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サミリア付き侍女

          ⒊サミリア付き侍女


結局武術に挑戦したものの、三日も続かなかった。

(これが三日坊主というやつか。)

ドンッ!

またまたいきなりサミリアの部屋のドアが開いた。

「サミリア~、いいお知らせがあるよ~!」

「お・と・う・さ・ま~~、ドアはゆっくり開けて下さい。」

「さ、サミリア、反抗期かい?」

「常識です!」

サミリアの父は良い人だが、時々ムカつくらしい。

「で、なんですか?」

「サミリア付き侍女が将来妃になるのだからいるということで王から送られて来たんだよ。」

(サミリア付き侍女?そんな人「白馬の王子様と平民ちゃん」に出てきたっけ?)

「おいで~。」

「本日からサミリア様付きの侍女となるレイ・ワトソンと申します。」

(う…噓…な、なんで…)

その侍女は前世の侍女頭、ルーイと瓜二つだった。

(お、落ち着け私、ルーイがここにいるわけないじゃない。きっと、ただ似ているだけだ。)

「よ、よろしくね、レイ!」

「はい。」

(気にしない、気にしない。)

「そういえばサミリア様、この前武術に挑戦していたそうですね。」

「うん。でもレイが来て、またやる気出てきたからもう一回挑戦してみようかな。」

「そうですか。頑張って下さい。」

「……」

沈黙が続いた。

(う~ん、やっぱりこういうよく沈黙が続く所もルーイに似てるなぁ。私にとってこの沈黙は前と言っていたこと反対だけど、落ち着くんだよなぁ。)

その後サミリアはまた武術に挑戦した。

結局二日しか続かなかった。

「前より一日も増えているんだから上出来よ。」

「ていうか三日も続かなかったとか言っておきながら一日しか続いていなかったんですね。」

「普段無口なくせにそういうことはいうのねぇ。」

(こういう所も似てるんだよなぁ。)


~二日後~

「私、もう一回武術に挑戦するわ。三度目の正直ってやつよ~!」

「二度あることは三度あるとも言いますけどね。」

ピクッ!

「も、もう本当にこういう時だけ!」

(噓でしょ⁉二度あることは三度あるって、ルーイの口癖よ。私が色々挑戦する時にいつも言ってきた。あぁ、なんかルーイに会いたくなってきたな…。そしてその後にいつも…

「冗談です。頑張って下さい(冗談です。頑張って下さいって…)」

(あぁ、駄目だ、もう…)

「ルーイ‼」

サミリアがレイに抱きついた。

「えっ?私はレ…」

「ごめんなさい…わがままずっと言ってきて…そして勝手に死んで…」

レイは何か言おうとしたが、言うのを止めた。サミリアが泣き出したからだろう。

(前世では父親は国王だったからあまり会ったことがなくて、前王女だった母親は私が史上最高の王女になると言われ、自分が抜かれたと、私を妬んだ。そして周りの人たちには愛想を振りまかないといけなかった。でもルーイの前だけでは本当の自分でいられた。ルーイが大好きだった。)

「ルーイ‼ルーイ‼どこにいたの‼初めて会った日ずっと一緒って言ったじゃない‼」

そのままサミリアはしばらく泣き続けた後、泣き疲れて寝た。

(ん…あ、そっか。あのまま寝ちゃったんだった。)

「おはようございます、サミリア様。」

「う、うん。」

(良かった、いつも通りだ。)

「サミリア様、ずっと、ず~っと一緒ですからね。」

(やっぱりルーイなの!)

「ルーイ!」

「違いますサミリア様。これは私からの言葉です。ルーイさんではありません。」

そう言いレイはニコッと笑った。

「うん。そうだね!約束だよ!」

「はい!」

この日二人は強い約束をした。



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