23.調査です!
あれから二人で協力して資料片付けが終わらせたので、今日は許可を取ったらノワールの調査だ。
「ごめんねレンちゃん」
「いえ、マードリア様のお役に立てて嬉しいです」
昨日カロン先輩に
『そうだマードリア、調査するなら誰でもいいから一人つけろよ』
と、言われたのだ。
「ありがとう。とりあえずエンス先生のところに行こう」
「そうですね。それとマードリア様、教員室はこちらですよ」
「え? あ、ごめんありがとう。教員室って中々行く機会ないからさ」
「そうですよね」
こうして教員室についた私達はエンス先生を呼び出した。
「そういう事ならいいぞ。ちゃんと会長にも許可取れよ」
「ありがとうございます」
エンス先生は許可証を発行してサインをすると、私とレンちゃんに渡した。
「次はビケット王子様だね」
「はい」
ビケット王子様は生徒組織室にいた。
「カロンから話は聞いてる。用意してあるから少し待ってくれ。レンさんのも今作る」
ビケット王子様は許可証を一枚私に渡すと、レンちゃんの許可証を作り始めた。
「お仕事はどうですか、フーリン様?」
「中々に重要な仕事ですが、やりがいを感じますよ。マードリアこそ、早速一人で仕事をしているから凄いですよ。ストルさんも、関係ないのにマードリアに付き合って下さってありがとうございます。お優しいんですね」
「い、いえ、マードリア様はいつも私を助けてくださいますから、こんな時ぐらいは私もマードリア様のお役に立ちたいのです」
なんていい子なんだ。私、レンちゃんのペアでいいのかな? なんか私が駄目人間に思えてきた。
「ストルさんみたいな方がペアでマードリアは幸せ者ですね」
「はい、ペアがレンちゃんで良かったと思います」
レンちゃんは二人から褒められて、照れ臭そうに顔を赤くして俯いた。
「待たせてごめん。これ、レンさんの許可証。二人とも本当に悪いな。あとマードリア」
「なんでしょうか?」
「カロンは言わないと仕事をゆっくりしたり、後回ししたりするから、先輩だからと遠慮せずにしっかり言えよ。
昨日二人でやった資料の片付けも、本来はマードリアはやらなくて済んだんだ。
カロンにマードリアが来るまでにやっておけって言ってたからな。だから、しっかり頼むぞマードリア」
「は、はい」
あの性格ならなんとなく納得してしまう私がいる。
「それじゃあ二人とも、よろしく」
「「はい、失礼します」」
私達は一礼した後部屋を出て行った。
「あっ」
「どうしたのレンちゃん?」
「ビケット第一王子様がメモもくださいました」
レンちゃんから受け取ったメモを読むと、訪ねるべき場所をいくつか記してくれていた。
「さすがビケット王子様」




