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転生子爵令嬢は弾丸の軌道を曲げたい

作者: 23すてぃん




子爵令嬢リヨン5さいには日本人だった前世の記憶がありました



貴族というより商人で、家を開けがちな入婿のお父様に対する執着はあっという間に無くなりました



リヨンはお母様が大好きでした



家は裕福で、使用人は皆優しくてリヨンは自分はとても幸せ者だと思いました




そんなある日、リヨンはネズミに指令をだして自由に操れることに気がつきました




リヨンはこれは転生特典だと大喜びしました



そして、ならあれもできるはず!と拳を握りしめたのでした


しかし、この世界の鉄砲は先込め式のマスケット銃でした…これでは満足な初速も射程距離も確保できません





ヒントを探し続けたリヨン17歳



リヨンは掌握した王都の数百万匹のネズミを外国にまで派遣して製造系チート持ちを探しましたが難航しました



お母様が病に倒れたことがありましたが、ネズミの調査力と盗み力でありとあらゆる薬を家に取り揃えていたためすぐに完治しました



住居の密閉性が日本ほど無いこの世界ではネズミは超万能な諜報員となります



お母様の薬探しの過程で偶然魔法使いを発見したリヨンは、ネズミに手紙を持たせて魔法使いを家に呼び寄せました



そして1800年代の発明である弾薬、銃身の内側に溝を掘り弾頭を回転させ飛躍的に殺傷力や制度を高めるライフリングの有用性を力説しましたが、そういうことは出来ないと怒られてしまいました



頭に来たリヨンは、暇つぶしに父親をスパイしました




気まぐれでネズミ調査力を今まで使ってこなかった父親に向けただけでしたが、彼はそこらじゅうで不倫しているクズでした

病気が治ったお母様を毒殺することも考えているようでした



父親は次の日、裏路地で何か小さい生き物に寄ってたかって齧られたようなおぞましい遺体となって発見されました



傷心のお母様を慰め母娘と使用人でまったり過ごしていたリヨンは父親が特に愛して、再婚を考えていた子連れの女がいることを知りました



子連れの女は、没落した元貴族で今はひもじい生活をしているようでした

また父の本性には全く気付いておらず、一途に父を愛していたためおぞましい死に様にショックを受けてしまったようでした




さらに悪いことは重なります

出入りの商人が口を滑らせて、お母様が父親の本性を知ってしまったのです



そして孤立無援となった1人の女性と2人の娘が居ることも、商人を問い詰めて知ってしまったのです



優しくて正義感が強く、お節介な母様は同じ男の被害者である3人を放って置けない性格でした




リヨンは渋々本来継母と義姉となるはずだった3人を子爵家の食客として保護することにしました




お金は腐るほどあるし、贅沢はしても構わないけどお母様になにかしたらあの男と同じ死体になるとリヨンは3人を脅しておきました



3人はひいぃ、と声を出してリヨンに忠誠を誓ったのでした



最初は恐る恐るな3人でしたが、いざ家に入ってみるとリヨンはお母様のことが大好きな普通の娘でした



3人に対しても今は親しみを持って接してくれます



贅沢はそれこそやりたい放題しても怒られませんでした

お母様と3人のクローゼットにはこれでもかというくらいのドレスや宝石が溢れていました



なんなら使用人達も高位貴族のような食事を使用人部屋でわいわい食べていました




実はリヨンはネズミチートを生かして17の巨大犯罪組織と、12の国家の違法事業の資金洗浄を全て任された会計士(コンサルタント)になっていたのです





裏切り者にはネズミに食い荒らされる制裁と、爆弾を背負ったネズミによる自爆攻撃が待っているのでどんな組織もリヨンとは誠意をもって契約していたのでした



強大な力の個体依存性に危機感を持った王宮が王太子との婚約を土下座して持ちかけてきたのはリヨン18歳の春でした



その後、リヨンと王太子の間に産まれた王子に無事ネズミチートは引き継がれました



お母様と小母様、お婿さんを取った長女も警備がガチガチの子爵邸で幸せに暮らしたそうです



次女は騎士団長の子息に見そめられて王宮の騎士団宿舎に住まうことになり、リヨンと比較的すぐに会えるのでお母様や後の2人に羨ましがられたそうです





リヨンが王妃になってから会計士(コンサルタント)の仕事の時よく使う偽名の一つがシンデレラ(灰かぶり)だったそうな





「いやー、自分の本当の役どころに気が付いた時にはもう結婚してたっていうね!

そりゃ曲線射撃(バレットカーブ)出来ないわ」




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