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3.始業式です!

 なんとか鐘が鳴る前に講堂に入ることができた。


「セーフ」

「危なかったですね」

「マードリア様、もう下ろしていただいて結構ですよ」

「うん、そうだね。ごめんねレンちゃん」

「いえ、ありがとうございました」


頭を下げられると何故か撫でたくなっちゃうんだよね。レンちゃんだからかな?


「セーフ!」

「危なかった〜」

「本来ならば余裕を持って来るべきよ」


三人もなんとかついたみたいでよかった。


「ほらほらそこの六人組、もうすぐ始まるからさっさと座れ」

『はい』


本当に間に合ってよかった。危うくさっき側にいたエンス先生から、ありがたくない叱責が飛んでくるところだった。


 先生方の挨拶が終わると、入れ替わりでビケット王子様が教壇に立つ。

ビケット王子様は一礼すると、一歩前に出る。


「おはようございます。新たに生徒組織会長となりました、ビケット・ドルチエ・ミークと申します。

ご入学いただきました一年生の皆様には心よりお祝い申し上げます。

二年生へと進級いたしました皆様はこれから新たな試みが増えるでしょう。そして、その一つが部活動になると思います。三年生や、部活動の種類によっては異性との交友関係が広げられる貴重な時間となります。ぜひとも参加していただければと思います。

三年生の皆様は最後の学園生活を悔いのないよう思う存分、羽目を外さない程度に楽しんでいただければと思います。──」


ああ、まともだ。なんてまともな挨拶なんだ。去年のお兄様なんて二年、三年へ送る言葉なんてすっ飛ばして、ひたすら私の事について語っていたのだから。

こんなまともな挨拶が聞ける、それがこんなにも嬉しいことだなんて思わなかったよ。


こうして、素晴らしいビケット王子様の挨拶が終わると、新入生代表の挨拶となった。

そして、私はその教壇に立つ少女に対して目を疑うことになる。


「新入生代表のノワールなの!」

「…………は?」


そこには確かにあの洞窟で出会った、ライトグリーンの短かい髪と目を持つ、ノワールそっくりな少女がいた。

全く理解が追いつかず、私は静かにパニックになっている。

そして、そのまま何も理解を得られないままノワールは教壇から降りてしまった。

そして流れるように式は終わり、いつの間にか講堂から退出していた。


 本当に一体なんだったのか? 偶然? でもあんな奇跡相当ないと思うし、ノワールがつけてたリボン、あれ絶対私があげたやつ。

もしどこから会えたら聞いてみようかな? 

……いや、まずはラミスに聞いてみよう。その方がもし違った時、いきなり他人に話しかける変な人って扱いはされなさそうだし。うん、そうしよう!

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