白馬の王子様との婚約
⒉白馬の王子様との婚約
(やはり私はサミリアならしい。そして現在、五歳だそうだ。)
説明しておこう。「白馬の王子様と平民ちゃん」は、白馬の王子様のようなメルシア国の第一王子が平民の美少女と出会うことで真実の愛に気付く。だが、第一王子の婚約者、サミリアが平民の美少女をいじめて、いじめて、いじめたおして、二人を邪魔する。そして、最終的にサミリアは、婚約破棄され、怒り狂った挙句、平民の美少女を刃物で刺そうとし、第一王子がサミリアを死刑にする。そしてサミリアは死に、第一王子と平民の美少女が結ばれ、めでたしめでたし(になっちゃダメ‼)
そこでサミリアは、どうやってそれを回避するか考え中だ。
ドンッ!
いきなりサミリア(もう、名前はこう呼ぶことにします。)の部屋のドアが開いた。
「サミリア!第一王子、ホワース様との婚約が決まったぞーーーー‼」
「ウギャァ~~~~~~~‼」
「ど、どうしたんだ?嬉しくないのか?」
(ヤバイッ!つい声に出してしまった…)
「い、いえお父様。嬉しすぎたのです。」
「そうだよな。」
(よ、良かった…セーフって良くないわーーーーーーーー‼)
サミリアの父親は詳しくは知らないが、お偉いさんならしい。その縁で、婚約が決まったそうだ。
そして、今日、第一王子ホワースが顔合わせに来るらしい。
(あ~~!もう時間ない!こうなったら最終手段よ。私が生き延びるにはこれしかない!)
そして、ホワースが来た。
「こんにちはサミリア様。ご機嫌麗しいですね。私はメルシア国第一王子、ホワース・エマリアスと申します。」
(お、おう。さすが白馬の王子様だ。)
「あ、ありがとうございます。私はエドワード家の令嬢、サミリア・エドワードと申します。サミリアでいいですよ。」
「それじょぁ私もホワースで。」
「それではホワース様、一つお願いしたいことがあります。その…あの…」
(いうのよ、私!)
「この婚約、なかったことにしてくれませんか。」
これが最終手段というやつらしい。
「………」
沈黙が続いた。
(私、地味に沈黙ってトラウマなんだよなぁ。あの時沈黙に耐えられなくなって、鬼ごっこ始めてこんなことになっちゃったから……。)
「サミリア様、」
(おっ、やっと喋ってくれた。)
「わたしのことがそんなに嫌いなんですか?」
ホワースが涙目で言った。
「い、いやそういうわけではないないんです。」
「冗談だったってことですね。びっくりしました。それではこれから仲良くしていきましょうね。」
「は、はいー。」
そうして、サミリアは、ホワースとの婚約と同時に、自分の死へと一歩近づいたのだった。
(はぁ、私、涙目とかそういうの苦手なんだよねぇ。どうしたら、死なないで済むんだろう。もういっそ、武術の腕を磨いて、殺されないようにしようかな。それじゃぁ、明日から挑戦!)
そう強く決心したサミリアは今日は寝た。