新たな扉を見つけたり
数日にわたって整理したことで、ゴミ箱などと例えたことを全力で謝らなければならないほど、サラのアイテムボックスの中はきれいになっていた。
まあ自分が掃除したんだけど。
とはいえ掃除と言っても大したことはしていない。
サラの持ち物だけあってどれも丁寧に扱われていた上に、アイテムボックスの中に放置されていたことでホコリや虫食い、劣化などとは程遠い状態であった。
そのため物を移動させて整理すれば自然ときれいになった。それでも数日の時間を要したのは物が多すぎたからである。
……いや、それも適切な表現ではない。
正確には安易に触るのを躊躇うようなものが多すぎたからだ。
最初に見つけたのは、なんと抜き身のナイフだった。マジで何考えてんだ。
確かに、アイテムボックスの中に人が入って掃除することがある、などと夢にも思わなかったのだろう。
だがそれ以前の問題で、単純に危ないだろう。空間内部が見えないならばなおさらだ。
間違って刃を掴んでしまったらそれだけでけがをすることなど目に見えている。
彼女にはよく危機管理能力を持つように言われているが、人に言っている場合ではないだろうと思えてきた。
しかし、早い段階で見つけられてよかった。荷物の山を解体するのに慎重になれたのだから。
そして慎重になったことは間違いではなかった。
数々の刀剣(さすがに鞘に納まっていた)や大量の火薬らしきもの、魔女が錬成したような禍々しい液体(?)の入った大鍋、血がべったりと付いたローブなど、いろいろな意味で触りたくないものがそこら中にあった。
もう一度言わせてほしい。マジで何考えてんだ。
愛着どうこうといった意味でアイテムボックスに残したのではなく、サラも捨てるのが怖かっただけではないかと思えてきた。
サラが怯える姿を想像できるかどうかは置いておくが。
いくつかの危険物は真面目にサラを問い詰めようとは思うが、それはともかく整理は完了した。
完了したのだが、一つ問題が起きた。
「……なんだ?これ。」
アイテムボックスの中の掃除が終盤に差し掛かったころ、床から謎の突起物が見つかった。
その突起物は拳ほどの高さで、大量の荷物の下敷きになりながらも直立していた。……いや、直立しているわけではないのか。
よく見ると床から生えているようだった。
部屋の隅で見つけたのだが、忘れたころに足を引っかけて転ぶようなことになるのは避けたい。
どうにか移動させられないものかと引っ張っていると、
ガチャリ……
と音を立てて突起が動いた。というより……捻れた。
床から生えていた突起物がいきなり動いて困惑する。
いやそれよりも、聞き覚えのあるガチャリという音。
もしかしてこれドアノブか?つまり床にあるのは……
「扉……?」
その考えを裏付けるように、捻った突起物をゆっくり引き上げると床が四角く切り取られて、扉の形になっていった。
見つけた扉を開いた先には、自分の知らない未知の空間が広がっている。
その光景にただ心躍らせた。
当初はたった一人だったとしても、心の底からこの物語を好きになってくれる人がいれば満足だという思いで書き始めました。ですが、今ではより多くの人の目に留まって、できれば楽しんでほしいと思うようになっています。
書いていくうちに欲が出てくるものですね。
一日に三話も投稿したかいあって、今日は今までで一番多くの人の目に留まれたようです。
私のライフがゼロなので二度目は無理そうですが……。




