5.いつもの私達です!
クラスが張り出されているところに行ったが、来るのが遅かったせいか既に人だかりができていた。
「ありゃりゃ、人多いな〜。マードリア見てきてよ」
「なんで私⁉︎」
「マードリアなら道行く人誑かしていけば開くじゃん」
「できるわけないでしょ!」
ガーラは意地悪く笑う。本当にもう!
「ガーラこそ背低いんだから人混みの隙間通っていけるでしょ」
「残念ながら、ボクはこの通りしがみついてるチコの世話をしないといけないので」
あーあまり他者と接する事がなかったからチコが人見知りなのすっかり忘れてた。
「仕方ないな〜。その代わりちょっとは支えてよ」
出てきて、ラミス。
光の粒子がまとまって、人の形を作っていった。
「あっ」
足の力が一瞬抜けてしまった。
そこをアイリーン様とリリーが支えてくれた。
「ありがとうございます」
「大丈夫ですか?」
「はい」
「なら良かったわ」
しっかりと立ってラミスを見る。
「それで、なんとなく分かっているけれど一応用件を聞くわ」
「私達のクラスを確認してきてほしいです」
「そんなことだろうと思ったわよ」
ラミスはため息をつくとゆっくりと張り出されている紙に近づいていく。
「あたしそんなくだらない事で精霊呼び出す人初めて見た」
「誰も見に行かないからでしょ」
「あの、今さら言うのは遅いと思いますが、私が行ってもよかったんじゃないですか?」
「いや、レンちゃんはだめ」
レンちゃんはガーラと違って人の間に無理矢理割り込む図太い神経とかないだろうし、逆に潰されて身動き取れなさそうだから。
「ボク今なんか失礼な事を思われた気がする」
「気のせいだよ」
そんな風に過ごしていると、ラミスがふよふよと戻ってきた。
私達は教えてもらったクラスに向かう。
ただ──
「あなた達ってほんと、一部除いて性格によらずってやつよね」
と言った事は許さない。絶対私を含んでる言い方だし。
「気にしなくていいよマードリア。馬鹿そうなのに勉強できる方が勉強できそうなのに馬鹿な奴よりましじゃん!」
あんたにだけは言われたくないと思った。
「ガーラ、あなたが言うことじゃないわよ」
「そうだよガーラ。あたしみたいに中も外も聡明にならないと」
「あなたも違うわよチコ」
バッサリと言ってくれるアイリーン様には気持ち良さしかない。
だけどチコは不服そうだ。
「アイリーン様だって、一言言うだけなのにずっと躊躇っていたじゃないですか」
「そ、それとこれとは別でしょう‼︎」
「えーそうですかな〜」
チコって何気にすごいなとこういう時よく思う。
「あの、マードリア様、アイリーン様どうかなさったのですか?」
レンちゃんは知らないみたいだし、人の告白は勝手に伝えていいものじゃないから知らないフリしとこう。
「さあ、なんだろうね。まあ、あの二人はちょくちょくああいうのあるから」
「そうなんですか、意外ですね」
レンちゃんは物珍しそうに二人を眺めている。
リリーは私にこっそり耳元で
「あの、今のって本当ですか?」
と聞いてきたので
「本当だよ」
と返しておいた。
リリーはまた二人を見るとクスッと笑った。
「なんだか不思議ですね」
あ、可愛い。
「何マードリア、リリーに惚れちゃった?」
「ただ可愛いなって思っただけだよ」
「へっ……?」
リリーは変な声を出すと頬を染める。
なるほど、これも私が好きであるが故なのか? それともただ照れてるだけなのか?
「ガーラ」
「何?」
「可愛い」
「……え、何、怖いんだけど」
ガーラは本気で引いた顔をした。正直傷つく。
「実験だよ実験」
「マードリア様、その実験は正直私にも飛び火がくるので控えてほしいです」
意外なところで犠牲者を出してしまった。
赤らんだ顔を手で隠す様子は美しさも纏っている。
やっぱずるいわ、主人公。
「ガーラちゃんは可愛いですよ?」
聞こえていたらしいレンちゃんがはてなマークを浮かべて意見を述べた。
「なんだろう、マードリアに言われるより嬉しいし素直に受け取れてしまう」
失礼だなと思ってしまうが、同意せざるをえないのも悔しい。
ラミスの説明は後程設定に掲載しておきます。
ノワールも入れておきます。
本日中には入れておく予定です。