表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/113

20.精霊と契約精霊の違い

 私はノートをレポート用紙を持って寮に帰る。


「ただいま〜。ってあれ? レンちゃん?」


出かけたのかな?

あ、そうだ!


「マードリア、いくら負担が軽くなったからって、しょっちゅう私を出し入れしているとまた倒れるわよ」

「気をつけるよ。それでラミス、聞きたいことがあるんだけど」

「課題なら手伝わないわよ。自分の力でやりなさい」

「ちっがうよ! それに私手伝ってもらった事ないもん」

「それもそうね」


ラミスは小悪魔的笑顔を見せる。


「もぉ〜」

「それで、何を聞きたいの?」

「あのさ、精霊ってあの洞窟から出て、人間みたいに肉体を手に入れて魔法を使ったりできるの?」

「出来るわけないわ。それだと精霊が人間と契約する意味が無くなるもの」

「そうだよね。うん、だよね」

「いきなりどうしたのよ、そんなこと聞いて」

「あーいやー新入生代表でノワールって名乗るノワールそっくりな子がいたからさ、まさかねって思って」

「そう、ノワール様が……ええっ⁉︎」


ラミスは目が飛び出しそうなくらい驚いている。


「それ、本当? 嘘ついてるとか無しよ!」

「ほんとほんと。私もすごく驚いた」

「マードリア、もし本当にノワール様なら結構まずいわよ」


ラミスは険しい顔した。


「例えば?」

「精霊の力、つまり魔法をノワール様はなんの制限もなく、本来の強さをそのまま発揮出来てしまう」

「人間が出す力とは違うの?」

「ええ、力の差がかなりあるわ。難しいから詳しくは説明出来ないのだけど、人間が出す場合、中にいる精霊がまずある程度の魔力をあらかじめ渡すの。それが分散して全身を駆け巡って、回復魔法なら治療部位に分散した魔力を消費する。身体強化も同じね。ただ、魔力を魔法として外に出す場合も、近くの魔力が集合体となって外に出るの。だけど、ノワール様だと」 

「魔力が分散しない」

「そう。ものすごく簡単にいうと、同じ量の塩でも、そのまま食べるか、塩水として飲むかの違いなの。もちろん、塩水があなたたちの魔力よ」


すっごい分かりやすい例え。最初からそれを出してくれたら良かったじゃん。


「ねえ、もし精霊と人間が戦った場合って、宿したのが最上位精霊でも下級の精霊と戦うのって難しい?」

「良いこと聞くわね。そうね、正直最上位精霊と上位精霊には負けるわ」

「なら中位は?」


ラミスはほんの少し顔を顰めた。


「正直判断が難しいわ。これはもう戦い方の話になってくるの。ただ、上位精霊に近い中位精霊は、よほどその人間の戦い方が優れてない限り負けるわ。下位精霊に近い中位精霊なら、その精霊の立ち回りが上手くない限り勝てるわ。そうね、だから最上位精霊でも、互角に戦えるのは中位精霊ね」


もしあの子が本当にノワールだとしたら、直ちに帰すべきなんだろうけど、たぶん無理だと思う。

この学園に入学したという事は、それなりの準備をしているはずだし。

次の生徒会の時に情報を手に入れないと。そのために書記になったんだし。


「ありがとうラミス。私なりに上手くやってみるよ。ただ、ラミスに手伝って欲しい時は協力してほしい」

「もちろんよ」


そして、ラミスは私の体に入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ