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39.借り物競争です!

 一戦目が終わり、今は二戦目の準備に入っている。

二戦目では審判がカロン先輩からショコラ先輩に交代となる。


「それじゃあ行ってくるね」

「マードリア様、頑張ってください!」

「緑チーム負けてるから頼んだよ!」

「任せなさい! 頑張ってくるね!」


私は二戦目の待機場所に移動する。


「あ、マードリア様ではないですか⁉︎」


紫のワッペンをつけたメイールが話しかけてきた。

ちなみに私は緑のワッペンをしている。


「あ、メイールじゃん。メイールも借り物なの?」

「はい! 魔法を使うのが苦手っていうのと、ただ単純に面白そうだったので」

「ねー面白そうだよね。今回のお題は全部生徒に書いてもらったから、もしかしたら難しいお題があるかもよ」

「それは困ります! 紫チーム今最下位なので」

「緑チームも結構負けてるんだよね。お互い頑張ろう!」

「はい、頑張りましょう!」


 二戦目の開始の合図が鳴り、私達は全力じゃない程度に走り始める。


一番手近にある紙を取った。だって、手近なのって簡単なものばかりだと思っていたから。


・好きな人

・あなたのことが好きな人


…………は⁉︎ いや、いやいやいや! 確かにこのお題はお約束ですけど! まさか自分に当たるとは思ってないよ! これ誰⁉︎ 誰がっ……


──それは、放課後の生徒組織室の出来事であった。


『ねえねえマードリアちゃん』

『どうしましたかショコラ先輩?』

『好きな人だけだと被るかもしれないから、あなたのことが好きな人を入れるのどう思う〜?』

『いいんじゃないですか?』

『いいよね!』


──あの時だーー‼︎ くそ〜ショコラ先輩恨むからね!


とりあえず、私のことが好きな人はともかく、私が好きな人、好きな人……。うん、いない。

どうしよう、こういう時はどう切り抜ければいいのかな? ガーラなら上手そうだけど。……ガーラなら、多分そうだよね? うん、一か八かやってみよう。


 私は赤組の男子生徒席に向かう。


「あの、コリー王子様!」

「どうしたのマード? 僕必要?」

「はい。あと、二つ確認ですが、私のことまだ好きですか?」

「うん、愛してる」


この王子はなんともまあ平然とそんな事を。


「えと、ありがとうございます。あともう一つ、私の事が好きだとバレても構いませんか?」

「うん、いいよ」

「なら一緒にきてください」

「うん」


コリー王子様は私の側まで来ると手を握った。


「行こう」

「はい」


コリー王子様は嬉しそうにしているが、私としてはこの後大丈夫かなと思ってしまう。


 やはりと言うべきか、お兄様は笑顔を作って殺意を漏れ出している。


「リアから手を離しなさい」

「…………」

「リアから手を離してあげなさい」


お兄様がそう言うと、コリー王子様はさらに握る力を強めた。


「お、お兄様、それよりも一緒に来ていただけませんか? あの、手ならこちらが残っております」


お兄様は自分の中の何かと戦っているのか、微妙な顔をしている。


「お兄様、私からのお願いです。私、久しぶりにお兄様と手を繋ぎたいです」


先程までの微妙な顔はどこへ行ったのやら、ほんの少し甘えた口調で言うとすぐ落ちた。

うん、ちょろい。


「リアのお願いの為だからね〜。お願いされていないのに手を繋いでる人とは違うよね」


お兄様は指を絡めて手を繋ぐ。

お兄様の勝ち誇った顔を見せられて、コリー王子様はムッとした。


「僕はリアの婚約者になれる」

「一度振られたではないですか。諦めてください。たとえリアが良かったとしても、僕とお父様は決して許したりしませんので。それに、僕達は契りを交わさずとも血の繋がった兄妹なのです。この血が流れている限り、僕とリアの運命の赤い糸は決して切れない」


ちょっとお兄様やばい気がしてきた。これ以上の失言させてしまうと今まで培ってきたお兄様の印象がさらに悪くなってしまう!


「お兄様、コリー王子様、早くゴールしましょう!」


私は出来る限り力を入れて二人を審査員であるショコラ先輩の元に引っ張っていく。


「緑チームがイケメンを二人も連れて到着しました。さて、お題が気になるところですね」


私はショコラ先輩に紙を渡す。

お題を見るなり少々ニヤけ……いや、かなりニヤけている。


「お題は好きな人とあなたのことが好きな人です! 大当たりを引いてくれました! さてさて、どっちがどっちなんですか〜?」


すっごい見られている。なんとも言えぬ圧が二方向から、キラキラした眼差しが正面から。


「えっと」


魔イクのせいで声が学園全体に響き渡る。あーもう、これ結構恥ずかしい。本当に恥ずかしい。


「えっと、私の右に立っているのが私の大好きなお兄様で、左に立っているのが私のことが好きなコーリー・ミーク第二王子様です」


思った以上に声が出なかった。お兄様は目を輝かせながら喜んでいる。


「リアー! 僕もリアのこと世界で一番大好きだよ!」


知っていますよ。


「はい、緑チーム七位でゴールです!」


やっと終わって安心した。だけど、ショコラ先輩にすれ違い様にこう言われた。


「別にどちらか一人でも良かったんだよマードリアちゃん」


……それ早く言ってよ!


「ルールはしっかり見ようね」


自業自得でした! ショコラ先輩ごめんなさい!

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