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第18話 意地悪な神様
もうこれ以上先はないと思っていた、だから絶望しつつも心穏やかにいられた。
それなのに、神様は私達に意地悪だった。
クレアの代替わりを提案する人達が現れた。
何かの偶然で異世界から紛れ込んだ人間達を、クレアの代わりにして延命しようと企てている。
とっくに諦めていた私は、だからこそその動きを見逃していた。
全ては私の知らないところで始まって、終わっていた。
「そんな」
「こんなのってあんまりだろ」
クレアの隣に据え置かれた後継の世代の人をみて、私達は嘆かずにはいられなかった。
代がわりように、次の人も異世界から攫って雇用と言う計画が立ち上がっているらしい。
あとどれだけ苦しめば、許してもらえるのだろう。
バッドエンドで終わらせてよ。
皆悪かったで良いじゃない。
この世界にハッピーエンドなんて存在しないのに、これ以上罪を重ねないでよ。
これ以上生きても、皆が歪んで行くだけ。
このまま生き続けていたら私達どうなっちゃうの?
関係のない人達を犠牲にしながら、偽りの幸せを築いていくの?