表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/113

78.漫画、作ります!

 もうすぐ夏休みということで、生徒組織のみんなはバタバタしている。特に私は。


「マードリア! この資料も!」

「なんでまとまっていないんですか! いつも直前になってようやくやり始めるんですから!」

「ごめん、舐めてた。こんなに忙しいなんて思わなかったんだよ!」

「一体何してたんですか!」

「遊んでた!」


清々しい笑顔でそう言い放つカロン先輩を見て、少しでもこうなることを予想できなかった私を恨んだ。


「や、やっと終わった……」

「残りは明日やろう。そうすれば夏休みに間に合う……」

「やっぱり私もやるんですか」

「一心同体だよ」

「嫌ですよ。はあ、帰りますね」

「お疲れ様〜」

「お疲れ様です」


 部屋を出ると灯りが消えており、他の人は全員帰った事が分かる。


「この調子じゃ廊下も暗いだろうな。嫌だなぁ」


重い気持ちでドアを開けると、ぼんやりと人影が目の端に映った。恐る恐る見てみると、まごう事なき人影が床に座っていた。


「ひぃや!」


と、思わず変な声が出た。


「ん、んん? あ、終わった?」


聞き馴染みのある声が聞こえたので、目を凝らして見ると、ガーラがあくびしながらゆっくり立ち上がっていた。


「な、何してんの?」


正体が分かった今でもまだ心臓がバクバク鳴ってる。


「実は頼みがあって。二人の時じゃないと言えないし」

「分かった。帰りながら聞く」


 ようやく落ち着いてきたので、改めて話を聞く。


「それで、頼みって?」

「夏休み明けて少しするとチコの誕生日があるじゃん」

「うん」

「そこでさ、漫画を贈ろうと思うんだ。でも流石にパッドもタブもないこの世界、一人で描くのきついし、協力を要請しようかと」

「漫画か〜、そういえば前言ってたね。でも、時間厳しくない?」

「同人誌くらいの分量で、既存の小説を漫画化するならなんとか間に合わない?」

「うーん、まあ、なんとか? 夏休み潰す覚悟なら」

「大丈夫。それにもうデザイン案とかは出来てるし」

「じゃあ、もう何を漫画にするか決めてるの?」

「うん」


生徒組織の仕事も夏休みの宿題もあるけど、まあ、ガーラを家に泊めて、毎日描くようなら平気かな? ペン入れくらいならジェリーに頼れるだろうし。


「よし、やろう! でも、夏休み中は我が家に泊まって描かないと無理だよ」

「平気だよ。ちゃんと分かっている。ただ、何日かボクも出かける予定があるから、その時はなんとかしてほしい。ほら、距離とかあるし」


ガーラ、そのことも目に入れていたのか。


「分かった分かった。馬車出してもらうから」


ガーラはあからさまにガッツポーズした。そりゃ家からの移動距離が無くなったから嬉しいだろうが、少しは隠す努力せい!


「でも、宿題はちゃんとやらないとね。去年みたいにはできないよ。我が家にはお兄様がいるし」

「うわ、そうじゃん。……まあ、お兄さんがみてくれるならいいや。すぐ終わるし」

「去年みたいにはいかないと思うよ。お兄様生徒会入ってるし」

「え、なに? 大学に生徒会なんてあんの? なにそれ」

「仕方ないよ。貴族が相手なんだから、教授だけじゃどうにもできないことがある。そういう時に学生が入り込めば、子ども同士の揉め事に収めることができるから必要なんだよ。大抵そういうのに選ばれるのは地位の高い生徒だしね。院にいけばそういうのは無くなるけど」

「相変わらず貴族社会は面倒くさい」

「平民も大変そうだけどね。じゃ、私はこれで。今度正式に進めよう」

「うん、じゃあまた」

やっとこの話書けた。前作からずっと考えてたこの話がやっと書けた!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ