たったそれだけ。 芸人。 作者: caem 掲載日:2023/04/13 ただなんとなく気付いた 一流ではないことに それでも良かった 嬉しかった はじめて泣いた 小さな営業だし ほんのひとにぎりの給料だろう お客さんといえば 耳のわるいお年寄りばかりだ いくら頑張っても 笑い声なんて聞こえてこない 今日も仕方がない 小銭を稼ぐので精一杯だった 「また……来てくれるかい?」 しわしわの手に掴まれた もう若手じゃあないのに 「また、来ますよ」 芸人になってから こんなに感謝されることはなかった もっと 頑張ろう