
自分以外のものしか存在していないと気付くのもいいだろう。
世界を生きていくうえで、真実は意味がない。
世界を生きている者にとって、真実は意味がない。
決して繋がることのない世界がある。
意図せず繋がってしまう世界がある。
存在はしているが、知ることのない世界がある。
存在していないのに、知ってしまう世界がある。
好奇心があれば、繋がる事が出来るのだと…。
ほんの少し指先を動かせば、繋がる事ができるのだと…。
真実を知るものは…たくさんいるという事だ。
決してつながる事のない世界を知るものがいる。
決してたどり着かない世界を知るものがいる。
この物語は、ほんの少しだけ…、余計な事を、した。
ただ……それだけに、過ぎない。