シャドゥウの独白2
幼い頃からマスターは、それを求められていた。
遊ぶことも、少なかった。
そのせいか皆と混ざり遊んでいるのを見ると
ほっとするのが事実だ。
だが、自分の力で生きていっている分、
「大人」ということを求めてしまうのも事実だ。
「するわよ。占いする場所というのか、館というのか・・・・・・
そういうのが多すぎてどこにしようか迷ってるの。
それより髪、本当にどうしよう・・・・・・」
・・・・・・私は結局マスターに任せることにした。
もともと私はマスターで成り立っている。
当然のように信頼しているし、従っているのだから。
マスターはそれからしばらく鏡の前で唸っていた。
が、結局決めることができなかったのか、
ため息をつくと、明かりを消した。
◇ ◇ ◇
次の日マスターは一度真っ赤に染めたが、
すぐに元へ戻した。
思っていたのと違ったようだ。
「ブロンドの方がお似合いですよ」
少し拗ねている感じのマスターに私はそう言った。
「珍しく『第1級の人にやってもらわないから』っていうふうには言わないのね」
私はそんなセリフ、滅多に言わないつもりだ。
心外だと、意見を言おうとすると、
マスターの口元が笑っているのが見えた。
照れ、ということがわかり私も笑みを返した。
もっとも、それはマスターにはわからなかったと思うけれど。