表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/113

92.全員行けます!

 私はまず、全ての日記を探すついでに散らかった書類を元に戻す。


「……たぶんこれで全部かな」


これ、持ち帰って読みたいな。……よし! 


 私はフーリン様が来ていることを確認し、交渉する。


「フーリン様、リリー、こちら持ち帰っても良いですか?」

「あまり仕事の類を持ち帰るのはよくないですが」


フーリン様とリリーはぱらぱらと内容を確認している。


「大丈夫ですよ、個人的なものだと思われますので」

「こちらも問題ないですけど、その、マードリアはこういうのがある場合は忘れないようにしてください」

「大丈夫です! ないので!」

「そうですか。どうぞ。家で読んでください」

「もちろんです!」


やったー! 続きが読める!


「あ、そうだフーリン様、昨日決まったことなのですが、今度みんなの予定が合う時に海に行こうと話したのです。アイリーン様の別邸がありますし」

「海ですか、良いですね」


フーリン様はしばらくすると、笑顔が強張った。


「あの、もしかしてカーター様も?」

「誘わないと拗ねてしまうので」

「安心してくださいフーリン皇子様。兄上もいらっしゃるので」


いつの間にかアイリーン様が背後に立っていた。心臓に悪い。


「アイリーン様、おはようございます」

「おはよう。父上からの許可もいただいたから、あとは日程を決めるだけよ」

「良かったです! ダミアも行けるって?」

「予定空けとくそうです」

「なら良かった。昨日お兄様に予定聞いてきたから、これを参考にみんなで予定を決めよう」

「それもいいですけど、まずは仕事をしないといけませんよ、マードリア」

「あ、はい」


私は部屋に戻り、まず書類を分けて、それぞれの役職の人に渡し、私がやらないといけない分を進める。


「コリー王子様、男子生徒の予算書が挟まっていたので渡しときますね」

「ありがとうマード」

「ちなみに、ここの制服代のところですが、計算が間違えていると思います。女子生徒の数字と全く同じなので、手が空いた時に修正したほうが良いですよ。来年度の予算に響きますので。もし確認が必要でありましたら、アイリーン様に女子生徒の分を渡してありますので」

「マードも来て」

「あ、いえ、私も仕事が」

「姉上、マードがいた方が機嫌良い」


むしろ機嫌が悪くなるような……。いや、まあいいや。


「姉上、この予算書の女子生徒の見せて」

「構わないけれど、どうしてマードリアも一緒なのよ」

「姉上、マードがいた方が機嫌良い」


あーあ、またど直球で。


「私、機嫌を取らないとまずい悪魔か何かでも?」


あ、やばい、コリー王子様このままじゃ地雷踏みそう。


「まあまあ、アイリーン様。それよりも予算書の方よろしくお願いします。おそらく先輩方が間違えてしまったと思われるので」

「トレット先輩、一人で私とコーリーを見ながら自分の仕事もやっていたものね。はい、すぐ返しなさいよ。まだ終わっていないのだから」

「分かった」

「それでは、私はこれで失礼します」


 仕事もあらかた終わったので、帰る準備をする。


「あ、予定」


あぶな、忘れるところだった。


「フーリン様」

「マードリア、仕事終わったのですか?」

「はい。その、予定なのですが」

「そうでしたね、予定表渡しておきます。決まったら水晶で教えてください」

「え、私がフーリン様の予定見てもいいのですか?」

「大丈夫です。さっき書いたやつですから」

「流石です」


フーリン様の予定をもらったので、他の人の予定も回収しに行く。


「私とダミアは生徒組織がない日は空いてます」

「これ予定よ」

「姉上と兄上が空いてる日は大丈夫」


全員分の予定も回収できたので、今度こそ帰る。

 ……と、思ったのだが、もう一つ聞くことがあった。


「あの、フーリン様、鉛筆に適した紙ってありますか?」

「鉛筆ですか? そうですね……」


フーリン様も悩んでいるようだ。


「マードリア様がおっしゃっているのは薄紙のことですか?」

「薄紙?」

「ギルドや商人は重宝している紙です。鉛筆に書いたものを消筆で消せるので。あまりマードリア様達には馴染みのないものですので、存じ上げないのも仕方ないかと」


たしかに、貴族は何かしら間違ったらわざわざ一から書き直さないとだし。リリーがいてくれて良かったよ。


「そうなんだ、ありがとうリリー。助かったよ! それじゃあ今度こそ帰るね。また今度会おうね!」

コーリーとダミアが半年以上出なかったのって、話の都合上というより投稿サボっていたからなんですよね。いやほんと、二人には申し訳ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ