35.やっと会えました
レンちゃんの塗ってくれた薬草のおかげで、この数日で足は元通りとなった。
怪我をしたことがバレた時は二人に怒られたけど。
アイリーン様に怒られるのはともかく、まさかリリーに怒られるのがあそこまで怖いだなんて思わなかった。
その時の事を思い出して溜息をつくと、頭を軽く叩かれた。
「もう過ぎた事なんだから気にしない。ほら、早く行くよ。色別で集まる場所違うみたいだし」
「そうだね。レンちゃん準備できた?」
「はい、大丈夫です。行きましょう」
部屋に入ると学年、男女混合のせいか、かなり多くの生徒がいた。
「こうして見ると生徒ってかなり多いいんだね」
「でもいうてだと思う。そもそも魔力を持っている人しか入れないから、学年全体の人数はここにいる人数から考えて前世と同じか少し多いくらいじゃない?」
「──前世とはなんですか?」
「あ、いやいや違うよ。ガーラは前世じゃなくて、ぜ、ぜん、前戦にでる戦士と同じくらいって言おうとしたんだよ。ね、ね!」
「え、あ、う、うん」
「そ、そうですか」
レンちゃんの顔を見る限り上手く誤魔化せたとは思えないけど、なんとか乗り切れたとは思う。
「あー!」
そんな大声が後方ですると、瞬時に私の背中に重みを感じた。
「マードリアなの! やっと会えたの〜。マードリアに会えて嬉しいの」
そんな嬉々とした声が耳元でする。
「えーっと、ノワール?」
「そうなの! ノワールなの!」
二人はポカンと私達を眺めている。
「ノワール、とりあえず降りてもらってもいい?」
「いいの!」
そして背中が軽くなり、私は体の向きを変えた。
「久しぶり、ノワール」
「久しぶりなの!」
ノワールはそう言うと私に抱きついてきた。
「あの、マードリア様、その方が……」
「うん、そうだよ」
「え、なに? ボクだけついていけてないんだけど」
「お前マードリアと同じ匂いがするの。同類なの」
ノワールはガーラを指してそう言った。
ガーラはお前と呼ばれたのと、指で差されたのが気に食わないのか、顔を少し厳かにしていつもより低めの声を出した。
「なに? すっごく失礼な気がするんだけど。意味も分からないし。誰でもいいから説明して」
「ノワールはすごい精霊なの! お前はマードリアと同じ匂いがするから、生まれが同じはずなの」
「マードリア、後ででいいから詳しく聞かせて」
ガーラもなんとなく察したのだろう。
「うん」
「あの、マードリア様、調査はよろしいのでしょうか?」
「あ、そうだ。ねえノワール、どうして洞窟の外に出られたの?」
「ノワールもよく分からないの。だけど、たぶんマードリアのリボンが関係していると思うの」
「リボン?」
「リボンなの」
うーん、よく分からない。どうせならラミスにも同席してもらって改めて話し合いたい。
「ねえノワール、私だけだとちょっとあれだから、また今度ラミスを交えて話したいんだけど」
「別にいいの」
「それじゃあ運動祭が終わった週の休みの日、許可証を発行して渡すから私達の部屋に来て。レンちゃん、いい?」
「構いませんよ」
「許しをもらったのなら行くの。ノワールももっとよく知りたいの」
「うん、よろしく」
一旦ノワールとの約束は取り付けられたので、私は心置きなく種目決めができた。
リリーのお怒りシーン書きたいな。
忙しくて本編進められない時に五百文字くらいで書こうかな。蛇足として




