ぼんやり注意報

作者：はやはや

　私の頭の中は忙しい。

　ずーーーっと何かしら考えている。

　そういうと、めちゃくちゃ脳を有効活用しているみたいだが、私が考えているのは、

『女の幸せとは？』

　とか

『死とはどういうものか』

　とか

『明日、何時くらいにゴミ出しに行こう』

　とか

『明日の朝のパンはチーズを乗せるか、普通のトーストにするか』

　とか

　答えが出ないことや、くだらないことばかりだ。

　その考えがふと途切れ、別のことを考え始めた時に、私はポカをする。

　洗顔しようとして歯磨き粉を手のひらに出す、逆に歯ブラシに洗顔料を出す。

　いずれも直前で気づき、難を逃れた。

「あー！　一回分、無駄にした……」

　と、みみっちい後悔をする。

　他にもトイレで便座の蓋が閉まっているのに気づかず蓋の上に座る。食後の薬を飲もうと思って袋から出したのに、飲んだと思って袋に戻す。

　お風呂に入っていてシャンプーの後、もう一度シャンプーをする。コンディショナーにたどり着けても流すのを忘れ、タオルで拭きながら「何かベトベトする……はっ！　もしや流してない！」

　となったりする。

　さっき、お風呂に入ったのだが、この日はコンディショナーで、がっつり洗顔した。洗い終わってから気づいた。

　その時、頭の中に響いた言葉がある。

――ぼんやり注意報

　それが神のお告げのように、頭の中をぐるぐる回るので、安眠を得るため、ここに記録した。

　これから、ぼんやり注意報とともに生きていこうと思う。

読んでいただき、ありがとうございました！